開発力向上も視野 ステランティス傘下リープモーター、スペインでEV生産 関税回避

欧州向け自動車を現地生産 ステランティス傘下で中国の自動車ブランドであるリープモーター(Leapmotor)は、事業拡大の一環として、欧州での自動車生産計画を改めて表明した。欧州市場向けに改良した新型車も投入する。 【画像】欧州市場の「ど真ん中」を狙ったCセグメントEV【リープモーターのB10とB05を詳しく見る】 全16枚 同ブランドの権利の過半数を保有するステランティスのアントニオ・フィローザCEOによると、スペインで自動車を生産する予定だという。 リープモーターB10 『オートモーティブ・ニュース・ヨーロッパ』誌の報道では、フィローザCEOは金融グループ、ケプラー・シュヴルー社のイベントで発言し、2026年からのリープモーターの欧州生産拠点としてスペインが確定したと伝えたとされている。ただし、具体的な立地やモデルについての言及はなかった。 報道によれば、現在プジョー208、オペル/ヴォグゾール・コルサ、ランチア・イプシロンを生産するサラゴサ工場が最も有力な候補地とされる。ステランティスと中国CATLの合弁事業として、41億ユーロ(約7100億円)を投じたLFPバッテリー用ギガファクトリーの新設が計画されているためだ。 スペインで最初に生産される可能性が高いモデルは、全長4.5mのCセグメント・クロスオーバー『B10』だ。ハッチバックの『B05』も生産される可能性がある。 欧州生産により、中国からEVを輸入する際にかかる欧州連合(EU)の追加関税20.7%を回避できる。 欧州ではすでに、都市型EV『T03』とSUV『C10』を展開しているが、これらのモデルはステランティスとの提携成立前に設計・開発されたものだ。リープモーターのCEO、Tianshu Xin氏は、今後のモデルはステランティスの開発研究施設で欧州市場向けに改良されると述べた。 Xin氏はAUTOCARの取材に対し、「中国で開発・生産しているブランドは、欧州の顧客行動を理解するのに時間がかかる」と語った。 「わたし達の仕事は顧客のフィードバックを集め、エンジニアリングチームに伝えることです。彼らは絶えず修正と改善を続けています」 「改善のスピードと生産性向上に注がれるエネルギーの集中度は非常に印象的なものです」 先日開催されたミュンヘン・モーターショーで欧州進出1年を振り返り、Xin氏は「進捗を喜ばしく思う」と述べつつも、「満足しているかと問われれば、『いや、さらに改善の余地がある』と答えます」と語った。 また、B10の投入により欧州展開が加速するとの期待感を示した。 リープモーターは競合他社より低い価格設定を維持する方針だ。実際、C10とB10はどちらも下位セグメントに近い価格帯となっている。 Xin氏は、自社でサプライチェーンの大部分を管理し、多くの部品を自社生産していることが高い競争力につながっていると述べた。 「これにより、リープモーターは設計段階から生産段階までコストを最適化できます。部品をクルマに組み込むためにA社、B社、C社といったサプライヤーと逐一調整する必要がないのです」 リープモーターが元々電子機器メーカーとして創業したことも、EV分野での優位性につながっているという。 同氏はまた、他の中国自動車メーカーの品質問題や部品不足、あるいは市場からの撤退によって一部の販売会社が経験した「悩み」を解消するため、販売会社との信頼構築に尽力してきたと語った。 ステランティスとの統合も、この点でリープモーターに大きな優位性をもたらすとのことだ。

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