台風15号による国内最大級の竜巻が発生してから19日で2週間。被害が特に大きかった牧之原市では… (記者リポート) 「竜巻被害からきょうで2週間です。現場には電線が落ちているなど爪痕が残っていますが、住宅には足場が組まれ、復旧が少しずつ進んでいます。」 (被災した人) 「周りに散乱していた瓦礫の方はボランティアさんが片付けてくれたため、だいぶ片付いてきました。夢のようですね、悪夢です。」 (被災した人) 「だいぶ電気も通ってきたので、その辺は楽になったかなと思います。」 発生から2週間が経ち、片付けや復旧作業が少しずつ進んでいますが、これまで通りの生活を取り戻すには、まだかなりの時間がかかりそうです。そうした中、被災者には疲労が溜まり、ストレスやこの先への不安が広がっています。 牧之原市では『こころの相談窓口』を開設し、保健師や臨床心理士が被災者からの相談を受け付けています。 (牧之原市 保健師 近藤綾香さん) 「発生直後から時間が経ってきて、精神的に疲れてしまった方が多いので、そういう相談が多いと思います。」 幼稚園への登園を渋る子どもを持つ親からや、この先のことを考えて不安が募ったという高齢者など、18日までに10件以上の相談があったといいます。保健師の近藤さんは、周りにいる人たちが小さな変化に気づいてあげることも大切だといいます。 (牧之原市 保健師 近藤綾香さん) 「疲れている表情だったり、眠れていないんだろうなっていう表情だったりを、周りの人が気づいて声をかけるとありがたいと思います。」 『牧之原市 こころの相談窓口(0548‐23‐0024)』は10月3日までの予定で、希望すれば自宅へも訪問してくれるということです。 一方、社会福祉士や介護福祉士などで構成する県の災害派遣福祉チーム、通称・DWATも19日から被害を受けた住民への生活状況の聞き取り調査を始めました。災害関連死を防ぐためにも、困っていることなどを聞き、情報提供やアドバイスを行うといいます。 (DWAT 渡邉麻由さん) 「被災前から被災後でどのように生活が変わったのか、心配事、困りごとを聞いて生活のニーズを確認している。」 こちらの男性は復旧活動に追われていたため、今回のように話を聞きに来てくれたことで困っていることについて声を上げることができたといいます。 (被災した人) 「助かります。片付けているときに来てくれると、こういうわけですよと直接言えるので助かります。」 今回の竜巻では農業被害も甚大でしたが小泉農水相は19日、 (小泉進次郎 農水相) 「静岡県で甚大な被害をもたらした台風15号の竜巻被害等に対しても、これらの追加支援を実施することといたしました。」 それによると、今回、被害が特に大きかった農業用ハウスの修繕などに国が最大で600万円の支援を行うということです。 また災害から2週間がたち、被災者が困っているのは移動手段です。今回の竜巻では飛んできた瓦が直撃したり、車自体が飛ばされたりして、多くの車が使えなくなってしまいました。それにより移動手段が失われ、被災者の復旧への足かせにもなっているのです。 そんな中、19日から日本カーシェアリング協会が牧之原市に貸し出し拠点を置き、無償での車の貸し出しを始めました。 (日本カーシェアリング協会 静岡支部 森政文さん) 「6日に現地調査を行いました。(この地域は)車社会ですから、災害ゴミを輩出するにも一時的に仮住まいに家財をはこぶためにも、軽トラとかの必要性を感じました。」 被災者は無料で、最大7日間借りることができます。19日、さっそく車を借りに来た放課後等デイサービスでは4台の送迎車が被災し、3台が廃車となったといいます。 (スマイルNEXT 竹市恵美子さん) 「障害児の放課後等デイサービスという、福祉サービスの一つになります。毎日子どもたちを学校にお迎えに行って、帰りは自宅まで送り届けますので、送迎車は本当に欠かせないものでしたので大変助かっております。」 被災後はこれまで、他の施設で使っている送迎車に相乗りしていたといいます。 (スマイルNEXT 竹市恵美子さん) 「寄付していただいた方の思いや、教会の方たちの思いをこどもたちに共有して、感謝申し上げたいと思います。」 (日本カーシェアリング協会 静岡支部 森政文さん) 「軽トラとか軽乗用車、普通自動車を貸し出ししますので、ぜひ利用して一日も早い復興を目指してもらいたいと思います。」 竜巻から2週間。しかし復旧への道はまだ長いようです。 (被災した人) 「(2週間)長かったですかね…。はやく前の生活になれば戻っていけばいいかなという感じ。」 (被災した人) 「夢のようですね。悪夢です。将来のことをかんがえるとしんどいので目の前にある作業を行っていこうと思います。」