ダイハツの新型「e-SNEAKER」運転そのものを楽しめる操作性

ダイハツ新型「e-SNEAKER」は“運転”が超楽しい!  ダイハツは2025年8月27日、全く新しい歩行領域モビリティとして新型「e-SNEAKER(イースニーカー)」を発表し、販売を開始しました。  同車は一体どんな乗り物なのでしょうか。 【画像】運転が楽しい! これがダイハツ新型「e-SNEAKER」です!(94枚)  実際に新型e-SNEAKERに乗って感じた走行フィーリングや、開発者の思いなどを紹介します。 ダイハツ新型「e-SNEAKER」は“運転”が超楽しい!  新型e-SNEAKERは、ダイハツが「すべての人が自由で快適に外出を楽しめるように」と願って開発した電動カートです。  規格としては「電動車いす」に属しますが、かつてなくスタイリッシュなデザインを採用し、また目線の高さによる視野の広さと、直感的で運転自体を楽しめる操作性を実現したことで、様々な用途に活躍できるパーソナルモビリティに仕上がっているといいます。  そんな新型e-SNEAKERにさっそく試乗する機会に恵まれました。  シートは、無理に腰をかがめたりせずに自然な所作で座ることができる高さ。オーナーの身長・体格に合わせて上下に3段階で高さを調整することも可能です。  そして座ってまず感じるのは、説明通り視界が非常に良いことです。  この目線の高さは「自転車に乗っている時とほぼ同じ」ということで、一般的な車いすと比較するとかなり高め。  おかげで広い視界を確保できるとともに、歩行者から埋もれることもなく、「見る&見られる」安心感を抱いて移動することができます。  また座り心地がしっかり良いのも好印象。シートは座面にのみクッションがあり、サイドサポートや背もたれは樹脂製なのですが、適度な高さと角を丸めた形状に設計されているため、乗り込むときは邪魔にならず、走行中はしっかり体を支えてくれます。  走るための操作は、至極シンプルなもの。  ハンドルは目線を下ろし手を伸ばした位置にグリップが来るよう配置され、右手を捻るタイプのアクセル操作はバイクに近い感覚です。  ただしバイクでは左手側のレバーは基本的に「クラッチ」ですが、新型e-SNEAKERではそこにブレーキレバーがあり、しかも通常では使用しない“緊急用”のブレーキとなっています。  では、通常のブレーキはどこにあるのか。それはアクセル(右手のグリップの捻り)を緩めることで、自然にブレーキがかかる仕組みになっています。  これはクルマで言うところの、いわゆる「ワンペダル」的な操作感。そのため、基本的には右手を捻る量の調整のみで走行から停止までまかなえます。  言葉で書くと複雑そうですが、実際に乗るとこれが実に単純明快で分かりやすく、多くの人は短時間の説明のみで直感的に運転することが可能でしょう。  ちなみに、バイクを作っていないダイハツがなぜこの運転方式を採用したのか開発者に伺ったところ、「様々な方式を試しましたが、やはり直感的に理解でき運転しやすいのがバイクタイプだった」とのこと。  しがらみ無く、純粋に操作しやすい方法を選び抜いた結果、現在の姿になったのです。 意外と速い!? 新型「e-SNEAKER」の軽快な走り!  次に驚いたのが「思ったより速い!?」と感じた走行スピードです。  新型e-SNEAKERの最高速度は時速6km。これは“早歩き”程度の速度となりますが、それでも一般的な歩行速度より早いため不満を感じることもなく、むしろ「おお…なんと楽に移動できるんだ」と素直に思いました。  またモーターゆえのトルクに太さも相まって、停止状態からの加速についても一切の不満はありません。 新型「e-SNEAKER」は前輪が大きいので、段差を安心して乗り越えられる!  走行中は不快な揺れも無く、ダイハツが「サスペンションとエアータイヤを装備したことで、競合他社モデルより乗り心地が良い」と自信を持って語る理由が分かります。  コーナリング(というほど極端なスピードは出ませんが)では、ハンドルを切ると自動制御によって速度が低下し、転倒を防ぐシステムが搭載されています。  イジワルな操作として、あえて最高速度からクイックに急ハンドルを切るということも試してみましたが、一瞬だけ遠心力を感じるも、すぐに低速になるので安定して車体が曲がってくれるので、傾いた路面などで意図的に無茶な運転をしない限りは、そう簡単に転倒することはないでしょう。  