【特集】戦後80年「戦時中の日用品」5000点超える戦争資料やモノが語る戦争の記憶【新潟】

年々戦争の経験を語れる人が減っていく中、戦争資料を使うことでその記憶を後世に伝えようとする男性がいます。20年以上をかけて集めた物品からは、戦争が生活の一部だった当時の国民生活の様子が垣間見えました。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「これが焼夷(しょうい)弾。これ1発で30m四方、この境内一帯は火の海になる。」 上越市に住む平田真義さん(73)。全国各地から集めた戦時中の物品を見せながら、戦争について伝える活動をしています。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「焼夷(しょうい)弾は、日本を焼き尽くすためにアメリカが作ったもの。日本は木と紙の家なので、焼夷(しょうい)弾で火事にすれば延焼する。一番効果的、日本の家を焼くために。」 法話会では、戦争資料と説明用のパネルを展示。実物を見てもらうことで戦争を〝よりリアルに感じてほしい〟と考えています。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「空襲は夜が多い。光が外に漏れるとマズイ。ここだけしか光が漏れない。」 これまでに集めた戦争資料を見せてもらいました。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「どうぞ入ってください。(戦争資料が)この部屋には2000点くらいあるでしょうかね。」 召集令状“赤紙”、出征の際に兵士が掛けた“たすき”、『国家民族の安寧を祈願し喜んで死んでいきます』そう書かれているのは特攻隊員が両親に送った“遺書”です。 生々しい戦争資料の数々は、全国の骨董品店などから買い集め、現在は5000点を超えるといいます。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「(戦争資料の購入に)6000万円~7000万円はかかったと思いますよ。よく人は『先生、いい趣味をお持ちですね』と言うんだけど、私は使命だと思っている。人に見てもらって感じてもらう。趣味だったらもうとっくにやめていますよ。」 資料を集め始めたのは、高校の社会科教師だった48歳のころ。 53歳のとき、実家の寺で物品を見せながら法話をするようになりました。今では年に数回、上越市や妙高市などから講演の依頼があります。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「子どもたちに太平洋戦争なんて言っても、ほとんどもう風化しちゃって。8月15日にサイレンが鳴って黙とうしたりするでしょ。あれが何の日か分からないんだよね。これはマズイと思いましてね。」 父・端然(たんねん)さんは、インパール作戦の生還者。撤退路が飢えと病気で死んだ兵士たちの死体で埋まり、『白骨街道』とまで呼ばれた悲惨な戦闘です。体験を聞くこともありましたが、戦後生まれの平田さんはその過酷さをイメージするのが難しかったといいます。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「実際の〝モノ〟を通じて、背景にある人の命や戦争の悲惨さだとか、そういう思いを感じてもらえれば。」 戦時中、実際に役場に掲げられた『空襲警報発令中』の看板。 兵士が身につけていた装備品。 新潟市で撃墜されたB29の残骸。 そして、長岡の街を焼き尽くした焼夷(しょうい)弾も。 ■戦争資料を収集 平田真義さん(73) 「ナパームというゼリー状のガソリンが入っている。これ一発で30m四方が火の海になる。これが長岡だと13万発以上落ちてくる。」 長岡空襲では、この焼夷(しょうい)弾により市街地の8割が焼け、1489人の死者が出ました。平田さんはそれがなんのためにどう使われたのか、背景を知ることで戦争への理解が深まると考えています。戦時中の生活用品からは、資源が乏しかった当時の様子が垣間見えます。 1 2 次へ

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