AI音声ではなく人の声で 「声の新聞」届けて38年、札幌のNPO

 目の不自由な人や高齢者に新聞を代読するボランティアグループが札幌市にある。  今年で活動38年目。AI音声が情報を読み上げてくれる時代に、人の声だからできることがあると「声の新聞」を届けている。 ブースに分かれ、依頼された記事を代読する  NPO法人札幌リーディングサービス「朗読110番」(桑原準子理事長)は、視覚に障害がある人や高齢で細かい文字が読みにくくなった人に電話口で新聞を代読するサービスを1987年から続けている。  活動は月、水、金曜日の午前11時から午後2時まで(祝日、お盆、年末年始を除く)。指定の番号に電話をかけると当日付を中心に朝日新聞、北海道新聞の2紙から希望の記事を読んでくれる。電話代以外に費用はかからない。  希望の記事がわからなかったり、決めていなかったりした時は、掲載内容を見出しで紹介してくれる。衆院選の直後だった10月30日には、選挙関係の記事を希望する電話が入った。利用者からは「各政党の議席の変化を知りたい」とリクエストがあった。「自民党は改選前の247議席から191議席に、立憲民主党は98議席から148議席に……」。担当者は、記事に付けられた表やグラフ、別の日の記事からデータを読み取り、伝えた。  記事を読む際、抑揚などは意識的に抑える。不必要に感情を込め、強弱を付けると正確な理解の妨げになると考えるからだ。一方で、機械的にならないように心がける。読みながら、電話の向こうにいる依頼者の反応、声色、間合いなどを感じ取る。  「求めている内容と違うのではないか」「すでに知っている情報か」「記事がよく理解できていないのかもしれない」  感じ取った情報を元に、声をかけて少し間を取ったり、読むスピードを変えたり、関連記事の存在を伝えたりする。

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