負債総額およそ260億円、脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の運営会社について、破産手続きの開始が決まりました。給与の未払いが問題となる中、19日夜、運営会社の元社長が取材に応じました。 19日午後、会見で思いを語った脱毛サロン大手「ミュゼプラチナム」の元従業員。 ミュゼプラチナム元従業員 「従業員としては不安なんていうものじゃないくらい、もう毎日毎日が地獄のような日々でした。3か月以上の給料未払いということは本当に生活がままならない。今回、本当にそういう中で、やっと一歩進んだ」 “やっと一歩進んだ”というのが…。 「ミュゼプラチナム」の運営会社「MPH」をめぐる、破産手続き開始の決定です。 債権者はサロンの利用者などおよそ123万人。会社の負債総額はおよそ260億円にのぼり、元従業員らが破産手続きを始めるよう東京地裁に申し立てていました。 19日夜、取材に応じた運営会社の元社長は—— ミュゼプラチナム運営会社・高橋英樹元社長 「率直に残念なところもあるが、これはもう選択なので、私たちとすれば判断に従わざるを得ない」 「(Q.会社としての資産はない?)ないですよ。口座にもゼロですし」 ミュゼプラチナム運営会社・高橋英樹元社長 「私たちはお客さまの施術を守ることと、社員の給料の立替払制度が使えることを最優先で動いていた。一歩前進だと思っています」 今年3月末に社長に就任した時にはすでに会社に多額の負債があったといい、今年6月には—— ミュゼプラチナム運営会社・高橋英樹社長(当時) 「株主総会決議により会社を解散することにいたしました」 「破産」はせず運営会社を「解散」すると発表していましたが…。東京地裁は18日、破産手続きを開始する決定を出しました。 全国におよそ170店舗を展開していた「ミュゼプラチナム」。給与の未払いも問題となっていて、その額、およそ9億8000万円にのぼるといいます。 ミュゼプラチナム運営会社・高橋英樹元社長 「(Q.未払いの件については今後どうなっていきますか?)会社にはもう資金がありませんので、給料が払われることはないと思う。払われないということが確定した時点で(国の)給料立替払制度が使えるので、1日でも早く資金が支払われるようにフォローしていく」 今後、破産管財人が会社の資産状況を調査するということですが、資産がない場合は、国が給与の一部を立て替える制度での支払いを検討することになるといいます。 ミュゼプラチナム運営会社・高橋英樹元社長 「(Q.破産と解散で大きな違いが?)『破産』はすでにその時点で管財人に任せる作業ですので、私たちがある程度できるところまですべてやって、その後、破産という選択もある。その後、清算という選択もある。なので最後まで責任を持ってフォローしていくには(解散して)清算業務というのが私たちの中では最善の選択なんじゃないか」 一方、サロンとの契約が残っている利用者については、事業を引き継いだ別会社でサービスを継続するということです。 元従業員は—— ミュゼプラチナム元従業員 「私は15年ほど勤めさせていただいたんですけど、同じ思いをして人生が壊された従業員が今全国に2000人ほどいる現状です」 ミュゼプラチナム元従業員 「『全員解雇』・『退職勧奨』・『解散』と一方的に言われて、本当にどうなんだろうって。経営者として誠意のかけらもない言動が聞こえてきて。経営陣は本当に重く受け止めていただきたい」 現在は運営会社から事業を引き継いだ会社の代表を務めている高橋氏。 ミュゼプラチナム元従業員 「(Q.現状別の会社をまた立ち上げてミュゼのブランドが残っている。そのあたりはどう感じている?)今まで長年積み上げてきたものを壊されたような感覚でいますし、今回の新しく移行されたミュゼでお客さまもそうですし、スタッフもそうですし、私たちと同じように、苦しい思いをする方が増えないでほしい」 (8月19日放送『news zero』より)