次の首相が誰になるかが見通せない異例の事態となっています。自民党の高市総裁と国民民主党の玉木代表が有力視されていますが、14日は、玉木代表に、“首相への覚悟”を聞きました。 ■玉木代表、首相への覚悟は… “安全保障政策の一致”強く求める ——“玉木首相”になることも覚悟は固まっている? 国民民主党 玉木代表 「党の代表になってから、衆議院議員に当選してから、いつかは国のトップリーダーになろう。覚悟と自覚を持ちながらやってきた」 “玉木首相”と呼ばれる日が、来るのでしょうか。 14日、立憲民主党、国民民主党、日本維新の会の幹事長による重要な会談が行われました。首相指名選挙で、玉木代表の名前を書くかどうかや、それに伴う政策協議が行われたとみられます。 自公連立が決裂した今、この3党が協力し、首相指名選挙で玉木代表の名前を書いた場合、210票と自民党の196票を上回り、玉木首相が誕生する可能性が高くなります。ただ、本人は… 国民民主党 玉木代表 「首相指名の有力候補(名前を)あげてもらっているのは、身の引き締まる思いですが、政権を共にするのであれば、国家運営の重要な政策、国民の生命・財産を守る安全保障、ピタリと一致させることが必要」 手を組む上で玉木代表が強く求めているのが、安全保障政策の一致。 国民民主党 玉木代表 「日本維新の会だと安全保障政策などは、かなり近いものがあるので心配はいらない。立憲民主党とは差がある。2020年、立憲民主党と分かれた大きな理由の1つ」 ——安全保障政策の一致がクリアできないと政権を担う能力はない? 国民民主党 玉木代表 「例えば家庭で言っても、戸締まり用心、火の用心は大事。いくらいいこと言っても、家が守れないと安心して暮らせない」 会談の結果は—— 国民民主党 榛葉幹事長 「維新の中司幹事長から発言がありました。『数合わせだけではダメ』だと。理念・政策が大事ではあるので、政策的な一致を見るプロセスや努力が必要ではないかと。基本的に維新と全く同じ」 「(立憲)野田代表の描いている自民党に代わる枠組みはどうなのか。憲法、エネルギー、安全保障、この3つの具体的な極めて重要な基本理念、どう考えているのか。次の党首会談で(立憲から)返していただくことに」 15日以降、党首会談を行うということです。 もし、政権交代となった場合、政権を担う準備があるのか玉木代表に聞きました。 国民民主党 玉木代表 「いつでも担える準備はできている。そのための政策を衆院選・参院選でも訴えた。パートナーとなる政党とは、安全保障・エネルギー政策を一致させておかないと、国民を不幸にしてしまう、国民を守ることができなくなる。『ここだけは一致させましょう』と引き続き主張していきたい」 「いずれにしても混沌(こんとん)とした状況になった。 『誰とやるか』より『何を成し遂げるか』 なかなか判断難しい。原点に立ち返って対決より解決、政策本位でやっていきたい」 ■高市総裁、首相への道は… 国民民主党にも接触…野党との交渉始まる 一方、自民党の高市総裁について、側近は「高市さん自身も自分が(首相に)なれるか半信半疑じゃないか」と語っています。 女性初の首相の座に影を落とした、公明党との決裂。その経緯について14日、身内に説明しました。高市総裁は冒頭、頭を下げておわびしたといいます。 自民党 片山さつき議員 「非常に全体の雰囲気としてはサポーティブ(支援的)だった」 ただ、厳しい声も聞かれます。 自民党 鈴木宗男議員 「公明党との関係については、よりを戻すべく最善を尽くすべき。総裁選挙で『奈良の女であります』と言ったんだから、その気持ちを今こそ発揮すべき」 首相への道を、どう目指すのでしょうか。 自民党 高市総裁 「首相指名の瞬間、ギリギリまで私自身も、この3日間、連休の間も作業を続けていた。執行部でも手分けをして一生懸命、合意できる政党と一緒に歩めるように努力をしていく」 すでに、野党との交渉は始まっています。都内のホテルで秘密裏に行われたのは、自民党と日本維新の会の国対委員長同士の会談。自民党側から首相指名の協力と、連立に向けた打診が行われたとみられます。 国民民主にも接触。自民党から申し出たそうです。 自民党 鈴木幹事長 「自民党と国民民主党は(基本政策が)一致している。ぜひ力を合わせて、日本の政治の安定を取り戻していきたい」 ——首相指名選挙の連携を呼びかけた? 自民党 鈴木幹事長 「首相指名選挙については、それは当然、協力をお願いした」 国民民主は、首相指名選挙の協力については、明言を避けました。 国民民主党 榛葉幹事長 「政治の安定は大事ですが、どこと、どこが連立組むとか数合わせではなくて、政策実現には我々は協力しますから」 事実上、2人に絞られている次の首相。首相指名選挙は1週間後、21日に行われる見込みです。