災害時の住宅被害、1回の調査で損壊レベルを判定…迅速な生活再建へ「原則2回」を簡素化

 政府は、地震などの災害時に市町村が実施する住宅被害認定調査の手続きを簡素化した。  これまで2回に分けていた調査を1回に省略できるようにし、建物の損壊レベルの判定を簡易にする新たな基準を導入した。被災者支援の前提となる調査を迅速化し、生活再建を後押しするのが狙いだ。  地震や水害に伴う住宅被害は、「全壊」「半壊」「一部損壊」などの区分に分かれ、市町村が認定する。外観をもとに被害の程度を判定する「1次調査」を行った上で、必要があれば建物内部も調べる「2次調査」に移る仕組みだ。  昨年1月の能登半島地震では、1次調査で「一部損壊」と判定された家屋が、2次調査で「半壊」に改められるケースが相次いだ。外観だけでは分からない深刻な損傷が内部にある場合でも2次調査まで進まなければ正確に判定できず、被害の確定までに時間を要することが課題だった。  このため、内閣府は7月、自治体向けの運用指針を改定し、「調査を効率的に実施するための改善を行う」とした。具体的には、市町村の判断で1次調査を省いて2次調査から着手できるようにし、建物内部を迅速に確認できるようにした。  1次調査を実施する場合は、調査を終えた住宅から順次、2次調査に移れるよう改めた。これまでは原則、すべての1次調査を終えてから2次調査を実施していた。1次調査で屋根と外壁、建具の三つすべてに一定のズレや変形があれば、簡易的に「半壊」と判定できる新しい基準も指針に盛り込んだ。  一連の手続き簡素化によって被害を早期に確定できれば、被災者への「罹災(りさい)証明書」の発行も早まる。仮設住宅への入居や自宅の公費解体といった公的支援が円滑に進むことが期待される。  内閣府は今回の指針改定に合わせ、「罹災証明コーディネーター」制度を創設した。証明書の交付業務に習熟した全国の自治体職員を被災地に派遣し、迅速な発行につなげる。

もっと
Recommendations

科学技術を安保政策と連携へ、民生・軍事両用を念頭…基本計画の骨子案

政府が今年度中の改定を目指す「科学技術・イノベーション基本計画…

自民・総裁選めぐり高市氏が会合「気力、体力は充実している」18日に立候補表明へ

自民党の高市前経済安保担当大臣は17日夜、総裁選をめぐり自らを支持…

[深層NEWS]立憲民主党の辻元清美氏、「大連立」の可能性について「今はそういう時ではない」と否定

自民党の細野豪志政調会長代理、立憲民主党の辻元清美参院議員、政…

鹿児島・十島村での地震受け、首相官邸に情報連絡室設置

政府は17日夜、鹿児島県での地震を受け、首相官邸の危機管理セン…

自民党総裁選、高市早苗氏が「沈黙」続けるワケ「知名度は十分」

自民党総裁選をめぐり、小泉農水相が石破首相に対して立候補する意向…

【解説】自民党総裁選 高市氏“沈黙”のワケ、水面下で進める戦略

自民党総裁選をめぐり、小泉農水相が石破首相に対して立候補する意向…

小泉農水相、石破首相に立候補の意向伝える 自民党総裁選

自民党総裁選をめぐり、小泉農水相が石破首相に対して立候補する意向…

佳子さまのドアップ動画が大バズり、X喜びの声「ロイヤルファンサービス」

《ビックリしたぁ〜普通に手を振って通り過ぎるだけかと思ったら、…

災害時の住宅被害、1回の調査で損壊レベルを判定…迅速な生活再建へ「原則2回」を簡素化

政府は、地震などの災害時に市町村が実施する住宅被害認定調査の手…

パレスチナ国家承認は当面見送りへ…日本政府が最終調整

日本政府がパレスチナの国家承認を当面見送る方向で最終調整に入った…

loading...