8月29日公開の二宮和也主演映画『8番出口』が、第50回トロント国際映画祭センターピース部門と第58回シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペティション部門に出品されることが決定。『パラサイト 半地下の家族』や『Anora』などを手掛けたNEON社による北米配給も決まった。 【動画】音楽「ボレロ」がループし続ける映画『8番出口』特報 本作は、2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATEがたったひとりで制作し、累計販売本数190万超の世界的大ヒットを記録したゲームを実写映画化。監督・脚本を『百花』(2022)で第70回サン・セバスティアン国際映画祭最優秀監督賞を受賞した川村元気が務める。 5月に第78回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ミッドナイト・スクリーニング部門」へ正式招待され、2300人もの観客の前で世界初上映を果たし、“8分間のスタンディングオベーション”を巻き起こした。そして先月には、国内初となるイベント「88m無限ループカーペットアライバル」を開催。レッドカーペットならぬ、88mのイエローカーペットを二宮と共演の小菜奈松、「8番出口」といえばの“おじさん”河内大和、川村監督が歩き、8つの異変を探しながら集まった多くのファンと交流した。 この度本作が、現地時間9月4〜14日まで開催される第50回トロント国際映画祭センターピース部門に正式出品されることが決定。カナダ最大の都市・トロントで1976年より開催し、 “オスカーの前哨戦”として世界中から注目を集めるトロント国際映画祭。センターピース部門は、ストーリー性や芸術性に優れた長編映画を対象に、他の国際映画祭で高い評価を受けた作品や、才能あふれる監督の注目作品などを紹介する部門だ。 トロント国際映画祭の主催者は、選出理由として「『8番出口』は唯一無二の視覚体験を提供してくれる作品です。意図的に繰り返されるゲームプレイに基づいて、これまでで最も優れたビデオゲームの映画化と言っても過言でもないでしょう。本作はその繰り返しを、驚くべき創作性で昇華させています。主人公は閉鎖的で非現実性に満ちた地下鉄の通路をループしながら巡ることにより、疎外感と孤立を表現していきます。川村元気監督は原作に忠実でありながらも、そこに斬新な創造性と大胆さを吹き込みました。これは本当に驚異的です」と説明。 続けて「私が『8番出口』を観た瞬間に、もう一度観たくなり、この体験をできるだけ多くの人に共有したいと思いました。この反復的なデザインを生かすことで、本作は単調さを心理的な冒険へと変貌させます。欲望と不安が次第に真実の断片へと収束していく、無意識への降下の物語です。鋭い政治的、社会的な視点を持ちながら、本作は現代社会の無関心や、スマホ画面に麻痺して環境から切り離された世界で自らの責任に立ち向かう勇気を映し出しております。これはまさに、精神の冒険です」とコメントを寄せている。 本作はさらに、現地時間10月9〜19日まで開催される第58回シッチェス・カタロニア国際映画祭コンペティション部門への出品も決定。同映画祭はホラー、ファンタジー、SF、アニメーションなどのジャンル映画に特化し、世界三大ファンタスティック映画祭として名高い映画祭。過去に『リング』『座頭市』がグランプリを受賞、『君の名は。』がアニメーション部門の最優秀長編作品賞を受賞するなど、日本作品の注目度が高いことでも知られる。 シッチェス・カタロニア国際映画祭ディレクターは、選出理由として「本作は、新たな物語の道を開拓している映画です。ゲームからの影響を取り入れつつも、映画的な構成と独自のビジュアルアプローチに到達しています」とコメント。 また今回、本作の北米配給が、『パラサイト 半地下の家族』や『Anora』など多くのアカデミー賞受賞作品を手掛けるなど、近年勢いのある映画製作・配給会社「NEON」に決定した。 映画『8番出口』は、8月29日全国公開。