ゴミで環境悪化…美しい浜名湖を再び 高校生たちの挑戦にベタバリ【バンキシャ!】

一見きれいに見える静岡県の浜名湖。実は、ゴミによる環境悪化が問題となっています。その解決に動き出しているのが地元の高校生たち。テーマは、「楽しみながら環境改善」。どんな取り組みなのか、桝太一キャスターが「ベタバリ!」しました。【真相報道バンキシャ!】 ◇◇◇ 7月、静岡県浜名湖。桝太一キャスターが「ここですよね、すごいな人数」という、子供から大人まで多くの人が集まっていたイベント。 これを企画し、運営もおこなっているのが、近くの学校に通う高校生たち。一体、どんなイベントなのかというと、「SUPに乗りながら、ゴミ拾いをやってもらう」という。 桝キャスター 「おもしろい発想」 SUPとは、ボードに乗り、パドルを漕いで水面を進む浜名湖でも人気のスポーツ。観光地として知られる浜名湖。近年、水質の悪化が深刻になり、名産のアサリの漁獲量は2009年のおよそ6000トンから、2024年はおよそ0.2トンに激減している。さらに、ゴミの不法投棄も問題に。 そこで、高校生たちが考え出したのが、SUPを楽しみながらゴミを拾うイベントだ。 ◇◇◇ 楽しみながらきれいな湖を取り戻す。高校生たちの夏にベタバリ!。桝キャスターが訪れたのは、浜名湖に面するオイスカ浜松国際高校。出迎えてくれたのは、3年生の長谷部帆夏さんと、所属する「環境SDGsプロジェクト」の仲間たち。そのプロジェクトとは…。 桝キャスター 「野球部員みたいな人がいますけど?」 長谷部さん 「女子野球部の先輩がスポーツと環境SDGsを掛け合わせたゴミ拾い選手権を開催」 桝キャスター 「高校生たちが自分たちで大会を企画している」 この学校で2年前から始まったのが、スポーツと環境改善を組み合わせたイベント。2023年は、バケツリレーと砂浜の砂の補充を組み合わせ。2024年は、マラソンをしながらゴミを拾うイベントを開催した。 プロジェクトチームの先輩たちを間近で見てきた長谷部さん。もともと控えめな性格だというが、「(先輩たちが)リーダーシップも、責任感もすごくて、私もこうならないといけない」と話す。 3年生になってプロジェクトのリーダーに。そして考案したのが、スポーツと浜名湖の環境改善との組み合わせだ。 長谷部さん 「SUPはいいんじゃない?」 生徒 「奥の方にゴミが隠れていてたくさんあった」 長谷部さん 「(SUPなら)たくさん拾える?」 陸上からは拾えない湖に浮いているゴミをSUPを使って回収する、名付けて「エコSUPゴミ拾い競争」。ルール設定から、安全対策まで、みんなで話し合って決めてきた。 「色んな人を巻き込んでやりたい」という長谷部さん。参加者も自分たちで集める。市の施設にチラシの掲示をお願いし、漁師や地元のサーフショップなどにも声を掛け、地域の人たちを巻き込んでいく。 長谷部さん 「(お客さんへの)お声掛け、よろしくお願いします」 ◇◇◇ 準備期間は1か月、イベント当日を迎えた。呼びかけの甲斐もあり、38人が集まった。 「楽しんでやりましょう」と声をかける桝キャスターとペアを組むのは、プロジェクトの副リーダー・前田瑠奈さん。早速、桝キャスターもボードに乗ってみるが、落水し「ゴミ拾うどころじゃないかも」。 競技は制限時間30分。ゴミはペットボトル・ビン・缶が2点、その他のゴミが4点と、種類によってポイントが決まっていて、より多くのポイントをとったチームが優勝となる。 「優勝するぞ」と意気込む桝キャスター。競技がスタートした。 桝キャスター 「これはゴミ?」 「第一ゴミ発見」 桝キャスター、小さなプラスチックのゴミをゲット。 桝キャスター 「右奥行っちゃう?」 前田さん 「何か見えますよ」 桝キャスターたちが狙ったのは、岩場に漂着したゴミ。ペットボトル(2点)を拾う。さらに、「ダブルゲット。なんだろうコレ」とゴミを見つけた桝キャスターは、「めっちゃ楽しい。おもしろいわ」。 ここでライバルたちを見てみると。 「おースゲェ。スゲェのいたぞ。取ったぞ」という参加者の男性は、プランターのようなゴミ(4点)をゲット! バンキシャ!が「何かとれました?」と聞いた参加者の女性は、ホース(4点)を拾った。男性は、車のホイールキャップ(4点)と、高得点のゴミをゲットしていく。 運営ボートから大会の主催者でもある長谷部さんが、参加者の様子を見守る。長谷部さんが「給水アナウンスをお願い」と生徒に呼びかけると、「給水タイムです」とアナウンスされた。参加者の安全管理も高校生たちの仕事だ。 長谷部さん 「最後、みんなであそこのゴミを拾いましょう」 桝キャスター 「あそこめっちゃある」 残り時間およそ5分。干潟には大量のゴミがたまっていた。 桝キャスター 「(ゴミが)ありすぎて、先に進めない」 「リップクリーム落としちゃう人もいる。SUPで渡ってみないとわからなかった」 前田さん 「悲しいです。浜名湖ってキレイで、みんなが観光で楽しむ場所」 ペットボトルや缶、発泡スチロールなど、他の参加者たちも次々と回収していく。 長谷部さんが「みなさん時間になりました。終了です」「戻ってください」とアナウンス。ここで30分が経過し、タイムアップ。その直後、桝キャスターが見つけたのは、「タイヤだ。これは大物過ぎましたね」。 ◇◇◇ 制限時間内であれば高得点確実だったタイヤを回収。すると、捨てられたタイヤの中に潜んでいたのは、浜名湖名産のウナギ。 桝キャスター 「ゴミを拾うつもりが、ウナギを拾ってしまった」 長谷部さん 「みなさんありがとうございました。SUPに乗って楽しめましたか?」 30分で38人の参加者が集めた浜名湖のゴミ。ペットボトルとビン・缶合わせて424本。その他のゴミの総重量は100キロを超えた。 桝キャスターチームの結果は、18チーム中、惜しくも4位。上位3チームには、スイカやナスなど生徒たちが学校の農園で育てた夏野菜が贈られた。 桝キャスター 「SUPと組み合わせる発想は?」 参加者の男性 「楽しい。誰でもできる。時間内にゴミ拾い大会ってアイデアいい」 桝キャスター 「実際どうだった?」 参加者の子供 「楽しかった」 参加者の子供の父 「パッとみたらキレイなところだが、ちょっと裏に行くと、すごいゴミがある」 ◇◇◇ イベントを主催したプロジェクトチームの長谷部さんは、桝キャスターの「疲れたでしょ?」という問いかけに、「頑張りました。疲れました」という。 桝キャスター 「ゴミ拾いが終わった後に、暗い気分になっていないのは初めて」 長谷部さん 「うれしいです」 「環境SDGsプロジェクトに入って、先輩と一緒に学んでいくうちに身に付いた力。前向きな気持ちが環境課題の解決に。来年は後輩にもっと楽しくなるように改良してつなげたい」 (2025年8月17日放送「真相報道バンキシャ!」より)

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