学歴詐称が指摘されている田久保市長が市長職を続投する理由に、メガソーラー計画の阻止を挙げています。これについて副知事時代に対応にあたった静岡市の難波市長が疑問を呈しました。 19日午前10時すぎに登庁した田久保真紀市長。 (記者)「出発式の公務が雨で中止となってしましましたが、市民に何か一言ありますか?」 (市長)「…」 記者の質問には答えず、市長室へ入りました。17日、田久保市長がSNSで触れた新聞の折り込み。その折り込みとは「伊豆高原メガソーラー訴訟を支援する会」が発行している「メガソーラー通信」です。田久保市長が周囲を唖然とさせた辞職撤回の理由の1つにメガソーラー問題を挙げたのはこの会見。 (伊東市 田久保真紀 市長) 「現在メガソーラー計画も、新図書館建設計画も、水面下で激しく動いております。」 市長就任前、メガソーラー計画反対団体の代表を務めた田久保市長。これは2014年ごろから韓国系の企業などが伊東市八幡野で進めてきたもので、36ヘクタールの広大な山林に12万枚の太陽光パネルを設置する計画でした。 しかし2018年、伊東市がメガソーラー建設を規制する条例を施行したことから、事業者は河川占用の許可が得られず、橋や排水管を設置する工事が不可能となっています。 田久保市長は8月、市の幹部の指摘を受け「水面下で激しく動いている」という発言を撤回。伊東市もホームページで「現状、工事の進捗は見られません。また近年、事業者からの連絡もございません。」などと現状を示し、市の見解も公表しています。 しかし、その後もメガソーラー計画に関連する発信を続ける田久保市長。市長の不信任決議を受け、今月10日、議会を解散した際にも言及しました。 (伊東市 田久保真紀 市長) 「メガソーラーの関連におきましても、裁判は続いておりますので、全てが止まって終了しているというわけではございません。裁判に関しますことも、鋭意、職員が進めている中の弁護団会議の方に私も参加を希望しておりますし、動いているものはしっかりと動いております。」 学歴詐称が指摘される一方でメガソーラー計画に対し、独自の主張を繰り返しています。 そして17日、難波市長の発言にも触れた文章をSNSで引用し、この問題に触れた田久保市長。これを受け、県の副知事時代に伊東市のメガソーラー計画の対応にあたった静岡市の難波市長は… (静岡市 難波喬司 市長) 「事業者が河川の占用許可を市に求めたということですね。そして、市の占用許可において、市の裁量として、市の同意を得ていないとかずさんな工事については占用許可を出す必要はないということで、占用許可を出さなかったと。河川の占用許可は出さないので、今の事業は継続できないという状況ですね。それが実態です。伊東市が占用許可を出さないということは違法だと、裁量権の逸脱だということで言われたということについては裁判は終わっています。何をもって激しく動いてるのかわかりませんけども、はっきり申しますと、激しく動いてるって話は1回も聞いたことがありません。」 改めて、メガソーラー計画は継続できない状況と主張。そして現在、伊東市のメガソーラー計画に関与していないと強調しました。 9日、“卒業証書”とされる文書を、前の議長・副議長に“チラ見せ”したことについて偽造私文書等行使の疑いで刑事告発された田久保市長。伊東警察署が19日、この告発を受理したことが新たに分かりました。これで田久保市長に対する刑事告発の受理は4件目です。受理を受け、取材に応じた前議長らは (伊東市議会 中島弘道 前議長) 「今回の偽造私文書の行使罪を含めてですね、それぞれの罪というのは重たいものとして、警察は受け取っていただいたと思っております。」 一方、議会の解散に伴い来月12日に告示され19日に投開票が決定した伊東市議選。この市議選に候補者の擁立を決定した国民民主党の榛葉賀津也幹事長は記者の質問に対し… (榛葉賀津也幹事長) 「(Q.田久保市政に対してはNo?)Noを3つくらい突きつけたい。」 市議選が控える中、問題の渦中にある市長の発言・行動に注目が集まっています。