30日、秋の園遊会が行われ、パリオリンピックのメダリストたちが出席し、両陛下は笑顔で言葉を交わされました。また愛子さまも今回初めて和装で園遊会に出席されました。 ◇ すっかり雨があがった青空の下で行われたのは、天皇皇后両陛下主催の秋の園遊会です。両陛下のほか10人の皇族方が出席されました。 女性皇族方の装いは、前回のドレス姿から一転、色鮮やかな着物姿。今年春に続いて2回目の参加となる両陛下の長女、愛子さまの装いは、ピンクの振り袖。初めて和装で園遊会に臨まれました。 出席者の中には、今年の夏、世界中を熱狂させたパリオリンピック・パラリンピックの金メダリストたちの姿も。 やり投げで日本女子初の金メダルを獲得した北口榛花選手。 天皇陛下 「よかったですね」 パリ五輪・陸上女子やり投げ金メダル 北口榛花選手(26) 「ありがとうございます」 皇后さま 「すばらしかったですね、第1投から。1投目というのは難しいものなのですか」 北口榛花選手(26) 「1投目でどれだけ投げられるかで、後の選手のプレッシャーも変わってくるので、大事なポイントではあります」 天皇陛下 「65メートル…」 北口榛花選手(26) 「池は越えられるかなと思います」 北口選手が投げた65メートルという記録を、赤坂御苑の池の大きさと比べ、笑い合われる場面もありました。 また、愛子さまと話したという内容は… 北口榛花選手(26) 「国民スポーツ大会で、生でやり投げを見てくださったというお話もして…」 皇后さま 「プレッシャーも、おありだったのかなと」 パリ五輪・柔道男子金メダル 阿部一二三選手(27) 「今回は妹の詩が、僕が試合する前に負けてしまって、妹の分まで金メダルをとらないと、という思いで頑張りました」 天皇陛下 「袖釣り込み腰ですか」 阿部一二三選手(27) 「パリ五輪の決勝戦も袖釣り込み腰で」 圧倒的な強さで大会連覇を成し遂げた、柔道・男子66キロ級の阿部一二三選手。金メダルを勝ち取った最後の技は、妹・詩選手も得意な袖釣り込み腰でした。 天皇陛下 「常に妹さんとご一緒に切磋琢磨(せっさたくま)している」 阿部一二三選手(27) 「1人より2人のほうがプレッシャーあるが、喜びは何倍も大きいのかなと、僕自身はすごく思う。2人で金メダルを目指したいなと」 皇后さま 「妹さんにもよろしく」 スケートボードの堀米雄斗選手、吉沢恋選手とはユーモアあふれるやりとりも… 天皇陛下 「スケートボードって、芝生の上でも滑れるんですか。ここスロープになっているので…」 パリ五輪・スケートボード男子金メダル 堀米雄斗選手(25) 「一応できないことはないんですけど、競技の時はかためのタイヤを使うんですけど、こういうところで滑る時は大きめにして、やわらかいものを使うと、こういうところでも滑れそう」 天皇陛下 「下に池があるのであんまり…」 堀米雄斗選手(25) 「気持ちいいかもしれません」 天皇陛下 「スキーしたことがあるんです」 皇后さま 「スキーとかそりとかね」 パリ五輪・スケートボード女子金メダル 吉沢恋選手(15) 「やってみたいです」 幼少期、赤坂御用地でスキーをされたことがあるという陛下。さらに、皇后さまは… 皇后さま 「子どもの頃、スケートボード滑るだけは滑ったことがある。友達が持っていて、家の前が坂になっていたので、そこでこういう感じで滑っただけなんですけど。何回か楽しくて」 吉沢恋選手(15) 「一緒に滑れますね」 その後の取材で… 堀米雄斗選手(25) 「(小さい頃)スケートボードを乗っていたというお話を。そこで僕もめちゃめちゃ親近感わいたし、すごいびっくりしたし、すごいうれしかったです」 吉沢恋選手(15) 「全然自分のこと、わからないだろうなと思っていたが、パリ五輪の話を聞いてくださって、すごくうれしかったです」 ◇ 今回の秋の園遊会は、1400人あまりが出席しました。 体操男子団体で金メダルを獲得した選手たちも。 パリ五輪・体操男子金メダル 谷川航選手(28) 「みんな本当にケガが多い種目で、危ないんですけど」 天皇陛下 「じん帯を…」 パリ五輪・体操男子金メダル 岡慎之助選手(20) 「2年前に膝のじん帯を切ってしまって、本当にオリンピックと同様、諦めずに毎日トレーニングを積み重ねて、本当に諦めなくてよかった」 また、23歳の橋本選手は、愛子さまと同世代です。その後の取材で… パリ五輪・体操男子金メダル 橋本大輝選手(23) 「同じ2001年生まれだったので、そういう話も多少ありました。同級生って言いづらかったです。『同級生ですね』と言った後に、『やべ』とちょっと思った。フランクに言い過ぎたなと思った」 ──愛子さまの反応は? 「あちらから『同じ、同年代ですね』という話になった」 パリ五輪・体操男子金メダル 谷川航選手(28) 「初めてお会いしたので『テレビの人だ』と思いました」 パラリンピック、車いすテニスの上地結衣選手、田中愛美選手。 天皇陛下 「車いすの調整とかも…」 パリパラリンピック・車いすテニス女子金メダル 上地結衣選手(30) 「ありがとうございます。約1年半前から、いまプレー中に乗っている車いすは変更を始めて、1年ほどは、新しい車いすに乗ると慣れるまでに本来なら時間がかかる。皆さん、変わるタイミング気にされるんですが、それよりも挑戦したい気持ちや、自身としては4大会目のパラリンピック。たくさんの方のサポートをいただけて、なんとかたどり着いた」 天皇陛下 「大変なこともおありになった」 パリパラリンピック・車いすテニス女子金メダル 田中愛美選手(28) 「はじめは普通に立っている時のテニスの感覚があったので、ギャップというか、普通に立ってたらできたことができなくなったのは、すごく不安も大きかった。徐々にやっていくうちに、自分がやれることが増えていった。それがすごく楽しくて、続けるモチベーションになった」 ◇ 令和になってから4回目の開催となった園遊会。両陛下は一人ひとりと時間をかけて歓談し、和やかなひとときを過ごされました。