「女子はまだまだ」だった競歩で藤井菜々子「もう大感激」のメダル…ハイペースにも猛追にもひるまず

 陸上の世界選手権東京大会は第8日の20日、国立競技場(東京都新宿区)を発着する周回コースで女子20キロ競歩が行われ、藤井菜々子(26)(エディオン)が自身の持つ日本記録を15秒更新する1時間26分18秒の日本新で銅メダルを獲得した。  五輪と世界選手権を通じて、競歩種目で日本勢女子のメダル獲得は初めて。  ゴール直前で4位の選手が猛然と迫ってきても、藤井は前だけを見据えていた。2月に出した従来の日本記録を15秒更新する会心の歩き。日本競歩の新たな歴史の扉を開き、「自分が思い描いたレースができた。もう大感激」と笑顔が広がった。  スタート時の気温が23度、湿度は66%と暑さが残る条件下で、序盤から1キロ4分20秒前後のハイペースで突き進む先頭集団に対し、藤井はひるまずに挑んだ。  15キロ過ぎで3人に絞られた先頭争いに残ったが、直前に両足が浮く歩型違反で2回目の警告を受けた。あと1回で2分間のペナルティーゾーン待機となる窮地。「もう必死に『足を低く、低く』って、ずっと唱えていた」。残り5キロ弱を最後まで警告ゼロで歩き、タイム差なしで3位を守りきった。  これまで世界選手権では2度入賞していたが、メダル争いには絡めなかった。今回、本気で挑む覚悟を決める引き金となったのは、ジュニア世代からしのぎを削ったライバルたちの活躍だ。  32位に沈んだ昨夏のパリ五輪で、今大会銀メダルのアレグナ・ゴンサレス(メキシコ)ら同世代の選手が上位に名を連ね、「置いていかれたと思って、悔しかった」。動きの左右差など細かな課題を地道につぶし、世界に通じる歩きを磨き上げた。  「女子はまだまだと言われてきたので、必ず私がメダルを取ると思って、今日まで練習してきた。次は金メダルへと歩いていきたい」。世界の頂を目指し、26歳の新たな挑戦が始まる。(西口大地)

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