ホテルで覚醒剤やコカインを所持したとして、覚醒剤取締法違反などの罪に問われていた不動産投資会社「レーサム」の元会長・田中剛被告(60)。ホテルに複数の女性を招き、前代未聞の“薬物性接待パーティー”を主催したとして多くの注目を集めた同被告の裁判員裁判が8月13日、東京地裁で開かれた。 【内部写真】「エナジードリンクに薬物…」“性的パーティー突入の瞬間” 薬漬け性パーティーの実態とは 本件についてこの日、裁判官は同被告に懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。少し痩せた雰囲気の田中被告だが、法廷では薬物使用の実態を明け透けに語っていた--。【前後編の前編】 「ホテルに呼んだ女性に勧められて…」 20代で不動産投資会社を立ち上げ、ものの数年で急成長を果たし現在の「レーサム」を作り上げた田中被告。白髪をきっちりと七三に分け、姿勢良く法廷に座る田中被告だが、顔はかなり痩せているように見受けられた。 「(昨年7月に)保釈されたあとは暫く自宅にいて、その後は11月から更生施設で半年間過ごしてきました。タバコ、薬なしの生活を9か月間続け、ランニングもしています。 今後は、自分の過去の行動をしっかりと見つめ直し、薬のない心豊かな生活の素晴らしさを自分なりに伝えていきたいです」(田中被告の法廷での発言) 裁判官からの質問に淡々と答える田中被告。7月9日に開かれた初公判では、犯行当時の“パーティー”の様子が検察官によって明かされていた。全国紙社会部記者が語る。 「田中被告は2024年6月頃、宿泊先のホテルに複数の女性を派遣させる『性接待パーティー』を開催。宿泊中、複数回にわたって、覚醒剤、コカインなどの違法薬物を密売人の男に配達させたと検察側に指摘されています。現場に招かれた女性の知人が客室に赴き、田中被告と揉めて警察に通報。田中被告が立ち去った客室ベッドの枕の下からは、覚醒剤やコカインが見つかった。 同被告は薬物所持については起訴事実を認めていました」 薬物との関わりについて問われた田中被告は、「(薬物使用を始めたのは)昨年からです」と話した。 「それまでは合法ハーブ(を使ったこと)はありました。10年前にアダルトショップで買ったことがあります。 (違法薬物は)ホテルに呼んだ女性から勧められたのがきっかけです。入手先も彼女から聞いたのがきっかけで、自分で直接入手はしていません」 「快楽に対する依存」 田中被告は2021年に「レーサム」の会長職を退任している。薬物を使用した背景にはストレスがあったと主張した。 「高いストレスがあった。会社のことや、妻とも離婚したりと。そのストレスから解放されるためにやった」 保釈後は約半年の間、更生施設で過ごしてきたという同被告。「違法薬物使用に対する危機感はあるか」と問われると、真面目な口調でこのように明かした。 「自分は(リスクを)何も考えられていなかった。薬物はローションに溶かしていたので、身体への影響はありませんでした。ただし、快楽に対する依存がすごかったです」 薬物使用について真摯に認め、反省した様子だった田中被告。しかし、“パーティー”に参加した女性に対してはどうしても我慢できないことがあったのか、同被告は法廷で突如声を上げたのだった--続編記事で詳報する。 (つづきを読む)