【ニューヨーク＝金子靖志】国連安全保障理事会は１９日午前（日本時間１９日夜）、イランの核開発問題に関する会合を開き、イランに対する国連制裁の停止を継続するための決議案を否決した。 今月下旬にも対イラン制裁が復活する公算が大きくなった。 採決では、中露など４か国が賛成したが、米英仏など９か国が反対し、２か国が棄権した。対イラン制裁は２０１５年の核合意によって停止されてきた。しかし、英仏独は８月、イランが１９年以降「意図的に核合意を履行していない」と指摘し、国連制裁を復活させる手続きを始めた。 英仏独はイランが米国との間で新たな核開発制限の枠組みに合意するなどの対応を取るよう求めてきた。これに対し、イランは譲歩や協議入りの姿勢を見せず、安保理での調整も難航している。今回の決議案は否決され、安保理筋によれば、制裁復活を回避できる期限となる２７日から経済制裁が再発動する見通しという。 核合意はイランと米英仏独露中の６か国が結んだ枠組みで、イランの核開発制限と引き換えに国連制裁を停止した。イランは、米国が一方的に核合意を離脱したことへの対抗措置として、合意を超える高濃縮ウランの製造を進めてきた。
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