大阪・関西万博もあと残り約1ヵ月。万博を語るうえで忘れてはならないのが「ミャクミャク」でしょう。発表された当初はいろんな意見もあったものの、徐々にファンを増やし、グッズなどが販売されると、そのたび話題になるほどの人気ぶり。筆者もミャクミャクに心奪われ、すっかりファンになりました。そこで、「ミャクミャク聖地巡礼」をテーマにいざ万博へ。ミャクミャク人気のすごさを改めて肌で実感してきました。(取材・文・撮影=宇都古舞) 【写真】ミャクミャクのしっぽってどうなってるの? * * * * * * * ミャクミャクに心奪われた経緯 万博に行くまで、ミャクミャクのことは「ちょっと変なキャラクター」程度にしか思っていませんでした。むしろ「がん細胞みたいな顔なのになんで人気があるの?」と、疑問すら持っていたほど。 しかし、万博に行ったらミャクミャクの見方が180度変わりました。来場者のほとんどがミャクミャクグッズを身につけ、万博を楽しんでいる…。そんな光景を見て、ミャクミャクこそが万博の活気をつくっている!と感じたのです。 そして、決定打となったのが「ミャクミャクダンス動画」。その日の帰り際、コブクロのテーマソングが良い曲だったのでYouTubeで検索すると、テーマソングに合わせて踊るミャクミャクの動画が出てきました。動画がアップされたのは約2年前。万博開催への不安が叫ばれていた時です。批判を浴びながらも、まだ更地だった会場で、ひとり懸命に踊るミャクミャク…。 大阪・関西万博オフィシャルテーマソングコブクロ「この地球の続きを」MUSIC VIDEO そんな健気な姿に心打たれ、今ではすっかり「ミャク様」の虜です。2回目の万博は、「ミャク様のパワーにあやかる」ことを目的に巡ることにしました。 本物に会えるミャクミャクハウスへ ミャク様に会いたければ、まず抑えておきたいのが「ミャクミャクハウス」。ミャク様とグリーティングができるとあって、大人気のスポットです。ミャク様に会えるなら何時間でも待つ覚悟で来た筆者。意気揚々と行列へ、入場まで約1時間待ちました。 ミャクミャクハウスは60人毎の入れ替え制。約20分間生ミャク様を拝め、入場者が順番に記念撮影をします。中にはミャク様の誕生ストーリーやコラボグッズなどが展示され、ファンにはたまらない空間。入場すると、スタッフさんから「ミャクミャクとの記念撮影でどんなポーズをするか考えておいてくださいね〜」とアナウンスされます。 ミャクミャクハウス内には誕生ヒストリーの展示が そしていよいよミャク様の登場。愛想を振りまくその姿に、周囲から「きゃ〜」「かわいい〜」が飛び交います。一切手抜きすることなく、全力で応えてくれるミャク様。記念撮影では、なんとミャク様からハグのサービスが(キュン死)!スタッフさんがグリーティングの様子を何枚も写真に収めてくれるのも嬉しいポイントです。サービス精神旺盛なミャク様に、さらに心を鷲掴みにされてしまいました。 ミャク様からのハグにテンションも上がる ミャクミャクくじに挑戦 次に欠かせない場所が「ミャクミャクくじ」。1人1回2,200円でミャク様のぬいぐるみがハズレなしで当たります。こちらも話題の人気スポット。15時すぎに向かうと、⾧蛇の列とともに「入店目安約120分」の看板がありました。さきほどのグリーティングですっかりミャク様信者になった筆者は、そんなことお構いなしに列へ突入。 ミャク様のためなら120分もなんのその ぬいぐるみは1〜3等まであり、1等は約80センチのビッグサイズ。2等でも約40センチ、3等は約20センチの大きさです。涅槃像みたいなポーズが愛らしい。グッズショップで買えばおよそ倍以上の値段がするものを、2,200円でゲットできるのはかなりお得です。 事前に支払いを済ませ、いざくじへ。三角くじがくるくる回るエアー抽選器に手を突っ込むのもまた楽しい。スタッフのお姉さんがくじを開いてくれるのですが、焦らすような開き方がワクワク感を高めてくれます。筆者は3等をゲット。ぬいぐるみは部屋の一番奥に飾って、毎朝拝んでおります。 ミャクミャクくじの抽選器と奥には景品のぬいぐるみ 話題!しゃべるミャクミャクとふれあい ミャク様の聖地はもう一つ。8月19日から新設された「しゃべりかけるミャクミャク」コーナー。万博開幕前、首相官邸に設置され、突然しゃべりかけられた石破首相が驚きのけぞったというニュースも話題になった、アレです。 入場するには、1日3回行われる現地での整理券配布に居合わせなければなりません。この日一緒に行った友人に配布まで待機してもらい、整理券をゲットしてくれました。ふれあえるのは2分程度。整理券に書かれた指定の時間に行けば係員が通してくれます。 ミャク様は仕切りのボードでしっかりと守られおり、まるでアイドルの握手会場のよう。来場者が書き込めるメッセージボードも設置されていました。 ミャクミャクへのメッセージボード。「ミャク様forever」と書き残す このミャク様にはAIカメラが付けられていて、目の前の人の反応でしゃべる言葉も変わるとのこと。25の言葉を操るそうです。「暑いね〜、水分補給してね」と気遣ってくれたり、スマホを向けると「ピ〜ス!可愛く撮ってね」と反応してくれたり。 最後に記念撮影してもらい、ふれあいは終了。可愛い声に大いに癒やされました。 「笑顔になっちゃう」と悶絶させる言葉も発する おもてなし力が愛される秘訣かも 聖地巡礼をしてみて分かったこと。ミャク様はもちろん、周りの万博スタッフの皆さんの「おもてなし力」が、愛される秘訣なのだろうと実感しました。とにかく来場者に楽しんでほしい!というホスピタリティを感じるのです。そんなミャクミャクは間違いなく、万博を盛り上げた功績者でしょう。 閉幕すれば“ミャクミャクロス”がやってきます。閉幕後の活動は一体どうなってしまうのか気になるところですが、私たちファンの心にはしっかりと刻まれました。万博、ミャク様のおかげでめっちゃ楽しいです。これからも日本中を盛り上げて欲しい。 来場者17 万人超の日帰りは大混雑 ちなみに、訪れた日は花火大会の開催などもあり、17.1万人と来場者数がかなり多い日でした。帰りは西ゲート前からのシャトルバスに乗る予定でしたが、混雑に巻き込まれ間に合わず。東ゲートも夢洲駅に向かう人の行列で溢れかえっていました。 そこで急遽タクシーで帰ることに。自分でアプリを使って配車し、乗り場で待機するのですが、やはりタクシー乗り場も人で混み合っていました。 乗り場では配車したタクシーが到着すると、係員が車のナンバーを拡張機で叫んで知らせてくれます。ナンバーを呼ばれると「はいっ」と手を挙げてタクシーに乗り込みますが、大勢の人が自分の番号を呼ばれるのを待つ光景に「ビンゴ会場みたい」と周囲から声が。もうその場を楽しまなければやってられないという感じです。筆者らもなかなかタクシーが捕まらず、乗車するまでに1時間以上かかりました。 タクシーの運転手さん曰く、「乗り場がこんなに混雑しているのは初めて見た」とのこと。 一気に帰る人波をいかにスムーズに分散し、移動させるかは課題でしょう。 閉幕に向け、さらに混雑が予想される万博。訪れる人は、帰る時間をピーク時とずらすなど、混雑に巻き込まれないための計画をしっかり行ってもらえればと思います。 夜10時を過ぎても混雑していたタクシー乗り場