「ボディーガード衛星」開発着手…防衛省、中国やロシアの衛星攻撃念頭に2029年度までに実証機打ち上げ

 防衛省は、他国の「キラー(衛星攻撃)衛星」から日本の人工衛星を守る「ボディーガード(防護)衛星」の導入に向け、実証機の開発に乗り出した。  中国やロシアがキラー衛星の開発を進める中、宇宙空間の防御体制を強化するため、2029年度までに小型の実証機を打ち上げる方針だ。  キラー衛星は標的の衛星に接近してロボットアームで妨害したり、電磁波などで機能を無力化したりする。自衛隊が3基体制で運用する通信衛星が損傷を受ければ、部隊間での通信に支障が出る事態も想定され、日本の安全保障に重大な影響を及ぼす可能性がある。  ボディーガード衛星は、他国のキラー衛星が日本の人工衛星に近づこうとする際、進路に割り込んで接近を阻む能力を持つことを目指している。物理的な攻撃から守るため、高度約3万6000キロ・メートルの静止軌道上を問題なく機動的に移動できるかを実証試験で確認する。  宇宙空間では、キラー衛星の活動に加え、中露の衛星破壊実験などで増加する宇宙ごみ(スペースデブリ)が衛星に衝突するのを回避する監視強化も課題だ。日本にとって脅威になるかを確認する「宇宙領域把握(SDA)衛星」の初号機を26年度に打ち上げる計画もある。実証機に搭載したカメラで衛星などを撮影できるかどうかを検証し、将来的には監視能力を補完する役割も期待される。  防衛省は27年度までの3年間で約70億円かけて実証機を開発し、29年度にも打ち上げる構想だ。来年度予算案の概算要求に、本格導入に向けた準備費用として数億円を盛り込んだ。  宇宙空間の防衛能力強化を巡っては、同省が7月に策定した「宇宙領域防衛指針」で「衛星防護に関する検討を深化させる」と明記し、対処の必要性を指摘していた。

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