天皇、皇后両陛下は２６日、静養のため栃木県那須町の那須御用邸付属邸に入り、太平洋戦争の激戦地・硫黄島（東京都小笠原村）の旧島民で、戦後に那須町の開拓地に移住した女性２人と懇談された。 戦後８０年にあたり、両陛下は今年４月、初めて硫黄島を訪れ、日米合わせて２万７０００人以上の戦没者を追悼する「鎮魂の丘」などで拝礼された。 この日は２人を招き、約５０分間懇談された。渡部敦子さん（９５）が「硫黄島は毎日、毎日空襲で」と戦時中の体験を語ると、皇后さまは「よくご無事でしたね」と応じられた。 渡部さんは米軍の艦砲射撃で自宅が跡形もなく吹き飛ばされ、１４歳で強制疎開により島を離れた。軍属として島に残った親族の男性たちは犠牲になったという。陛下は渡部さんに「辛(つら)い思いをなさいましたね」と声を掛けられた。
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