テクノロジーに特化した内容を展示している大阪・関西万博のスイスパビリオン。パビリオンのアンバサダーは、児童文学「アルプスの少女ハイジ」。 ハイジとミャクミャク(大阪・関西万博公式キャラクター)が出会うスイスパビリオン〈2025年8月14日 大阪市此花区・夢洲〉 ハイジの世界観を生かした展示やカフェを設ける。「ハイジと共に、テクノロジーの頂(いただき)へ」というコンセプトで、アルプス文化と最先端技術が共存するスイスの姿が体感できる空間になっている。 大阪・関西万博 スイスパビリオン ミカエラ・マレンキーニ・スイスパビリオンプログラムマネージャー〈2025年6月12日 大阪市此花区・夢洲〉 特に企画展示のゾーンでは、大学や研究機関、スタートアップ企業などによる25以上のプロジェクトを紹介。「人間拡張(オーグメンテッド・ヒューマン)」「生命(ライフ)」「地球(プラネット)」の3つを期間を決めて入れ替え展示する。 最後の展示となる「地球」(8月13日〜10月13日)では、グリーンテック、脱炭素化などを取り上げる。 約160年前にスイスで生まれ、スイスパビリオンに公式パートナーとして参画しているネスレ日本(本社・神戸市中央区)は、自社の未来社会に向けた活動そのものを表現した美しい映像『A Taste of Good for Tomorrow』を展示している。 幻想的空間で展示される“A taste of Good for Tomorrow”未来社会に向けたネスレの取り組みをビジュアルで〈2025年8月14日 大阪市此花区・夢洲〉 展示では、ネスレの想いや未来社会に向けた取り組みを、最新テクノロジーである AI&ジェネラティブアート(コンピュータによって生成されるアート作品)を駆使するアーティスト・江原彩子さんによるアート映像で表現している。テロップやナレーションがなく、ビジュアル表現だけで演出する。 まず目を引くのが、ネスレ草創期の乳児用ミルクの缶。1866年にネスレを創業したアンリ・ネスレは、乳幼児の栄養不足による死亡率の高さを解決するために開発された。 このほか、使用後の「キットカット」の紙パッケージで作った折り鶴、親鳥が雛を育む”ネスレロゴ”に込められた愛の精神を展示。 Good food,Good life ネスレの150年以上にわたる精神を表現 「キットカット」パッケージの折り鶴 アート映像も興味深い。使用後に土に還すことができる紙製コーヒーマシン「ネスカフェ ドルチェ グスト ネオ」は、土を持った人の手を表現して次世代のコーヒーのあり方を問う。 「ネスカフェドルチェ グスト ネオ」イメージ ※画像提供・ネスレ日本 コーヒーを抽出するポッドが使用後に土に還って自然に循環していく様子も表現している。 NESCAFÉ for Tomorrow 使用後のポッドが土に還るプロセスをAIとジェネラティブアラートで視覚化 また世界的にポピュラーとなったチョコレートブランド「キットカット」のパッケージは、大切な人に応援や感謝の気持ちを伝えるコミュニケーションツールとして日本独自の文化を築いてきた様子を届ける。「キットカット」は、九州の方言で『きっと勝つとぉ(きっと勝つよ!)』と語呂が似ていることから、2000年代初頭から受験生の間に“応援ワード”として口コミで広まったという。 そして、生産地や農家とともに進めるコーヒーとカカオの再生農業「ネスカフェ プラン2030」「ネスレ カカオプラン」は、農家の支援と環境負荷の軽減に取り組む様子をひとつのアートにした。 A Taste of Good for Tomorrow ネスレが育んできたサステナビリティの取り組みをアートに このほか、使い終えた紙パッケージを再生する「アップサイクル」など、循環型社会に向けて原料の段階から商品が消費された後までの取り組みを紹介する。 アート映像や展示に加えて、4 月から展開している「ネスカフェ」と「キットカット」のスイスパビリオン向け特別商品、パビリオン内の「ハイジ・カフェ」限定スイーツやドリンクを楽しみながら、スイスの価値観やネスレの想いに触れることができる。 売れ筋NO.1、ネスレ日本「キットカット」ダブルクリームのラズベリー添え風味(10枚入り・税込1800円)※画像提供・ネスレ日本 「アルプスの少女ハイジ スティックブラックギフト」(ネスカフェ ゴールドブレンド スティックブラック 4バージョン60本・税込5000円)とともに ネスレ日本の嘉納未來(かのう・みき)・執行役員はラジオ関西の取材に対し、「約160年前にスイスで生まれたネスレ、“一食一食の積み重ねが、将来も変わらず楽しめるように”との思いで、50年、100年先も変わらぬ味を提供するために何が必要かを考えたい」と話す。 ネスレ日本 嘉納未來・執行役員「一食一食の積み重ねが、将来も変わらず楽しめるように」 そして「大阪・関西万博では原点に帰る意味を込めて、ネスレのルーツであるミルク缶を展示した。コーヒーやカカオの生産地農家とともに再生農業を考えるなど、循環型社会でのネスレのあり方を改めて問いたい」と力を込めた。 ネスレ製品の紙パッケージなどを紙縒り(こより)状にして“水引”の創作アクセサリーに 「地球(プラネット)」の展示ではネスレのほかに、持続可能な未来を目指すスイスが取り組む気候変動・環境再生・都市設計などの最先端技術と研究を紹介する。 ローザンヌ大学によるスイス国内の氷河分布の変遷を3万年前から振り返る「IceAgeCam:スイスのタイムマシン」や、スイス連邦工科大学チューリヒなどによる「トアアルバ-ロボットによる建築」なども出展した。 「IceAgeCam:スイスのタイムマシン」 「サーマル・ガバナンス by ルガーノ大学」都市は熱問題にどう対応すべきか?ウィーンの都市広場をモデルに、建物の形や配置で日光や日陰の受け方を決めている パビリオンのラストシーンでは、アルプスの少女ハイジの世界に入り込めるフォトスポットが新たに登場。ハイジやペーターとともに写真を撮り、物語の一員になった気分に浸れる。