荷物の「置き配」のため、配達員がオートロックを解錠できるサービス。国土交通省は、さらに使いやすくなるよう後押しする方針ですが、「不安」「賛成」さまざまな声が上がっています。 ◇ ◇ ◇ 街の人に聞きました。宅配便の荷物、どうやって受け取っていますか? オートロックマンション在住の主婦(30代)「週に1回くらい通販使うけど毎回、置き配。玄関まで取りに行くのも大変。インターホン鳴らされるのもイヤなので。(Q.家の中にいても?)いても」 オートロックマンション在住の主婦(30代)「五分五分で置き配使えるなら、置き配にすることも割とある。配達時間は指定できるけど、家にずっといなくていいので、急に予定が入ったり、買い物に行きたいってなっても行けちゃう」 オートロックマンション在住の主婦(50代)「宅配ボックスも下まで取りに降りないといけないし、置き配だと玄関の目の前にあるので持って入れる。便利です」 ■置き配に“オートロックの壁”立ちはだかる やはり、多かったのは「置き配」。スタンダードになってきているようですが、過去に行った宅配業者の取材では…。 配達員「(置き配が)ドア前指定、入ってますけど、オートロックなので入れない。“壁”です」 置き配をしたいのに、マンションの中に入れない。いわゆる“オートロックの壁”が立ちはだかる場面がありました。 この“壁”を解消しようと、国土交通省が支援に乗り出すのが、配達員によるオートロック解錠に関する新しい仕組みです。現在、一部のマンションに導入されている、荷物の伝票番号を使ったオートロック解錠システムがあります。 ただ、大手宅配業者に限定されているのが現状で、国交省は業者間で異なる伝票番号の付け方や配送データの共通化を推進することで、多くの業者がオートロックを解錠することができるシステムを、早ければ来年度にも導入したい考えです。 ■“自由に解錠できる”との誤解も… しかし、“自由に解錠できる”と誤解が広まっていて、インターネット上では…。 「怖いしかないよ。なんのためのオートロックなんだろうね」 「配達員によるオートロックの解除? 犯罪、増えそうで怖いですね」 街の人からは…。 オートロックマンション在住の主婦(30代)「オートロックだから今のマンションに高い家賃を払っているので、自由に出入りできるようになるのはイヤです」 オートロックマンション在住の主婦(30代)「マンションに監視カメラも付いてるし変な業者が出入りするわけではないと思う。使う人が多くなればいい」 ■“置き配”希望で「配送中」伝票と一致に限って解錠 賛否はあるものの、やはり気になるのは“安全面”です。では、すでに販売されているオートロック解錠システムはどんなものなのか、実際に見せてもらいました。秘密はインターホンにあります。 アイホン・営業推進部新事業戦略担当、尾関貴志担当課長「ボタンを押すと連携できる配送業者の一覧が出てくる。伝票番号、あるいはバーコードを読み取ってもらう」 配送伝票をスキャンすると、ネットワークを介し、伝票が認証され、ドアが開く仕組みです。受け取る人が事前に“置き配”を希望し、「配送中」の伝票と一致する場合に限り、ドアが解錠されるといいます。 アイホン・営業推進部新事業戦略担当、尾関貴志担当課長「従来のインターホンは“なりすまし”による強盗のリスクが潜んでいた。不特定多数の配送事業者を入館させるものではなく、“配送中の荷物という鍵”を持つ人しか入館できない」 すでに全国47都道府県のマンションに導入済みというこのシステム。ただメーカーによりますと、宅配業者により、システムが異なるため、すべてに対応するのは難しい現状があるといいます。そこで国は“共通化”を促進しようとしているのです。 国交省によると、システムの導入は、あくまでもマンション管理組合などの合意が前提で、利用者の声を聞きながら慎重に進めるとしています。