オフコースから55年、小田和正が喜寿迎えても「自己ベスト」更新できる3つの理由

 昨年、喜寿を迎えた小田和正=写真=がアリーナツアーの真っ最中だ。  今年5月に始まり、約5か月にわたって全国13か所で歌声を届ける。「オフコース」でデビューして55年、今も歌声や楽曲が多くのファンを引きつける理由が、会場に身を置いて改めてわかった。その理由は、主に3点ある。  まずは、不変のサービス精神だ。「8」の字のように作られた花道を、ピアノやギターを弾く時以外はマイクを持って歩きながら歌い続ける。時にはステージを下り、観客にマイクを向けて。歌う以外の動きが多く、体力的に大丈夫だろうかと余計な心配をしてしまったが、一人でも多くのファンに自分の姿を近くで見てほしいという思いの表れだろう。「ラブ・ストーリーは突然に」や、オフコース時代の「Yes—No」など往年の名曲では自然と観客も合唱し、アリーナが温かい雰囲気に包まれた。  次に、唯一無二のハイトーンボイス。出だしこそ少し不安も感じたが、次第に調子を上げていった。一般的に年を経るごとに高音を出すのは難しくなるはずだが、「言葉にできない」のようなピアノ弾き語りの曲こそが本領発揮と言わんばかりに、奇をてらわず、まっすぐに人を元気づけ、優しくさせる歌詞を、透き通った歌声で客席に届けた。  第3点は、常に自分のベストパフォーマンスを見せようとする強い意志と覚悟が見えることだ。今も新曲を生み出し続け、昨年発表した2曲も披露した。「すべて去りがたき日々」の歌詞は、歌手人生を振り返るような内容で、長年のファンは胸にぐっときたことだろう。対照的に「その先にあるもの」では、未来への展望を歌詞に込めていた。  ツアー名「みんなで自己ベスト!!」は、アルバムタイトルからつけられたものだが、このツアーを続けていること自体が、小田にとっての自己ベスト更新になっている。そう感じ入った2時間だった。(宍戸将樹)  ——6日、東京・有明アリーナ。

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