任天堂以外も注目株がぞろぞろ!5年で株価7倍に迫る銘柄も…まだある「エンタメ株11選」を実名公開

2億り人で投資作家の桶井道(おけいどん)氏は、最近の投資環境をふまえて言う。 「『トランプ関税ショック』は記憶に新しいでしょう。加えて内政も不安定です。そんななかでも、それらから影響を受けることなく、世界的に人気の続く分野、かつ内需もある分野として、日本のエンタメが注目セクターです。5年で株価が数倍になっている銘柄が多くあります」 前編記事〈Switch2、鬼滅の刃で株価好調…5年でテンバガー銘柄もある 「エンタメ株5選」を実名公開〉では注目のエンタメ株5銘柄を紹介。後編となる本稿では、著書『 資産1.8億円+年間配当金(手取り)240万円を実現! おけいどん式「高配当株・増配株」ぐうたら投資大全 』(PHP研究所)が好評な桶井氏に、さらに11銘柄を紹介してもらう。 エンタメ業界の現状と見通し 前編でもお伝えしましたが、ここで、改めて「エンタメ業界」について定義を整理しておきましょう。 ゲーム、アニメ、漫画、映画、キャラクター、テレビ、音楽、動画、出版、演劇、「みる」スポーツイベント、テーマパーク、パチンコや競馬などギャンブル、さらにはそれらに関連したグッズの製造・販売まで多岐にわたります。 一例をあげますと、『ドラゴンボール』を生み出したのは漫画家の鳥山明さんですが、版元は集英社で、映画の配給は東映で、フィギュアの販売はバンダイナムコです。 続いてエンタメ業界の現状と見通しを確認してみましょう。 経済産業省が2024年11月に公表した「第1回エンタメ・クリエイティブ産業政策研究会 事務局資料」および2025年3月に公表した「エンタメ・クリエイティブ産業戦略 中間とりまとめ案 事務局資料」によりますと、次のようにあります。 (1)日本のコンテンツ市場規模は世界3位であり、13.1兆円(1位は米国、2位は中国)。※2022年のデータ、以下特に記載がない場合は同様 (2)日本のコンテンツ産業の海外売上は2023年で約5.8兆円と、半導体産業、鉄鋼産業の輸出額に匹敵する規模。 (3)世界のコンテンツ市場の規模は、石油化学産業や半導体産業より大きい。 (4)世界のコンテンツ市場は、2018年から2027年まで年平均成長率5%と予想。 (5)世界のコンテンツ市場規模は、2018年1.38兆ドル(実績)、2022年1.73兆ドル(実績)から2027年2.15兆ドル(予想)に成長する。 日本のコンテンツの海外売上が大きいこと、世界的に市場規模が大きいことと成長予想は、おわかりいただけたでしょう。 エンタメ銘柄の紹介 それではアツイ投資先として、日本のエンタメ株をご紹介します。株価が驚くほど上昇している銘柄もあります。 ※推奨ではなく紹介です。( ) 内は銘柄コードです。 (1)ソニーグループ(6758) 日本の時価総額ランキングで第3位、日本を代表する企業です。そして、世界的にも有名な企業です。ゲーム、音楽、映画、ET&S(カメラ、オーディオ、TV、スマホ、映像・音響機器)、I&SS(半導体)、金融の6事業で構成されます。今後はエンタテインメントに注力する旨を発表しています。最近では、バンダイナムコと戦略的パートナーシップを締結し、KADOKAWAと戦略的資本業務提携契約を締結しています。ゲーム、音楽、映画で売上高の約6割を稼ぎます。営業利益率(3年平均、以下同様)は10%ほどです。海外売上高比率は8割程度です。業績は概ね増収増益です。株価は5年で約2.3倍です。 (2)KADOKAWA(9468) 出版、アニメ・実写映像、ゲーム、ウェブサービス、教育などの事業を展開する総合エンタテインメント企業です。出版事業では、文芸、コミック、ライトノベル、児童書、ビジネス書など年間6000点近くを出版しています。アニメ事業では、業界トップクラスとなる年間約40作品も制作しています。歴代アニメで有名な作品は「時をかける少女」「涼宮ハルヒの憂鬱」があります。拙著・投資小説「時をかける貯金ゼロおじさん」も同社刊で、チャレンジさせてくれる社風を感じます。営業利益率は8%ほどです。海外売上高比率は約20%です。業績は売上高を伸ばしています。利益は数年前をピークに今は回復途上です。株価は5年で約2.8倍です。 (3)バンダイナムコホールディングス(7832) バンダイとナムコが経営統合して誕生しました。玩具でトップ級です。トイホビー、映像・音楽、家庭用ゲーム、アミューズメント施設などエンタメ事業をしています。売上高の半分弱をトイホビーが占めます。トイホビーとは、玩具、トレカ、カプセルトイ、プラモデルなどを製造しています。「ウルトラマン」「仮面ライダー」「ガンダム」「アンパンマン」「たまごっち」「ドラゴンボール」「プリキュア」「アイドルマスター」などの商品・サービスを展開しています。営業利益率は10%台前半です。海外売上高比率は30%弱です。業績はきれいに増収増益です。株価は5年で約2.4倍です。 (4)カプコン(9697) 大手ゲームソフト会社です。家庭用ゲームソフトでは「バイオハザード」「ストリートファイター」「モンスターハンター」などがあります。