段差を乗り越えるテストコースでは、左右両輪で乗り越えるパターンと、片輪で乗り上げるパターンを試しました。  新型e-SNEAKERは前輪が後輪より大きくなっており、これは段差を安心して乗り越えるための設計とのこと。  実際にテストコースでは段差を悠々と乗り超えてくれ、また片輪で乗り上げた際にはボディが傾いていることへの「警告音」が鳴ることで危険を知らせてくれます。  その際は転倒しないよう、念のため身体を乗り上げた側に傾けて重心を移動しつつ、速度を落として段差を乗り越えました。  とはいえ、最高速度で段差に突撃するのはさすがに少々心配ですので、段差の直前には操作パネルのボタンで最高速度を時速1〜2kmほどに下げ、安全に乗り越えてから再び最高速度を6kmに戻すと良いでしょう。  このパネルの仕組みや操作も簡単なのも、同車のありがたいポイントのひとつです。 大人も子供も夢中に! ビックリするほど「運転が楽しい」  そしてここまで書いた様子で伝わっていれば良いのですが、もしかしたら新型e-SNEAKERの最大の魅力は、「運転が楽しい」ことかもしれません。  試乗した会場では、大人が運転に夢中になり、ついつい笑顔になっている様子が少なからず見られました。 ダイハツの新たな挑戦! 新型「e-SNEAKER」に期待!  実は新型e-SNEAKERは開催中の「EXPO 2025 大阪・関西万博」にも提供され、実際に乗って会場を移動できるモビリティとして150台が現在も稼働しています。  そこでは、お年寄りや歩行が困難を抱える方にくわえて、子供も乗車を体験しており、快適かつ「楽しい乗り物」としても認識され活躍しているとのこと。  このあたりが、ダイハツが新型e-SNEAKERを「従来の電動車いすの枠にとらわれない歩行領域モビリティ」と胸を張って紹介できる要因のひとつでしょう。  もちろん先述したように、新型e-SNEAKERは老若男女誰が乗っても“サマになる”スタイリッシュなデザインも魅力的。  エクステリアパーツひとつひとつの品質感も高く、開発者が「自動車と同じ品質で作っています」と笑顔で語るにふさわしい仕上がりです。  ちなみにボディカラーは標準がホワイトですが、オプションのボディパーツ(フロント&リアカバー)に交換すれば、「オフビートカーキ(カーキ色)」「スカイブルーメタリック(水色)」「トニコオレンジメタリック(オレンジ色)」といったボディカラーにも変更可能。  さらにオプションにはアクセサリーとして、フロントに装着する「バスケット」や、傘や杖を収納できる「杖ホルダー」など実用的なアイテムを設定しているので、オーナーの使用環境にあわせたカスタムも楽しそうです。  そんな新型e-SNEAKERのパワートレインは、後輪にDC24V 250Wのモーターを2個搭載。満充電時の連続走行可能距離は12kmです。  バッテリーには、重量2.5kmと軽量な脱着式リチウムイオンバッテリーを使用します。  このバッテリーは専用充電器を介して、一般的な家庭用コンセントで充電可能で、およそ2.5時間ほどで充電は完了するそうです。  また新型e-SNEAKERは純国産モデルで、生産はダイハツ本社の池田工場で行われます。 ※ ※ ※  高齢化の進展とともに運転免許の返納も身近になりつつ日本社会のわりに、現在の電動車いす市場の拡大速度は思いのほか穏やかという印象があります。  だからこそ、電動車いす市場においては後発となるダイハツは、先行する競合モデルとは大きく異なるスタイリッシュなスタイリングや乗車姿勢、使い勝手の新型e-SNEAKERを提案。  他の電動車いすと明確に差別化できており、これまで潜在化していたニーズを掘り起こす可能性を秘めています。  完全な新規モデルだけに、ダイハツの設定した年間販売目標台数は500台と、極めて現実的なラインに設定されていますが、一度でも実車に乗る機会があれば、新型e-SNEAKERの魅力と移動する楽しさは多くの人に理解されるはず。  なお新型e-SNEAKERの価格は、41万8000円(消費税は非課税)です。  ダイハツの新たな挑戦と新型e-SNEAKERの今後の発展に、大いに期待が高まります。

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