メルセデス・ベンツ 車内に「物理スイッチ」再導入 タッチ操作とのバランスに焦点

購入者の使用状況を反映 現行モデルも対象に メルセデス・ベンツは今後、デジタル中心のインテリア設計において、物理的な操作スイッチを増やしていく方針だ。ソフトウェア部門責任者のマグナス・オストベルグ氏がAUTOCARに語ったところによると、「物理ボタンの優位性を示すデータがある」という。 【画像】伝統と先進性の両立を目指した新世代SUV【メルセデス・ベンツGLCを詳しく見る】 全32枚 この設計方針は、まず新型GLCとCLAシューティングブレークのEVモデルから導入される。ステアリングホイールに多数のロッカースイッチ、ローラー、ボタンが配置され、このステアリングホイールが今後全モデルの標準装備となり、すでに販売中のモデルへの装着も計画されている。 メルセデス・ベンツ新型GLCのインテリア デジタル優先のデザインを維持しつつ、物理スイッチの追加により操作性を高める狙いだ。 今月上旬にミュンヘン・モーターショーでAUTOCARの取材に応じたオストベルグ氏は、こう説明した。「物理ボタンが少ないCLAと、ローラーやボタンを復活させた新型GLCを見比べてみると違いがよく分かります。データから、ローラーや物理ボタンは特定の年齢層やユーザー層にとって非常に重要だということが判明しています」 「物理ボタンとタッチ操作のバランスは極めて重要です。実際に高頻度で使用される要素を分析した結果、物理ボタンの優位性がデータで示されました。だからこそ再導入したのです」 同氏の言うデータは、ソフトウェア定義車両(SDV)から得られたものだ。CLAはメルセデス・ベンツ初のSDVであり、新型GLCが2台目となる。 SDVは、無線ソフトウェアアップデートによる調整が容易なだけでなく、ドライバーのデータや使用状況を把握しやすいという利点もある。物理的な操作スイッチの一部を復活させるといった決定も、データに基づいて行うことができる。 ステアリングホイールのデザインも市場に応じて異なるものとなる可能性がある。例えば、欧州ではボタン操作が好まれる一方、アジアではタッチスクリーンや音声操作を好む傾向があるという。 オストベルグ氏は、今後のモデルではステアリングホイール以外の場所にも物理的な操作スイッチを増やすことを検討していると述べた。ただし、これはおそらくSUVに限定されるだろう。「大型車ではパッケージングの自由度が高く」、またSUVの購入者は「ボタンをより重視する」からだ。 メルセデス・ベンツは新型GLCに同社史上最大のスクリーン『MBUXハイパースクリーン』を導入したばかりだ。39.1インチ(約99.2cm)の幅でダッシュボード全体を覆っている。 デザイン責任者のゴーデン・ワーゲナー氏は、これがおそらくスクリーンの限界サイズで、「これ以上大きくすることはほぼ不可能です」と述べた。 ワーゲナー氏によれば、GLCのインテリアは「技術面でほぼSクラス並み」であり、デザイナー陣は現在、このデザインを上級モデルへどう発展させるかを検討中だという。 「このレベルのラグジュアリーを車内に実現できたのは素晴らしいことです。インテリアを見ていただければ、わたし達が成し遂げたことの素晴らしさがわかるでしょう。ですが、常に改善の余地はあります」 ワーゲナー氏は、次のレベルのラグジュアリーは高級感のある内装材だけでなくソフトウェアからも生まれると述べた。 「どうすれば、もっと豪華な魅力を与えられるでしょうか? アップルや競合他社を見ると、他社よりプレミアムに感じられるのはソフトウェアです。当社のソフトウェアも他社より高級感があると思います」 「こうしたクラフトマンシップこそが、メルセデスらしさを形作り、他社との差別化につながるのです」 メルセデス・ベンツはまた、音声コマンドを中心に、人工知能(AI)導入も進めている。音声コマンドは世界最大の市場である中国において重要な機能だ。しかし、オストベルグ氏は欧州の顧客も音声コマンドを利用すると述べ、CLAにおける音声コマンド使用率が従来の「3倍」に増加したとしている。

もっと
Recommendations

レクサス「新NX」に注目! 300馬力超え「高性能モデル」に待望の“Fスポーツ”新設定! 「バランスのいいクルマ!」の声も! 「最新型SUV」カナダ仕様への反響は?

300馬力超え「高性能モデル」に待望の“Fスポーツ”新設定!レクサ…

現代版ロータス・エスプリ、量産化は「ほぼ可能」 1000馬力の次世代スポーツカーに足りないものとは

ワイパーを付ければ売れる状態ロータスのデザイン責任者によると、昨…

メルセデス・ベンツ 車内に「物理スイッチ」再導入 タッチ操作とのバランスに焦点

購入者の使用状況を反映現行モデルも対象にメルセデス・ベンツは今…

ユーザーの負担増に絶対反対! 自工会が強く反発!? 結局クルマの税金どうなる? 暫定税率廃止のつけをユーザーに背負わるな!

暫定税率廃止のつけをユーザーに背負わるな! 自工会が強く反発「ガソ…

トヨタに「カローラ“ミニバン”」あった! 史上初の3列シート×新車当時「150万円台」設定でちょうどいい「シンプルモデル」! 斬新「リムジンシート」も採用の「スパシオ」とは何なのか

8代目カローラをベースに誕生し、ヒンジドアを備えた5ドアハッチバック

トヨタが「高級レザーバッグ」を発表! 素材は「レクサスの高級シート」の“廃材” なぜ「廃棄物」を使った“アップサイクル”を開始? 背景にはものづくり業界の「大きな課題」も

「レクサスのシート」が“高級バッグ”に 発想の原点は?トヨタは20…

「レクサスのシート」が高級バッグに 発想の原点は?

「レクサスのシート」が“高級バッグ”に 発想の原点は?トヨタは20…

“超レトロ仕様”のトヨタ小型SUV「ライズ」!? 懐かしい「角目ライト×メッキグリル」デザイン採用のハバナ発表! “ちょうどいい”5ナンバーボディに斬新カラーの新モデル「フルーティーポップ」Cal’s Motorから登場!

新鮮なフルーツをイメージした、爽やかでみずみずしい5色のボディカラー

新「コンパクトSUV」発売! ほぼ「“軽サイズ”ボディ」&タフ感ある「専用デザイン」採用! 独自の「お洒落内装」や“フラットにできる”広い車内空間も魅力! ヒョンデ「インスタークロス」登場!

コンパクトEV「INSTER」の新グレードで、冒険心を刺激する仕様が加わった

トヨタ「2000GT」後継車! 超パワフルな4.5リッター「V型8気筒エンジン」を軽量ボディに搭載! 爆速スポーツカー“トヨタ4500GT”に「カッコイイ…!」と反響あり! バブルが生んだ「幻のグランツーリスモ」とは!

トヨタ「2000GT」後継車に反響あり!1989年、日本中が好景気に沸い…

loading...