カプセルトイも手掛けており、パチンコ、パチスロ機も製造しています。ゲームの地域別販売実績では、80%強が海外となっています。営業利益率は40%弱もあります。業績は増収増益で、特にここ数年はきれいな伸びを見せています。株価は5年で約3倍です。 (5)タカラトミー(7867) バンダイナムコとともに玩具大手です。トミーとタカラが合併して誕生しました。「トミカ(ミニカー)」「リカちゃん(人形)」「人生ゲーム」「プラレール(鉄道玩具)」など定番の人気商品を抱えています。カプセルトイも手掛けます。営業利益率は9%弱です。海外売上高比率は約35%です。業績はかつてジグザグでしたが、ここ数年は増収増益です。株価は5年で約3.9倍です。 (6)ハピネット(7552) バンダイナムコホールディングスグループです。玩具、映像音楽、ビデオゲーム、アミューズメント(カプセルトイ=業界トップシェア、キッズカードゲームなど)の4分野でトップクラスのシェアを有するエンタテインメント総合商社です。メーカー約700社と販売店舗約1200社をつなぐ中間流通のトップ企業です。売上高のうち半分弱を玩具が占めます。営業利益率は2%台です。業績は概ね増収増益で、ここ数年はよく伸びています。株価は5年で約5.4倍です。 (7)スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684) スクウェアとエニックスが合併し、後にタイトーを子会社としました。「ドラゴンクエスト」と「ファイナルファンタジー」が2枚看板で、「スペースインベーダー」も代表作です。2025年5月にTBSテレビと、完全新規オリジナルIPのゲーム開発のために協業することを発表しました。営業利益率は10%台前半です。海外売上高比率は3分の1ほどです。業績は2022年3月期をピークに下落しています。株価は5年で約1.6倍です。 (8)日本テレビホールディングス(9404) 日本テレビ放送網(いわゆる「日テレ」)、有名なところではスタジオジブリを子会社に持ちます。長期目標として、売上高を2024年度(実績)4619億円から2033年度7000億円(うち海外で1000億円)を掲げます。2025年からグローバル市場に本格進出し、2033年度にはグローバルでの持続的な利益創出を目指すとしています。具体的には、これまで主要な収入源で売上高の半分程度を占めた地上波の広告事業から、コンテンツビジネスへの転換を目指します。そのために、ドラマ、映画、アニメ、バラエティなどグローバル志向のIP開発を行います。営業利益率は10%台前半です。業績としては、この10年間で売上高は安定的で、利益は上下しています。株価は5年で約3.1倍です。 (9)ラウンドワン(4680) 日米で、ボウリング、アミューズメント(ゲーム)、スポッチャ(スポーツを中心とした時間制の施設)、カラオケなど屋内型複合レジャー施設を運営しています。ボウリングのイメージが強いかもしれませんが、売上高の約60%をアミューズメントが占めています。ボウリングは16%程度です。営業利益率は10%台半ばです。海外(米国)売上高比率は40%ほどです。業績はコロナ禍以降で急成長しています。株価は5年で約6.9倍になりました。 (10)オリエンタルランド(4661) エンタメ株として、日本を代表するテーマパーク「東京ディズニーリゾート(東京ディズニーランド、東京ディズニーシー)」を運営するオリエンタルランドもご紹介します。テーマパーク以外にホテル事業も持ちます。新規事業としてディズニークルーズが2028年度に就航予定で、テーマパーク、ホテルに次ぐ事業となります。営業利益率は20%台半ばです。業績はコロナ禍以降で急成長しています。株価は5年で1.2倍ですが、チャートは2024年以降に下降トレンドになりました。 (11)グローバルX レジャー&エンターテインメント−日本株式 ETF(2645) 最後に、東証ETFをご紹介します。レジャー産業およびエンタテインメント産業に関連する国内上場株式を構成銘柄とする「Solactive Japan Leisure & Entertainment Index(配当込み)」に連動する投資成果を目指すETFです。レジャーとエンタメの企業30銘柄程度で構成されています。組入銘柄(2025年6月30日現在)は1位:オリエンタルランド、2位:サンリオ、3位:ソニーグループ、4位:シマノ、5位:楽天グループです。 *     *     * 前後編で、日本のエンタメ株16銘柄を紹介しました。日本株にも有望な分野、成長する企業があると感じていただけましたなら幸いです。 ◆著者による関連書籍の紹介 ◆免責事項 この記事では株式投資についてご紹介しましたが、あらゆる意思決定、最終判断はご自身の責任において行われますようお願い致します。ご自身の資産運用等において、損害が発生した場合、編集部ならびに筆者は一切責任を負いません。ご了承ください。 【新NISA】8月の「配当取り」を狙える、 注目の日本株「高配当株・増配株4選」を実名公開

