【マツダCX-80が大改善を経て登場】スポーツカー好きの20代編集部員がその真価に迫る!

大幅な改良を受けた足まわり マツダCX-60やCX-80が共用しているマツダ・ラージプラットフォーム。マツダがこのラージプラットフォームで目指したのは、ダイレクトなハンドリングや高いトラクションと走破性。スポーツカー並みの高剛性なサスペンションが実現する快適な乗り心地であるという。 【画像】神戸の街を駆け抜けたマツダCX-80 全14枚 初出のCX-60も、きれいな舗装路ではロードスターにも通ずるようなコントローラブルなハンドリングを実現。しかし、荒い路面や大きなギャップでは、横方向への逃げが少ないサスペンション構造が災いし、突き上げ感や上下動の収束に関して否定的な意見も見参された。 CX-60で尖りすぎた反省を生かし、CX-80では大幅にサスペンションをリセッティング。 平井大介 そこでCX-60では尖りすぎたという反省を生かし、CX-80では大幅にサスペンションのリセッティングを行ったという。その主なメニューは以下の通りで、大きく変更されている。 ・バネレートと減衰力のバランスの調整 ・サブフレームのブッシュを変更。前後動を許容することで衝撃を吸収 ・ツッパリ感の低減のためリアスタビライザーを除去 ・パワーステアリングのアシスト力を変更 運転の楽しさはCX-60譲り 今回の試乗会で最初に乗ったのはPHEVの『プレミアムスポーツ』と呼ばれるグレードで、2.5リッターの4気筒自然吸気エンジンを積むモデル。実際、運転してみるとCX-60よりはマイルドな足回りと重ための車重のおかげで、だいぶソフトな感触。 やたらスカッと回る4気筒エンジンのおかげもあり、7人乗りのSUVを操っているというよりは、イキのいい小型のスポーツハッチに乗っているかのような感覚だ。ただし、上下動の収束という点においては、バッテリーが加わった車重を調教できていない様子で、改善の余地ありといったところだろう。 マツダCX-80と、20代のスポーツカー大好き編集部員オゴー。 平井大介 次に乗ったのは、直列6気筒のディーゼルエンジンを搭載するマイルドハイブリッド。全体の重量がPHEVモデルよりも軽いためか、動きもこちらの方が落ち着いており、ギャップを超えた後の収束もいくらか具合が良い。CX-60よりかは幾分マイルドであるものの、コントロール性や高速時の安定感も上々。 CX-60からのCX-80デビューまでの短期間で、これだけ足まわりの熟成が進んだのだから、ラージプラットフォームの将来には期待が募る。直列6気筒ディーゼルエンジンの音も回転上昇とともに澄んでいくので気持ちが良く、このエンジンを積んだスポーツカーがあれば……と考えてしまう。 いまは家族がいて、スポーツカーに乗ることは叶わないけれど無類の運転好き。そんな人にはこのCX-80は最高の相棒となってくれるはずだ。 上質なインテリアと流美なデザイン もうひとつの特徴は内装。今回試乗した上級グレードのプレミアムスポーツではダッシュパッドがタンのアルカンターラ素材で張られており、欧州車にも負けない風合いを出している。標準的なグレードでは、色こそ地味目ではあるが質感はしっかりしていて『質実剛健』といった感触だ。 関係者によると、CX-60でもヨーロッパのブランドや日本の高級ブランドからの乗り換えや、それらのメーカーとの検討をしている人が増えたという。流行を追って、照明のギミックや大きな画面を追い求めるのではなく、運転中でも操作しやすい物理スイッチと、純粋な質感の良さで勝負をしているというのはとてもいいと思う。 マツダは、クルマ好きのためのクルマを新たに開発して作り続けようとしているように思える。 平井大介 縦置きプラットフォームと大排気量直列6気筒ディーゼル組み合わせに、光り物に頼らない趣のあるインテリアなど、マツダはクルマ好きのためのクルマを新たに開発して作り続けようとしているように思える。そういった姿勢に、僕たちクルマ好きは感謝しなければならない。

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