“石破リコール”不成立なら森山幹事長続投説も 「記名式」で裏切りがバレる自民党臨時総裁選の賛否は拮抗 「選挙は怖いけど親分には逆らえない」の悲鳴

 事実上、石破茂首相の「リコール」になると言われている自民党臨時総裁選は成立するのか。若手・中堅の議員を憂鬱にさせているのは、森山裕幹事長が強行しようとしている「記名式」による意思表示。「裏切りがバレたくない」という集団心理はどっちに転ぶのかーー。  *** 【写真を見る】こんなラフな格好することあるんだ…! キングメーカーとしての動きに注目が集まる「麻生氏」のウォーキング姿 蓋を開けるまでわからない 「いまマスコミ各社は自民党国会議員にアンケート取材するなどして、票読みに入っています。態度が不明確な議員が多く、各社展開が読めずに悪戦苦闘しています」(政治部記者)  自民党国会議員295人と47都道府県連代表の過半数は172票。この数字を越えれば、臨時総裁選を行うことが決まる。賛成者の集計をどうするかは8月27日に開かれる総裁選挙管理委員会で正式決定されるが、時期は参院選の総括が終わった後の9月初旬になりそうだ。臨時総裁選になった場合、石破首相が再び手を挙げることは物理的に可能だが、 「そもそも辞めることに過半数が賛成して総裁選が行われるのですから、再選は無理でしょう。事実上のリコール成立となる。総裁選となれば、小泉進次郎氏と高市早苗氏が最有力です」(同)  石破おろしを主導しているのは麻生派、旧茂木派、旧安倍派の約120人。はたして残り50余名を集められるのか。 石破茂首相、森山裕幹事長 「過半数に届くという人もいれば、届かないという人もいる。本当に拮抗していて蓋が開けるまでわからない状態です」(同) 「カレー食い逃げ」的なことはできない  票読みを難しくしているのは、森山幹事長が「記名式」で押し通そうとしているからだ。 「総理を下ろすというのだから、堂々と実名でやるべきだと森山さんは言っている。筋論としては正しいのですが、普段の総裁選は匿名投票です。“どうしてこれだけ記名式なんだ”とブーブー言う人は多い」(同)  当然、記名式となれば石破氏を支持するかしないかのスタンスが公になってしまう。いつぞやの「カレー食い逃げ」的なことはできない。 「普通に考えたら、衆院選、都議選、参院選と3連敗もしたのだからクビは当たり前。ただ本音ではリコール賛成でも、自分が賛成したとバレるならば慎重に考えてしまう議員が少なからずいるのです」(同)  特に頭を抱えているのは副大臣や政務官として政権に入っている若手・中堅たちだ。 「もし負けたら冷や飯が待っているとビビる議員もいれば、『背水の陣の覚悟で絶対に過半数を取るんだ』とイキリ立っている議員もいます」(同) チキンレースを仕掛ける森山幹事長の強気  一方、昨年の衆院選でギリギリ当選した議員たちは、党の行く末よりも選挙が近づくことを最も恐れている。新しい総裁が誕生して新総理に選ばれれば、国民の審判を受ける必要があり、早晩、解散する可能性が高い。このままずるずると石破政権が続いて時間稼ぎをしたいと考えている議員が一定数いるのだ。 「そういう議員が『反石破派閥』に所属していたら厄介なわけです。本音ではリコールに反対したいのですが、バレれば派閥から総スカンを食らう。表向きは派閥はなくなったものの依然として旧派閥単位で動いている実態があるのです。ただ今回は派閥の結束もどこまで固まるかわかりません。特に親分がいない旧安倍派などでは、日和ってしまう議員が出てくるかもしれません」(政治部デスク)  ソワソワしているのは若手・中堅議員たちばかりではない。総裁候補に名乗りを上げようとしている人たちも水面下で動き始めている。 「前回立候補したある議員の事務所では、事務員が先走って総裁選用のパンフレットを発注しようとしたとのこと。議員が『まだやると決まっていないのに、やる気満々で準備に入っているなんて噂になったらどうするんだ』と慌てふためいて止めたという話が笑い話になっています」(同)  石破氏が続投となった場合、森山裕幹事長の去就も気になるところだ。 「このところ森山さんは、鹿児島県連会長を続投するなど終始強気な姿勢を示しており、幹事長も辞めない説も急浮上しています。形ばかりの辞意を漏らしてから、総理から強く慰留されたから、みたいな言い訳をし始める可能性は十分考えられます」(同)  まさにチキンレースの様相を呈してきた石破政権。石破・森山コンビの粘り腰はどこまで通用するのか。 デイリー新潮編集部

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