イチロー氏が述べた野茂氏への“思い” 　メジャー通算3089安打を放ち、アジア出身選手として初の米野球殿堂入りを果たしたイチロー氏（マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター）が27日（日本時間28日）、ニューヨーク州クーパーズタウンでの表彰式典に出席し、英語でスピーチを行った。その中で1度だけ発した日本語に「泣ける」「素敵すぎるよ」「この瞬間が見れて幸せです」と感動の声が集まっている。 　19分間に及ぶスピーチのなかで唯一の日本語は、野茂英雄氏への感謝の言葉だった。イチロー氏は「野茂さん、ありがとうございました」とはっきりと日本語で口にすると、会場からは大きな拍手が沸き起こった。野茂氏は1995年に海を渡りドジャースで大活躍した、日本人メジャーリーガーのパイオニア的な存在だ。 　イチロー氏は「野茂さんのおかげで、日本では常にMLBの話題が報道されるようになり、試合もテレビで放送されました。野茂さんの勇気のおかげで、私は“自分の想像すらしたことのない場所に挑戦する”という考えを持てるようになったのです」と英語で述べ、続けて日本語で感謝を伝えていた。 　スピーチ後の会見で、イチロー氏は野茂氏について「野茂さんがプレーしてくれていなかったら、MLBとの距離は永遠に縮まらなかったと思うんですよね。自分が悩んで葛藤があったときに、野茂さんの活躍が目に入ってきてすごく感動したんです。それまでのMLBとの距離は全く、野茂さんのおかげで劇的にそれ（MLBとの距離）が変わった。それがモチベーションにつながったということですね」と話した。 　MLB公式X（旧ツイッター）もこれに反応。「イチローは、MLBへの道を切り開いてくれたヒデオ・ノモに感謝している」とつづってその様子を投稿すると、SNS上のファンからは「名前出したことに感動した」「野茂さんのところやばいなあ」「本当に泣きました」など、イチロー氏の野茂氏への思いに感動の声が続出した。（Full-Count編集部）