【ワシントン＝向井ゆう子、北京＝東慶一郎】台湾の頼清徳（ライチンドォー）総統が８月に計画していた米国への立ち寄りについて、トランプ米政権が延期を求めていたことが分かった。 米台関係筋が明らかにした。 関係者によると、頼氏は８月に外交関係がある中南米諸国を歴訪する際、ニューヨークなどへの立ち寄りを米政府に要請していた。しかし、米国務省は中国との関税協議が続いていることなどを理由に時期の再考を台湾当局に促した。今秋には米中首脳会談が行われる可能性があり、米台双方はこうした政治情勢をにらみながら米国に立ち寄る時期を調整する方針だ。 英紙フィナンシャル・タイムズは、トランプ政権が立ち寄りを拒否したと報じていた。これに対し、国務省の報道担当者は読売新聞の取材に「総統を含む台湾高官の米国通過は長年の政策や慣行と完全に一致している」と述べ、政策変更はないと強調した。台湾総統府の報道官は２８日、頼氏には「現在、海外訪問の計画はない」とする声明を出した。 一方、中国外務省の郭嘉昆（グオジアクン）副報道局長は２９日の記者会見で、「関連報道を注視している」とした上で「中国は米台間のいかなる形式の公式往来にも断固反対する」と主張した。
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