【ジュネーブ＝船越翔】ＡＰ通信などによると、アルバニア議会で１８日、人工知能（ＡＩ）が生成した女性キャラクターが、公共調達担当の大臣として初めて演説し、公平性をもって職務にあたると訴えた。 アルバニア政府はこのＡＩをロボットに搭載し、議会に出席させることも検討している。 この日の議会では、伝統衣装を着た「ディエラ」と名付けられたＡＩの女性キャラクターがスクリーンに登場した。約３分間にわたり音声で「私は人間に代わるためではなく、人間を支援するために存在する」と語り、「私にあるのはデータや知識への渇望、市民に公平性と透明性と共に奉仕するアルゴリズム（計算手法）だけだ」と強調した。 ディエラの大臣就任は、９月１１日にエディ・ラマ首相が表明した。長年の課題である政府の公共調達を巡る不正や汚職に対応するため、入札に関する管理や発注などを監視させるという。 ただ、ＡＩの詳しい性能などは明らかになっておらず、設定次第では恣意（しい）的な運用も可能となる。議会の一部議員からは「ディエラは政府が汚職を隠すための手段にすぎない」と反発の声も出ている。
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