なぜ板野友美の「セレブ自慢」は世間をザワつかせるのか 「夫に頼らず稼いでいるアピール」が逆効果に

 たびたび世間をザワつかせる元AKB48・板野友美(34)のインスタ投稿。華やかなセレブ生活の発信には純粋な憧れの声が上がる一方で、「鼻につく」という声も目立つのである。同じくSNS発信に力を入れている元アイドルやインフルエンサーと比べて、なぜ板野のSNSは「悪目立ち」してしまうのか……。ライターの冨士海ネコ氏が分析する。  *** 【写真をみる】ヤクルト優勝旅行で「ビキニ姿」で大はしゃぎ 板野友美の“問題の一枚”ほか 「また高級車の自撮り?」「旦那より目立ってない?」……元AKB48の「神7」の一人で、かつて「ともちん」の愛称で一世を風靡した板野友美さんのインスタ投稿が、たびたび賛否を呼んでいる。セレブな暮らしをそのまま切り取ったような日常は、同世代女性の憧れを集めるどころか、「鼻につく」「旦那の足を引っ張っている」と批判されがちだ。 板野友美  だが考えてみれば、セレブ妻として華やかな生活を発信するタレントは他にもいる。では、なぜ板野さんだけがここまで嫌われるのだろうか。  それは板野さんの専門分野が分かりにくい、というところにあるのかもしれない。AKB時代はクールな小悪魔キャラで、ギャルっぽさや尖った雰囲気を武器に人気を集めていた板野さん。だがグループ卒業後は歌手活動で大きなヒットを出せず、徐々に活動の軸足をSNS発信や美容関連のプロデュースへ移していった。  しかし美容分野では、同じ「神7」の小嶋陽菜さんが人気を席巻していた。アパレルブランド「Her lip to」のクリエイティブディレクターとしても活躍し、同世代女性から「憧れの美人社長」としてファッションアイコン的な地位を確立。美容雑誌やファッション雑誌に引っ張りだこだった。  さらに後輩の指原莉乃さんも、今や「おしゃれ有名人」の一人として頭角を表している。バラエティー番組だけでなくコスメやファッションの分野でも手腕を発揮しており、板野さんをしのぐほどだ。  また板野さんと仲が良いことで知られる前田敦子さんは、女優にシフト。多くの有名監督からのラブコールは絶えず、結婚・出産・離婚を経ても活躍の場を広げ続けている。  一方の板野さんのインスタは、胸の谷間もあらわな水着姿の写真も多い。プロ野球選手・高橋奎二さんと結婚し長女を出産後、アパレル業に進出したものの、おしゃれママタレ路線というわけでもないようだ。ママというよりは「イケてるわたし」を前面に押し出す投稿には、「ガンガン稼ぐ、強くてカワイイわたし。単なるセレブママタレントとは一緒にしないで」という自意識が伝わってくる。板野さんって、いま何のカテゴリーで売れている人だっけ?という世間の戸惑いを置き去りにして。 同じセレブ自慢なのになぜ嫌われる? VERY妻の頂点・「タキマキ」との違い  ここで比較対象になるのが、雑誌「VERY」で大人気のモデル「タキマキ」こと滝沢眞規子さんである。  滝沢さんはスカウトされ雑誌「VERY」の専属モデルとなったシンデレラストーリーを持つ女性であり、「セレブママ」の象徴的存在だ。インスタでは豪邸でのラグジュアリーな生活を披露し、高級ブランドの大きなバッグをいくつも抱える姿には、時に「爆買い芸人」と心無いコメントがつくこともある。  ただ自身の仕事の様子だけでなく、お子さんや夫とのコミュニケーション、手料理の写真など、家族の姿もバランス良く見せている。インテリアや美容などにいち主婦・いち生活者としての目線を織り込むことで、「まねしたい」と思う投稿が多いのだ。  これに対し、板野さんの投稿は「自分がどれだけ恵まれているか」を強調しているように見えてしまう。特に「家賃100万超えの豪邸を番組で紹介」「高級車の中で自撮り」などは、「庶民との距離」を強調してしまう構図になりやすい。「真似したい」と思うことすらはねのけようとする、排他的な空気を感じてしまう人もいることだろう。 夫の稼ぎにぶら下がっていないという宣言も逆効果 「夫よりも目立つ妻」へのアレルギー  さらに2021年には、板野さんの夫が所属する球団が「スポーツ報道で板野さんの名前を出さないで」とメディア側に通達を出していたことが明らかになった。スポーツ選手の妻は、陰で支える存在として好感を持たれやすい。だが板野さんは、支えるどころか自分の存在感を前に押し出し、「夫より目立つことを選んだ妻」というイメージをつくってしまった。日本社会には依然として「家庭に入った女性は控えめであるべき」という性別役割意識が根強く残っており、それに逆らう発信は「鼻につく」と受け取られやすい。  かといって板野さんは、高橋選手の稼ぎに黙ってぶら下がっているという見え方も我慢ならないのだろう。先日出演したバラエティー番組では引っ越したばかりの豪邸を披露し、家賃は100万超えと匂わせながらも、「家賃や生活費、養育費すべて半分ずつ」と明言。「お家だけ見ると“セレブ妻の優雅な暮らし”に見えるかもしれないけれど、実際は朝から晩まで走り回る日々」「でも、それが幸せ。旦那さんに養ってもらってティータイムって柄でもなく」と、「稼げる私」「苦労もいとわない私」というアピールを忘れない。「妻としての私」でもなく「母としての私」でもなく、「稼いでる私が一番輝いている」という承認欲求が前に出る投稿が、共感よりも反感を招いてしまう理由ではないだろうか。  そうはいってもどのタレントも承認欲求を持っているし、それをビジネスに昇華することは珍しくない。指原さんがコスメをプロデュースし、自身の使用感を語るのも一種の承認欲求の発露だ。しかしそこには「自分が使って良かったものを共有する」という「ギブ」的な姿勢がある。小嶋さんのブランドも「女性がかわいく見える服を届けたい」というテーマがあるからこそ、自己演出が応援される。  翻って板野さんの承認欲求は「私が稼いで作り出す暮らしはこんなに豪華」という「見せびらかし」に寄っているため、共感が生まれにくい。つまり、承認欲求そのものが嫌われているのではなく、その見せ方が「他者へのギフト」か「自分の誇示」かで評価が分かれているのだ。  結局のところ、板野さんがセレブ自慢で嫌われるかどうかは、豪華な生活そのものではなく、それをどう発信しているか、そしてAKB時代のキャラからどれだけアップデートできているかに左右されている。かつては「憧れのオシャレお姉さん」として成立していた板野さんのキャラも、30代に入り母になった今では「いつまでたっても自分中心」として違和感を与えてしまう。同じセレブでもタキマキさんのように「まねしたい生活者目線」を盛り込めば憧れられるし、指原さんや小嶋さんのように「かわいくなりたいみんなへの提案」に変換すれば応援される。 「もっと余裕をもってこの家に住めるように、ティータイムたくさんできるようにまだまだ頑張らなきゃ!って思ってる」と今後の意気込みを語った板野さん。ただ、余計なお節介かもしれないが、今の彼女に必要なのは余裕を誇るティータイムより、承認欲求の扱い方を考え直すアップデートタイムなのではないだろうか。 冨士海ネコ(ライター) デイリー新潮編集部

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