「可能性高いのは少数与党で高市総理」総理指名選挙"3つのシナリオ"徹底分析!揺れ動く自立国維の思惑...連立?少数与党?政権交代?それとも"アノ人"が!? ジャーナリスト・武田一顕氏の見解

 公明党の連立離脱により混沌としてきた総理大臣指名選挙。10月14日には「自民・国民」の2党、そして「立憲・維新・国民」の3党がそれぞれ幹事長会談を行いました。 野党候補一本化について国民・玉木代表は「基本政策の一致が、仮に政権をともにすることであれば不可欠」と述べ慎重な姿勢を崩していません。一方で専門家は「自民・国民が連携」「少数与党で高市総理」などの可能性を主張しています。 果たして“高市総理”は誕生するのか?それとも政権交代となるのか?私たちの生活はどうなるのか?ジャーナリスト武田一顕氏、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏の見解をもとにお伝えします。 【シナリオ1】高市自民党が“仲間”を探して与党過半数  総理指名選挙で考えられるシナリオは、大きく分けて3つあるとジャーナリスト・武田一顕氏は指摘します。1つ目が「高市自民党が公明党に代わる“仲間”を探して与党過半数」です。このケースでは、どの党と連携するかによって2つのパターンが考えられると言います。  ▼シナリオ1—1  自民(196)+維新(35)+国民(27)=258議席  ※衆院過半数233議席  まずは、自民党が維新・国民を引き入れ、連立を組むケースです。この場合、衆参ともに過半数に達するため政権が安定します。  ただ、公明党離脱の要因にもなった“政治とカネ”の問題がハードルになりそうです。企業・団体献金などへの厳しい対応を求めている国民・維新と意見が一致するのか、仮に一致するなら、なぜそもそも公明党との連立を維持しなかったのかという矛盾があります。  また、「連合」(労組)がバックについている国民民主党と、「大企業」が支援する自民党がタッグを組めるのかという懸念もあります。  ▼シナリオ1—2  自民(196)+維新(35)+参政(3)=234議席  ※衆院過半数233議席  もう1つは、自民党が維新・参政と連携するパターンです。この場合、ギリギリ過半数を超えます。  ただ、吉村代表の鶴の一声で維新が本当にまとまるのか?という懸念があります。特に、支持基盤である大阪では自民・維新が激しく対立しているのです。また、閣僚ポストを参政党に渡すことに対して、自民党議員が納得するのかという問題もあります。 【シナリオ2】高市自民党が“仲間なし”で少数与党に  2つめのシナリオは、国民や維新などと連携せず、自民党単独で少数与党となるパターンです。現時点では、この可能性が一番高いという見方も。  今回の総理指名選挙は決選投票まで進み、自民・高市総裁と立憲・野田代表の争いになるとみられています。その場合、この2党以外の議員は「名前を書かない」あるいは「自分の党の代表の名前を書く」といった投票行動に出る可能性があります。そのような「無効票」は、数の多い方を支持するとみなされる(消極的賛成)ため、高市総裁の当選につながるというわけです。 【シナリオ3】野党連携で政権交代  野党が連携して政権交代となるというのが3つめのシナリオです。このケースでも、2つのパターンが考えられると言います。  ▼シナリオ3—1  立憲(148)+維新(35)+国民(27)=210議席  ※衆院過半数233議席  まずは、立憲・維新・国民が組むパターンです。過半数に届きませんが、自民党(196)を上回ります。実際に、立憲・野田代表は「玉木代表は総理候補の有力な選択肢」と譲歩し、玉木氏に“手土産”を渡す形で連携を進めようとしているのです。また、立憲・国民の両方を支持している「連合」(労組)の後押しもプラスに働くかもしれません。  ただ、国民・玉木代表は「基本政策の一致が大事」と一貫して主張。特に、安全保障・エネルギー政策で国民・立憲が一致するのかという懸念があります。  <安全保障>  立憲⇒安保法制の「違憲部分の廃止」  国民⇒日米安保体制の強化  <エネルギー政策>  立憲⇒原発ゼロ  国民⇒原発再稼働  こうした国民民主党の政策は自民党に近く、さらに玉木代表は「基本政策の一致」を強調し続けている…つまり「玉木代表は野党連携には後ろ向きなのではないか」と武田氏は指摘しています。  ▼シナリオ3—2   立憲(148)+維新(35)+公明(24)=207議席  ※衆院過半数233議席  国民民主党が野党連携に加わらず、立憲・維新・公明が組むパターンも。過半数には届きませんが、自民党(196)を上回ります。  連立離脱して間もない公明党の斉藤代表は「野党の党首に投票はあり得ない」としていましたが、14日には「あらゆる可能性を否定しない」と発言しているのです。 私たちの暮らしはどうなる?  今回の総理指名選挙で、私たちの暮らしはどう変わるのでしょうか?2つのパターンを見ていきます。  ▼少数与党・高市総理の場合  「危機管理型投資」などの独自の経済政策は少数与党では実現が難しいかもしれませんが、野党も賛成している「ガソリン暫定税率廃止」「年収178万円の壁引き上げ」といった目先の物価高対策は成立する可能性があります。   ▼野党連携政権の場合  立憲の「給付付き税額控除」、維新の「社会保険料引き下げ」、国民の「ガソリン暫定税率廃止」「年収178万円の壁引き上げ」など、各党の目玉政策が進めることができます。ただ、立憲が提唱する「1人2万円給付」「軽減税率2年間ゼロ」などは実現が難しいかもしれません。 今後の展望は?  「少数与党で高市氏が総理に就任する可能性が高い」とジャーナリスト・武田一顕氏は見ていますが、その場合、2つのパターンが考えられるそうです。  ▼当面は政策ごとに野党と連携しつつ連立相手探し  ▼解散総選挙をして自民の議席増を狙う  これは、今後発表される世論調査の支持率によって判断が変わってくるでしょう。  また、キーマンとなる国民民主党は、2つの方向性の間で揺れています。  ・野党連携しない⇒基本政策を重視し連立後の分裂を避ける  ・野党連携する ⇒非自民政権で野党が一致できる政策を実施   「政治とカネ」「物価高対策」など  安全保障・エネルギー政策などの基本政策か、あるいは、物価高対策・裏金問題といった直近の民意か…どちらを重視するのか、玉木代表は選択を迫られているかもしれません。

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