森田望智、北川景子と“シスターフッド”の物語 『ナイトフラワー』で格闘家役に挑戦 半年で7キロ増量の熱演

 俳優・北川景子がドラッグの売人をしながら2人の子どもを育てる母親役に挑んだことでも話題の映画『ナイトフラワー』(11月28日公開)に、森田望智が出演していることが発表された。森田は本作で、心に孤独を抱える格闘家・芳井多摩恵を演じ、主演の北川演じる永島夏希と共に“シスターフッド”を描き出す重要な役どころを務める。半年に及ぶ過酷なトレーニングで体重を7キロ増やし、迫真の格闘シーンに挑んだ姿が公開された。 【画像】解禁となったそのほかの場面写真  本作は、『ミッドナイトスワン』(2020年)でトランスジェンダーの主人公と少女の絆を描いた内田英治監督が原案・脚本を手がけた衝撃のヒューマン・サスペンス。借金取りに追われて東京へ逃れてきた母親が、2人の子どもの夢を叶えるためにドラッグの売人になることを決意し、危険な世界へと足を踏み入れていく。  森田が演じるのは、心に深い孤独を抱える格闘家・芳井多摩恵。主人公・永島夏希(北川)の“ボディーガード”として、夏希と危うい絆を深めていく重要な役どころだ。交わるはずのなかった2人の出会いが、シスターフッド・ドラマを生み出し、物語を一気にスリリングな展開へと導いていく。  Netflix『全裸監督』シリーズや『シティーハンター』、NHK連続テレビ小説『おかえりモネ』『虎に翼』など話題作への出演で注目を集める森田。本作では、多摩恵役のために約半年間の過酷なトレーニングを行い、7キロ増量。「これまで戦いとは無縁だった私が、格闘技の世界にどっぷり浸かり、闘志に染まることができるのか不安でした」と語るも、プロも絶賛する迫力の格闘シーンを見事に演じきっている。  森田は「夏希との出会いをきっかけに、多摩恵の本来の優しさやピュアさ、素直さが少しずつ表に出てくる。その変化がとても魅力的だと感じました」と語っており、2人の関係性が作品の大きな見どころとなっている。  森田を間近で見ていた北川は、「森田さんがご本人とは正反対の役にもがきながらも体当たりで挑んでいた姿をそばで見ていたからこそ、私も夏希役をやり抜くことができたと思います。夏希が多摩恵と、外れた道であったとしても強い気持ちで進んでいけたのは、多摩恵だったからにほかなりません。私も森田さんでなければできませんでした」と語り、互いの存在に深い信頼を寄せていた。  そんなタイプの異なる2人が出会い、唯一無二のバディとなったキャスティングについて、内田監督は「やさぐれた女性総合格闘家という役で、格闘技経験ゼロからの挑戦。初稽古で“猫パンチ”を見たときは、めまいがしました」と明かしつつ、「しかし彼女は不屈の精神で役を自分のものにしたのです。北川景子さんとのシスターフッド感もたまらなく好きです。役者魂を目の当たりにしました」と森田の努力を称えた。  あわせて公開された場面写真では、ブルーのインナーカラーをさりげなくそろえた2人が肩を組んで笑い合う無邪気な姿や、ベンチに腰かけて深刻な面持ちで向き合うカットなど、2人の絆がにじむシスターフッド・ドラマの一端が印象的に描かれている。  さらにティザービジュアルで注目を集めた、北川のどこか憂いを帯びた横顔のカットに加え、森田が体当たりで挑んだ試合シーンの一部も新たに解禁された。 ■芳井多摩恵役:森田望智のコメント ——最初に脚本を読んだ時の印象を教えてください。  ページの底から伸びてくる手に心臓をグワッとつかまれるような、作品が放つ爆発的なエネルギーを強く感じました。陽の光が差し込まないような場所で、今日という日を必死に生きようとする夏希と多摩恵。影の中、照らされている小さな輝きを見つけようと懸命にもがく彼女たちの姿が、読み終わっても頭から離れませんでした。そして、多摩恵は今までにないくらい自分とはかけ離れた役だったので、本当に私に務まるのか、どこまでやれるのか、覚悟が問われている気がしました。また、見る側に委ねられている余白が残されていたので、映像になった時にどのように映し出されるのか、とてもひかれました。 ——本作に出演する事を決めた、最もひかれた要素があれば教えてください。  『全裸監督』以来、久しぶりに内田監督とがっつりご一緒させていただきました。内田さんの演出は、役者自身も想像できなかった内面を引き出してくださるので、今の自分の足でその領域にもう一度踏み込み、これまでで一番鮮やかな景色を見てみたいと思いました。そして、これまで戦いとは無縁だった私が、格闘技という戦いの世界にどっぷりと浸かり、闘志に染まることができるのか──。私には不向きで困難な道だとわかっているからこそ、挑戦してみたくなりましたし、まだ見ぬ自分に出会ってみたくなりました。 ——演じられた多摩恵というキャラクターの魅力を教えてください。  心が渇いていて、口が悪くやさぐれている。夏希との出会いをきっかけに、彼女本来の優しさやピュアさ、素直さが少しずつ表に現れ、色がついていく姿がとても魅力だと感じました。理不尽に押し付けられる試練を、自分の手と意思でそれを跳ね除けようとする姿勢。「勝ちたい」と同時に「絶対に負けたくない」という強い気持ちを誰よりも握りしめている。それが多摩恵の根っこにある力なのだと思います。そしてその思いを胸に立つ多摩恵は、何にでも猪突猛進に立ち向かっていく逞しさがあり、演じている私自身も少しだけ強くなれたような気がしました。また、試合中に行き場のない怒りを全身に纏い、それをパワーに変えていく姿も、多摩恵らしさかなと思います。 ——内田監督の演出で印象に残っていることはありますか?  試合シーンで集中力が必要な時の本番前に、ふと横に来て、今の私に必要な言葉をそっとかけてくださるのが印象的でした。よく覚えているのは「野生的」という言葉。感情や見え方を具体的に提示するのではなく、役のその時のイメージを伝えてくださることで、立ち方や気持ちの軸が自然と定まっていくように感じました。けれどそのイメージをどう掴むかは自分次第という、絶妙なバランスで導いてくださるのが印象的でした。まるでその場で作曲しているかのように、現場で生まれたものを繊細に拾い上げ、音色を重ねていくような演出には、特別なLIVE感があります。「今この瞬間」を丁寧に捉え、生きた姿を映し出してくださる日々は、本当に幸せな時間でした。 ——本作を楽しみにしている方、ご覧になる方へのメッセージ  必死にこの世界を生き抜こうとする一人の母の姿。北川さん演じる夏希と対峙したとき、彼女には「何があっても子どもたちを守る」という決死の覚悟が宿っていました。その目を見た撮影帰り、わたしはどこまで本気でがむしゃらに生きられているのだろうかとふと立ち止まったことがありました。多摩恵もそんな夏希だからこそ、一緒に歩んでいくことを決意したんだと思います。決して正しいとは言えない方法で、それでも懸命に生きる姿を是非スクリーンで観ていただけたらうれしいです。 ■主演・永島夏希役:北川景子コメント  森田望智さんとご一緒するのは今回が初めてですが、お会いする前からとても楽しみでした。普段の森田さんはお話ししているとおおらかで柔らかくとても安心できる方です。一緒に時間を過ごすことが楽しく、とても素敵な方だと思いました。 きっと夏希も多摩恵といる時、このような安らぎを得られたのではないかと感じました。  また、今回多摩恵を演じるにあたって、森田さんが長期に渡り格闘技の訓練を受けたり、体づくりをしてきたことに感銘を受けました。こんなに穏やかな方が格闘技をやるのはとても辛かったと思います。アップした時、「もうやらなくて良いんだ」とおっしゃったのが心に残っています。  森田さんがご本人と正反対な役にもがきながらも体当たりで向き合う姿を側で見ていたからこそ、私も夏希役をやり抜くことができたと思います。森田さんが演じ始め多摩恵になった瞬間、森田さんからは強い引力が放たれ、目が離せなくなりました。夏希が多摩恵と、外れた道であったとしても強い気持ちで進んでいけたのは、多摩恵だったからにほかなりません。私も森田さんでなければ、できませんでした。ご一緒できて良かったです。 ■監督:内田英治のコメント  森田望智という名を初めて見たのは『全裸監督』の黒木香役オーディションでした。会場の後ろで他の人の演技に涙する姿と、真反対の自身のパワフルな演技の対比にしてやられ。黒木役は彼女しかいないと確信した。あれから長い時間が過ぎ、ようやくご一緒する機会に恵まれました。やさぐれた女性総合格闘家の役で、格闘技経験ゼロからの挑戦。初稽古で“猫パンチ”を見たときめまいがしました。しかし彼女は不屈の精神で役を自分のものにしたのです。北川景子さんとのシスターフッド感もたまらなく好きです。役者魂を目の当たりにしました。ぜひスクリーンで観てください。

