まさかの大量5点差…大誤算でもブレなかった采配 世界一に導いたド軍指揮官の“執念”

ロバーツ監督は0-5で4回にコペックを起用 【MLB】ドジャース 7ー6 ヤンキース(日本時間31日・ニューヨーク)  5点ビハインドの展開でも指揮官に迷いはなかった。ドジャースは30日(日本時間31日)、敵地・ヤンキースとのワールドシリーズ第5戦に7-6で勝利し、4勝1敗で4年ぶり8度目の世界一に輝いた。3回終了時点で0-5。序盤から劣勢の展開だったが、デーブ・ロバーツ監督は執念の采配で勝利をもぎ取った。  決して諦めてなかった。先発のジャック・フラハティ投手が初回にジャッジ、チザムJr.に2者連発を浴び、3点を失った。2回にも1死三塁からベルドゥーゴの適時打で4点差に。その時点でロバーツ監督は投手交代を決断。アンソニー・バンダ投手をマウンドに送った。  3回からマウンドに上がったライアン・ブレイシア投手がスタントンにソロを浴び、0-5と差が開いたが、4回にレギュラーシーズンでは守護神も務めたマイケル・コペック投手を起用。直後の5回に相手のミスが続き一気に同点に追いついた。  その後もアレックス・ベシア、ブルスダー・グラテロル両投手を登板させ、6回途中からブレイク・トライネンが8回までロングリリーフ。逆転した直後の8回1死一、二塁のピンチではロバーツ監督自らマウンドへ向かい、トライネンに言葉をかけた。直後のスタントン、リゾを抑え無失点に。そして、最終9回はウォーカー・ビューラー投手をマウンドへ。大胆な采配で4年ぶりの世界一を手にした。 5点差逆転の世界一「プラン通りにいかなかったことは、間違いない」  前日29日(同30日)の第4戦は序盤に2点差にも関わらず、救援温存を選択した。この日は一転して救援のエース格を総動員。この方針は地区シリーズ、リーグ優勝決定シリーズでも変わらず。過去に5点差を逆転して世界一になったチームはいなかったが、ロバーツ監督に迷いはなかった。  優勝後の会見では「プラン通りいかなかったことは、間違いない」と正直に話す。「第7戦の先発候補を9回に起用しなければならなかったということは、明らかに投手陣が足りなかった」。それでもこの試合で世界一を獲りに行くと決めた以上、投手を温存しなかった。  タイラー・グラスノー、ギャビン・ストーン両投手らの負傷離脱で投手陣が手薄なのは誰の目にも明らかだった。試合後、ロバーツ監督は「我々は必死に戦い続け、最後まで残った。ウォーカー、ブレイク、その他全ての選手の活躍は非常に大きなものだった」と選手たちに感謝した。賛否両論あった起用法。最後まで自分を信じたロバーツ監督に野球の神は微笑んだ。(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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