8月としては最長となる「8日連続の猛暑日」を記録した東京。こんな試算が発表されました。アイスや炭酸飲料、ビールなどついつい“冷たいモノ”に手が伸びてしまいますが、この夏は、世帯あたりの支出が月平均で3500円以上増えるということなんです。 色鮮やかなランタンが灯る、横浜の夜。 喜入友浩キャスター 「結構賑わっていますね。皆さん日が暮れてからの時間帯を選んでいるんでしょうか、幻想的な世界が広がっています」 ここで開かれていたのは、ベトナムの古都・ホイアンを再現したライトアップイベント。暖かな光が、異国情緒あふれる空間を浮かび上がらせます。 「めちゃくちゃキレイ」 「夕方のイベントの方が過ごしやすいので、来やすい」 「(犬用に)保冷剤をいっぱいもって、涼しくしてきました。この子たちの冷たい飲み物も増えました」 連日続く、厳しい暑さ。その影響について帝国データバンクは、東京の家計の消費支出がおよそ772億円増えるとの試算を公表しました。 特に影響が大きいのは食料品で、お茶や炭酸飲料、アイスクリームなどが伸びています。 世帯あたりでは、月に3512円増える見込みだということです。 大学生 「日傘をいっぱい買っちゃったり、暑さに耐えられなくて出先でアイス買ったり、飲み物買ったりが多くて無駄な出費が増えている。かき氷食べると、安くて1200円とかする」 25日は全国142の地点で35℃以上の猛暑日に。最も暑かったのは滋賀県東近江市で、最高気温37.9℃を観測しました。 さらに、京都市では37.4℃、茨城県筑西市内では37.0℃を観測。 「お盆を過ぎると夕方、夕涼みができる。『ちょっと秋めいてきたな』という感じだったが、今年はそういう感じがない」 東京都心では、8月としては最長となる8日連続の猛暑日となりました。 「アイスみたいに溶けちゃいそう。大変なことになりそう」 暑さの影響は“秋の味覚”にも。千葉県松戸市の「加藤ぶどう園」。 加藤ぶどう園 加藤正芳 園主 「まだ赤らんでいる途中」 本来は旬を迎え、深い紫色に染まるはずの巨峰。しかし、所々青みを残す実も見られます。 加藤ぶどう園 加藤正芳 園主 「紫系の品種は夜に23℃程度の涼しさにならないと着色が進まない。昼間が毎日35℃超えという状況なので、真っ黒になるのはなかなか難しい」 ぶどうの色づきには涼しい夜の気温が欠かせません。ところが、熱帯夜が続き、その条件が整わないといいます。 加藤ぶどう園 加藤正芳 園主 「青い状態だと、ぶどうは商品として使えないかもしれないので、その部分はジャム等の加工品に。ここ(加工用)の量が多いと100万円単位で損害になる」 一方、猛暑は海にも異変をもたらしています。伊勢エビの産地として知られる三重県志摩市。 漁師 小川吉高さん 「どこもここも広がりをみせている。カビみたいなもんや、サンゴなんか」 海の中をのぞいてみると、岩場にはサンゴが広がり、色鮮やかな魚たちが。まるで、南国の海のような光景が広がっていました。 漁師 小川吉高さん 「ムロアジ、南の魚。家に持って帰っておかずに」 南の暖かい海などで主にみられる高級魚「オジサン」や、沖縄の県魚“グルクン”の姿も。こうした海の異変について、専門家は。 名古屋大学大学院 環境学研究科 山崎敦子 講師 「温暖化によってサンゴが北上していって、種数も増えてきている。黒潮によって運ばれた(サンゴの)卵がついて成長し、冬を越せるようになったという状況の中で増えてきた」 また、海水温の上昇には、本州の南を流れる暖かい海流の「黒潮」が大きく曲がる「黒潮大蛇行」の影響もあるとされています。 海水温が上がったことで、海藻を食べるウニの仲間・ガンガゼなどが増え、海藻の量が減少。それをエサにしていた伊勢エビも減り、7年前、40トンほどあった水揚げ量は、昨年はわずか2トンにまで落ち込みました。 漁師 小川吉高さん 「もう何もない。15年くらい前からぼちぼち始まって、この10年で完全になくなった。沖に出ても金にならない。誰も(漁に)行かない。若者がこれから漁をしようと思っても無理。とるものがない」