もっと
Recommendations

『007』新作映画は「より良く、より強力で、かつ大胆に」と新脚本家 ─ 「とてもプレッシャーを感じる」

新作映画(タイトル未定)は、シリーズの過去作よりも「さらに…

ディズニー実写『モアナ』でAIドウェイン・ジョンソンを断念 ─ コンプライアンス代表「AIは変革をもたらすが、無法である必要はない」

実写映画版『モアナと伝説の海』で、マウイ役のために“AIドウェイン…

「ストレンジャー・シングス5」は前シーズンから規模5倍「撮影中は全員死ぬかと思った」

シリーズ「ストレンジャー・シングス」シーズン5は…

ティモシー・シャラメ『名もなき者』ジェームズ・マンゴールド監督と再タッグの可能性 ─ バイク強盗映画『ハイ・サイド』で

ボブ・ディランの伝記映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2024…

長尾謙杜の目に宿る“疑惑”と“恋心”——『恋に至る病』等身大な表情切り取る場面写真解禁

長尾謙杜(なにわ男子)と山田杏奈がダブル主演を務める映画『恋に…

なにわ男子・長尾謙杜、視線と沈黙で魅せる芝居に注目 映画『恋に至る病』場面カット公開

長尾演じる宮嶺望の等身大の表情が切り取られた場面写真3点が公開された

“今年4作の映画出演”なにわ男子・長尾謙杜、視線で伝える繊細演技「恋に至る病」恋心揺れ動く場面写真解禁

【モデルプレス=2025/08/06】なにわ男子の長尾謙杜と女優の山田杏奈…

山田裕貴、バカリズムからの“キモい”に大喜び 古田新太も絶賛「今回も本当に気持ち悪い」

俳優の山田裕貴(34)、古田新太(59)、お笑い芸人・バカリズム(4…

『星つなぎのエリオ』監督陣は日本のアニメが大好き 主人公エリオは『セーラームーン』を参考に

現在公開中のディズニー&ピクサー最新作『星つなぎのエリオ』は、…

『この世界の片隅に』原爆の日に思い「これからも、忘れないように」 のん「今年も黙祷いたしました」

「たしかに生きていた人たちのことを思います」とイラストを添えて投稿

loading...