【新米季節到来】気になる店頭価格の動向は?一方で安定供給へ期待される新農法によるコメ収穫も(静岡)

いよいよ新米の季節がやってきました。さっそく店頭にも並び始めていますが、気になるその価格は??さらに救世主として期待される新農法による収穫が静岡県内で行われましたがその成果は? いよいよ店頭にも新米が並び始めましたが…気になるのはその価格。 25日、都内のスーパーでは…。 (記者) 「おコメの前でずいぶんと悩んでいます」 悩んだ末に、お客さんが手にした新米は高知県産の「よさ恋美人」という銘柄で4622円で販売されていました。 (客) 「普段は政府備蓄米を食べるけど、奮発して新米食べたいと思い買ってみた」 値下がりが期待された2025年の新米ですが、このスーパーでは前年よりさらに1000円ほど値上がりに。いくらまでなら出せるか、お客さんに聞いてみると…。 (客) 「税込みで4000円きってほしい」 (客) 「新米は光っているいいよね。でもちょっと無理だよ。値段で4000円以上すると買えないよね」 新米は5000円近い価格のため…。 (記者) 「備蓄米を選んでいきました」 農水省が25日発表した全国のスーパーでのコメの平均価格は、5キロあたり3804円と、前の週より67円高くなり2週連続の値上がりとなっています。 元コメ農家だというお客さんですら…。 (客・元コメ農家) 「高いですね~手が届かない」「もう高級品になてますものね新米」「新米だったら4000円…4300円…わからない。感覚わからなくなってきた」 このコメ店では、千葉県産の新米「ふさおとめ」の玄米を、5キロ4300円で販売。これも前年より1000円以上値上がりしていますが、それでも、お客さんの8割が新米を選ぶといいいます。 (客) 「わがままも言えないですし、農家さんのこともありますから、ただ気持ちは安ければ安い方がうれしい」 今後、さらに市場には新米が増えていきますが、その価格はどうなっていくのでしょうか。 (三河屋精米店 鈴木 康夫 店主) 「3000円台で新米を売ることは今のところどこもあまりない。先々11月、12月。3900円で売れればいいかなと思うけど、誰もわからないんじゃないかな」 そんな中でも、比較的、安く買えるのが「道の駅」。山積みされた新米の価格は…。 (記者) 「こちら4000円を切っていますね」 地元の農家がつくった「ふさおとめ」が5キロ3980円。中には、よりおいしい状態で食べたいと、玄米を買って自分で精米するというお客さんも…。“ことし初”精米したてのコメを手にしたお客さんはこの笑顔。 (客) 「この時期おいしいのが食べたい。モチモチしていて水分は多いし」 (客) 「朝8時過ぎに(家を)出てここを目指して」 気になるその味は…。 生産者の自宅でお孫さんと一緒に新米を食べさせてもらいました。 (記者) 「僕もちょっといただきます。甘いです。本当に甘いです。お世辞抜きで」 (生産者の孫) Q.どうですかお味? 「うまい」 (祖母) 「やはりおコメがおいしいとおかずなくても食べる」 新米の収穫は静岡県内でも始まっています。 浜松市のこの田んぼでは、高騰が続くコメの価格安定の切り札として期待される、1年に2回、収穫が可能な「再生二期作」という新たな農法が行われています。 生産を行うのは、循環型農業を推進する「じゅんちゃんファーム」の宮本純さん。 (じゅんちゃんファーム 宮本 純さん) 「かなり気温が高い日が続いたが、去年から暑さに強くて収穫が2回 できる『にじのきらめき』という…粒が白濁するなど高温障害が出にくい品種をメインに植えていて、こちら両サイドが全て『にじのきらめき』になります」 「再生二期作」とは、1回目の収穫のときに、稲を40センチほど残して刈り取り、その後、そこから生える「ひこばえ」という芽を栽培し、2回目の収穫を可能にする技術です。 宮本さんは2024年から「にじのきらめき」の再生二期作に取り組んできました。この技術を開発した国の研究機関である「農研機構」の協力のもと、5月に田植えを行いました。 それから3か月。ようやく1回目の収穫を迎えたのです。折り重なるようにぎっしりと稲穂が実り出来栄えは上々のようです。 宮本さんのコメづくりに協力する農研機構の研究者と“刈り取った後の稲の状況”を確認します。 (農研機構 中野 洋 主席研究員) 「今刈り取っているところですが、だいたい40~50センチの刈り取り高さ。茎の中にはデンプン、栄養分ですね。再生に必要な栄養分がたくさん含まれているので、この栄養分を使って二期作目の多収穫が得られる」 25日に試し切りした切り株からは、すでに2回目の収穫につながる「ひこばえ」が出ていました。 (農研機構 中野 洋 主席研究員) 「これが成長すると、こういう状態になる。上を切った刺激によって 芽が伸び始める。30~40日で穂が出ますね。穂が出てから1期作目は40日ぐらいで収穫できますが、2期作目の場合は気温が低くなるので、2 か月ぐらいかかって収穫できるようになる」 宮本さんは、2025年、全体の4割にあたる10ヘクタールの田んぼで再生二期作を行っています。収穫量をあげるため、茎や稲が丈夫になるといわれるケイ酸質の肥料を導入するなど試行錯誤を続けています。 (じゅんちゃんファーム 宮本 純さん) 「ここまでくるのに資金繰りも綱渡りだったので、ほっとしている というのが正直な気持ちですね。しっかり最後まで仕上げて、おい しいコメを県民の皆さんにお届けできたらうれしいなと思って取り組んでいます」 一方で気になるのが、この新米の価格です。宮本さんは、一部のコメについて、配送事業を営む立花さんに協力してもらい、送料込みで「5キロ4000円以下」で販売することにしています。 (あかつき 立花 雄一 代表) 「浜松エリアから静岡県内全てに農家から直送で新米を届けられれば一番いいかなと思います。宮本さんのように一生懸命作ってくれる方の大切な思いを一緒に届ける仕組みを作りたいと思います」 宮本さんの田んぼでは、11月ごろに2回目の収穫を迎えます。1回の田植えで2回の収穫ができる再生二期作。生産者の負担やコストを軽減できるこの農法により、高騰が続くコメ価格の安定につながることが期待されます。

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