13日、大阪・関西万博の会場につながる地下鉄が運転を見合わせ、約3万人が帰宅困難となった問題。バンキシャ!は、当時の万博会場で来場者の動きを示したデータに注目。会場周辺で何が起きていたのか?データを分析して見えてきたことは?【バンキシャ!】 ◇◇◇ お盆休み最終日の17日。 バンキシャ! 「うわあ…もう目の前が人で…」 バンキシャ!が向かったのは、「大阪・関西万博」。このお盆期間も連日15万人以上が訪れている。 バンキシャ! 「ものすごい行列ができています」 「アメリカパビリオンに入るための長い行列です」 「90分待ち」 猛暑日となる中、日傘をさした人々の行列が至るところに。 スタッフ 「道が狭くなっております」 こちらは、大阪府内から来たという4人家族。 大阪・吹田市から来た家族 「お盆で休みがそろったので最後の日に思い出づくり」 ただ、心配していたのが… 「“あのニュース”を受けて荷物というか、飲み物とか食べ物は増えたような気がする」 13日夜、大阪・関西万博の会場につながる唯一の地下鉄が運転を見合わせ、帰宅困難者が続出。約3万人の来場者に影響が出た、今回の混乱。 バンキシャ!が注目したのが… バンキシャ! 「こちらが万博の会場です」 これは、ビッグデータを扱う会社がスマホアプリの位置情報から人の動きを表したマップ。(Agoop「コンプレノ」ⒸOpenStreetMap,加工:Agoop) 画面左が、大阪湾に浮かぶ人工島、万博会場がある夢洲。赤い表示は、ゆっくり移動している人か、ほぼ止まっている人を表している。 バンキシャ!は、このデータを基に当時の来場者の動きを分析。すると新たな発見が… バンキシャ! 「これじゃない?これだ!」 13日、夜の万博会場で起きた、来場者3万人が足止めとなった混乱。 今回バンキシャ!は、スマホアプリの位置情報から得たデータで表した人の動きに注目。そのデータを見ると、地下鉄が止まり混乱した日は、深夜まで会場周辺に大勢の人がいたことがわかる。 前日の人の動きと比較してみる。それを見ても、人が残っていることが明らかだ。駅がある東ゲート側だけでなく、バス乗り場などがある西ゲート側にも人が押し寄せていた。 会場の東側には駅があり、大勢の人が集まっているが、バスやタクシー乗り場がある西口にも、多くの人が押し寄せていた。 さらに人の動きに、大きな違いが見られたのはこの部分。そこは、会場から歩いて大阪中心部方面に向かえる場所。 バンキシャ! 「当時は相当な人がこの橋を渡ったと思われます」 13日夜、これは当時の写真。歩く人達の中には、子どもの姿も。橋を渡った人は… 橋を歩いた人 「バスなど別の移動手段が何も案内されていなかったので、人の流れに身を任せて歩くことにしました」 これは、日付が変わった14日午前1時半のデータ。大屋根リングに沿って人の動きがあるほか、黄色の丸で示したこの部分にも、多くの人が集まっている。いったいここには何があるのか。 そこは、メディアアーティスト落合陽一さんが手がけるパビリオン「null²(ヌルヌル)」。落合さん本人が遠隔でDJを務め、音楽を届けたという。 さらにリング西側にも、濃い赤色の部分が。バンキシャ!がその場所を探してみる。 バンキシャ! 「これじゃない?これだ!ここ、オランダ館!」 オランダのパビリオン。当時の映像を入手した。(saku氏のXより) 「サンキュー!」 「ありがとうございます」 「優しい」 帰宅できない来場者に、水とクッキーを配ったという。そのため、多くの人が集まったとみられる。対応にあたったスタッフは… オランダパビリオン スタッフ 「状況が長引くと聞いたので、パビリオンに戻って対応にあたりました」 「まず冷房が効いたスペースを提供しました」 「食べ物や飲み物の準備もできていました」 バンキシャ!が、52ある海外パビリオンに聞くと、少なくとも6か所で帰宅できない来場者の対応にあたっていたことがわかった。 そして、運転見合わせから約8時間後の朝5時25分。地下鉄の運転が全線で再開すると、一夜を過ごした来場者たちが家路につく動きが確認できた。 専門家は、今回の万博協会の対応について… 都市防災に詳しい 東京大学 廣井 悠 教授 「21時30分に電車が止まったわけですが、そこからずっと駅の近くで多くの方が滞留している。おそらく暑い中、多くの方が密集して滞留した」 「やはり人間は不安になってしまうと、群集事故が起きやすくなることが知られている」 「なので早めにこの不安感を低減させるために、情報伝達、つまり今何が起きているかをきちんと伝えて、把握してもらうことが必要だったと思います」 (2025年8月17日放送「真相報道バンキシャ!」より)