もっと
Recommendations

京都国際、優勝した昨夏の応援団長もアルプスに…今年の応援は「まだまだですね」「一戦一戦成長するはず」

夏の甲子園大会第8日の13日、第1試合で京都国際(京都)は健大…

連覇目指す京都国際、昨春Vの健大高崎破る…石垣元気は155キロ記録も姿消す

京都国際6—3健大高崎(2回戦=13日)昨春の選抜大会優勝校…

がん手術で力を発揮する 日本初の国産手術支援ロボット「hinotori」 熊本初導入 その手術に密着

熊本の最新トピックや話題を取り上げる「センニュウ」今回は、熊本に…

健大高崎、アルプス席から袴姿の応援部員がエール「球場を揺らすぐらいの大きな声で」

夏の甲子園大会大会第8日の13日、第1試合で健大高崎(群馬)は…

日本・フィリピン「RAA=円滑化協定」9月発効へ 共同訓練など防衛協力拡大 アメリカ・フィリピン合同演習「バリカタン」にも自衛隊が本格参加か

日本とフィリピンの両政府は、自衛隊とフィリピン軍が共同訓練などを…

中国・北京で沖縄の魅力を発信 泡盛やさんぴん茶など紹介 沖縄県産の水産物輸出再開にも意欲

中国・北京で沖縄の魅力を発信するイベントが開かれました。きのう、…

ロシア軍、ウクライナ東部ドネツク州で10キロ以上前進…米露首脳会談で主導権の確保狙いか

ロイター通信は12日、ロシア軍がウクライナ東部ドネツク州の前線…

表面には痛ましい傷…広島で被爆したピアノ「弾いていくうちに音色がどんどん変わる」 原爆投下から80年 美しい音色で平和願う

愛知県あま市できょう、コンサートが開かれました。演奏された…

【速報】日経平均株価が史上初めて4万3000円台に 一時500円超値上がり

きょう(13日)の東京株式市場で日経平均株価は一時500円以上値上がり…

米大リーグの試合で史上初めて女性が審判を担当 歴史的な一歩を刻んだのは

米大リーグのレギュラーシーズンの公式戦で、史上初めて女性が審判…

loading...