価格の高騰が続く都心部のマンションをめぐり、東京・千代田区が投機目的のマンション転売を防止するため取引を制限するよう不動産協会に要請したことをめぐり、不動産協会は19日、「何らかの対策が必要」との考えを明らかにしました。 千代田区が今年7月に大手不動産が加盟する不動産協会に提出した要請文は、国外からの投機を目的としたマンション取引が行われていると考えられるとした上で、「住宅価格の上昇や賃料高騰で、区内に居住したい方々が住めないことが想定される」として、投機目的でのマンション取引を防止するため対策を強化するよう要請したものです。 区の要請に対し、不動産協会は19日、新築分譲マンションの価格上昇の要因について「投機的な取引が挙げられることが多いが私どもはこの影響はごく限定的と捉えている」として、土地代や建築費など原価高騰が第一に挙げられる要因だという見解を示しました。 その一方で、「投機目的の短期転売は決して好ましいことではない」「一定数の短期転売の事例があることは否定しない」との認識を示し、投機目的の短期転売をできる限り抑制するために何らかの対策が必要だとする考えを明らかにしました。 国交省の調査結果を確認したのち、具体的な取り組みについて発信していくということです。 これに対し、千代田区は19日、コメントを発表し「区の要請を受けて不動産協会は今回初めて投機的な動きを認め、国交省の調査結果をふまえて投機的な短期転売の抑制を発信するという考えに変わったと認識する」として、区は今後、要請内容を事業者と調整していくということです。 区の担当者によりますと、区内にあるマンションの居住実態を調査した結果、ある新築マンションでは全戸完売したにもかかわらず、その半分が空き室で住民がいなかったといいます。このほかにも、全体の4割の部屋で居住実態のない新築物件もあり、これらの部屋では、外国人だけではなく日本人の登記も多く確認されたということです。
