警視庁多摩中央署が、安置されていた男性の遺体を別の遺体と取り違えて葬儀業者に引き渡していたことがわかりました。葬儀場で火葬されたあと間違いに気づいたため特定が困難となり、遺族に本来引き渡すべき遺体を返せない状態になっています。 警視庁によりますと、ことし5月、東京・多摩市にある住宅2軒で、それぞれ別の日に男性（65）と男性（68）の遺体が見つかりました。 いずれも事件性はなく、死後一定程度時間が経過していた状態だったということです。 7月になって、男性（65）の身元が判明したものの、引き取り手がないため、自治体が手配した葬儀業者に引き渡すことになりましたが、誤って男性（68）の遺体を、男性（65）として引き渡していたことがわかりました。 誤って引き渡した男性（68）の遺体は、すでに火葬されたため判別が困難となり、本来引き渡すべき遺族の元に、返せない状態だということです。 8月23日、男性（68）の遺族に遺体を引き渡すために手続きを行っていた際、取り違えが判明したということです。 警視庁では遺体を引き渡す際、 ▼氏名が書かれたリストバンドや遺体が入った袋に貼ってある紙と確認する ▼確認は捜査幹部が引き取り手の立ち会いのもとで行う と定められていましたが、この時、幹部は立ち会わず、また立ち会った巡査も、必要な確認をせずに葬儀業者に引き渡していたということです。 事態を受け、多摩中央署の金岡署長は26日、男性（68）の遺族のもとを訪れ謝罪しましたが、遺族からは「ちゃんと確認をして欲しかった」という言葉があったということです。 2023年に警視庁西新井署でも、こうした遺体の取り違えがあり、警視庁は「ご遺体の取り違え事案は絶対にあってはならず、絶無を期すため指導してまいります」とコメントしています。
