松江市の島根大学教育学部付属義務教育学校３年、北村絵澄さん（８）が音楽や落語を披露するチャリティーライブが１３日、同市殿町の県民会館で開かれた。 会場となった約５００席の中ホールは満席となり、入場料と会場での募金を合わせた約３５万円は、アジアの子どもたちの教育支援に取り組む国際ボランティア団体に寄付する。（辻楓） 北村さんは、幼い頃からピアノと歌を習っており、国際ジュニア音楽コンクールなどで受賞歴がある。落語は小学１年の頃、友人に誘われて始め、アート（芸術）にちなんだ「活塾亭あーと」の高座名で、約４０の高座を経験してきた。 ライブは、ボランティア団体の支援活動に共鳴して企画。当日券も用意されたが、すぐに売り切れる盛況ぶりだった。 北村さんは、母・由佳さん（３８）とともにハイドンの「ピアノ協奏曲第１１番」などを演奏した後、「パート・オブ・ユア・ワールド」や「君をのせて」などを歌った。落語では、小泉八雲（ラフカディオ・ハーン）の怪談「おしどり」や「衝立の乙女」などの演目を披露。自身が所属する松江プラバ少年少女合唱隊もゲスト出演し、美しい歌声を響かせてライブを盛り上げた。 チラシを見かけて出雲市から訪れた男性（６４）と妻（７０）は「８歳だとは思えないオーラで、声がよく通っていて、今後が楽しみ」と話した。 北村さんは開催に向けて、ピアノは１日８時間ほど練習したほか、落語は講師の宮森健次さん（６４）の個別レッスンを受けるなど、来場者に楽しんでもらうための努力を積み重ねてきたといい、「温かく見守ってくれて涙が出そうだった。第２回は大ホールで行いたい」と今後を見据えた。由佳さんは、多くの人が足を運んでくれたことについて「挑戦を応援してくれて感謝の気持ちで胸がいっぱい」と感慨深げだった。
