【ネタバレ解説】『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』結末とおまけシーン ─ MCU最終局面にどう繋がる?

マーベル・・シネマティック・ユニバース(MCU)にとって「フェーズ6」の“第一歩”となる『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』がいよいよ日米同時公開となった。 これまでとは別ユニバースを舞台に、マーベル・ユニバース最初のヒーローチームことファンタスティック・フォーを描く予習不要の一作。この作品の後には『/ドゥームズデイ』が控えており、さらにその続編『アベンジャーズ/シークレット・ウォーズ』で現行ユニバースは“リセット”される。 マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長は、ファンタスティック・フォーのメンバーはリセット後の新世界にしており、今の所本作で始まるストーリーラインは継続となる可能性が高い。つまり本作は、今後の新ユニバースの礎となりうる一作なのだ。 作中では、今後のMCUに重要すぎる影響を及ぼすような伏線も登場。本記事では、映画の終盤からおまけシーンにかけてを復習し、今後の展開を考察してみよう。 この記事には、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の重大なネタバレが含まれています。 この記事には、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の重大なネタバレが含まれています。 (c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL. 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』ラストシーン解説 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の舞台はアース828。リードとスーは2年間にわたって子を望み、諦めていたところに奇跡的に初子を授かる。宇宙放射線を浴びてスーパーパワーの備わった2人の子とあって影響が懸念されたが、リードが注意深く検査したところ「普通の子」であるとわかる。 しかし、ギャラクタスによればこの赤ん坊はコズミック・パワーを持つ「呪われた子」。巨大な存在であるギャラクタスは異世界の出身で、飽くなき飢えに駆られて惑星の捕食を繰り返しており、次の標的として地球が選ばれる。彼らの赤子はその飢えを吸収できるほど強力な存在で、ギャラクタスはようやく休息できると考えた。このコズミック・ビーイングは、赤子を差し出せば地球は見逃すと告げる。 © 2025 20th Century Studios / © and 2025 MARVEL. 別の惑星でギャラクタスとの交渉を決裂させると、ファンタスティック・フォーは宇宙船エクセルシオールで危険な脱出を試みる。その船内でスーはシルバーサーファーに追われながらも子を出産し、フランクリンと名付ける。地球に帰還後、それまでスーパーセレブだった一同は、ギャラクタスと合意に至らなかったことについて世間から激しいバッシングを受けることに。スーは、「世界のために子を犠牲にしない、子のために世界を犠牲にしない」と宣言し、人々からの理解を取り戻す。 一方、ギャラクタスは着々と地球に接近していた。リードは試作中のテレポート装置を使って地球ごと宇宙の果てに移動し、ギャラクタス到来まで数百万年の猶予を得る作戦を発案。全世界の協力を経てついに決行となるが、シルバーサーファーの妨害によって失敗に終わってしまう。 続いてファンタスティック・フォーは、地球を動かすのではなく、おびき寄せたギャラクタスを宇宙の果てに転送するという新たな奇策に思い至る。フランクリンを“おとり”に使うという大きなリスクをおかしながら、ついにギャラクタスをニューヨークに到着させた。周辺の人民は、スーの伝手によってモールマンことハーヴェイ・エルダーの統治する地下帝国サブタレイニアに避難する。 (c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL. 対ギャラクタスの決死作戦は、事前にジョニー・ストームとのやり取りによって善と使命を取り戻したシルバーサーファーの思わぬ介入もあって成功する。スーが死力を尽くしてサイコキネシスでギャラクタスの巨体をワームホールに押し込んだのだ。ここでスーは我が子を守るため、出産時すら上回る苦痛を伴う力を出し切り、絶命する。このようにして本作は、“母の強さ”を通じて家族の絆を全面に押し出す。 愛する家族を失ったリード、ベン・グリム、ジョニーは悲しみに暮れるが、赤ん坊のフランクリンがスーの胸の上に落ち着くと、母親の瞳に宇宙の光が宿って息を吹き返す。 ファンタスティック・フォーは再び世界の救世主となり、テッド・ギルバード司会のテレビ番組出演に挑む。しかし出番の直前になって、4人の腕時計型通信機に非常事態のアラートが。早速出動しようとしたところ、リード、ベン、ジョニーの3人はファンタスティカーへのチャイルドシートの取り付けに手こずってしまうのだった。たくましい戦いぶりで世界を救ったファミリーの男3人が、揃いも揃って単純作業に手こずる様子を、母スーは我が子を抱いて愉快そうに見つめる。 この記事には、『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』の重大なネタバレが含まれています。 (c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL. 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』おまけシーン解説 エンドロール中のおまけシーン(ミッド・クレジット・シーン)では、本編から4年後が描かれる。スー・ストームは、4歳になった息子フランクリン・リチャーズにバクスター・タワーで本の読み聞かせをして過ごしていた。次の本を取りに行き戻ってくると、スーは不審な気配を感じる。息子フランクリンに、何者かが迫っていたのだ。その人物とは、緑のローブを羽織り、鉄の仮面を手にした男……そう、ドクター・ドゥームである。 マーベル・スタジオ作品はこの後、ソニー・ピクチャーズと共同の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』(2026年夏)を挟んで、いよいよ現行シリーズ最終局面『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』(2026年12月18日)へと突入する。『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』では、ロバート・ダウニー・Jr.が演じる新たるラスボス、ドクター・ドゥームが先行登場を果たした。 (C) 2025 MARVEL. もっとも、該当のシーンではドゥームの素顔は確認できず。『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』の撮影は4月より開始されているので、あのドゥームはダウニー・Jr.実演によるものだった可能性も。ほんの一瞬のみの登場だったが、コスチュームやマスクのデザインは概ね原作コミック通りとなりそうだ。 ちなみに同シーンで使用されていた楽曲タイトルは『Doom?』で、作曲はアラン・シルヴェストリだ。あの偉大なるアベンジャーズのテーマ曲を生み出した映画音楽の巨匠であり、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)に続いて『ドゥームズデイ』にも就任。本編で堂々と鳴り響くであろうドクター・ドゥームのテーマ曲が、ここで一足お先に一部お披露目となった。 お気づきの通り、ドクター・ドゥーム登場の伏線は本編にもあった。映画の序盤でスー・ストームが登壇したフューチャー・ファウンデーション設立首脳会談で、ドクター・ドゥームが君主を務める国家ラトヴェリアが空席になっていた場面だ。ギャラクタスが異世界の出身と名乗った一方、ドゥームは同一世界にもともと存在していた線が濃厚か。その場合、ファンタスティック・フォーはこれまでドゥームと接点を持っていたのだろうか。尊大で自意識過剰なドゥームは、世界中で崇められるファンタスティック・フォーの存在をどう見ていたのだろうか。 © 2025 20th Century Studios / © and 2025 MARVEL. ところで、もしも該当のシーンがドゥームとフランクリンと初接触だったのなら、なぜドゥームはギャラクタスが襲来してから4年も経過してようやくフランクリンを捕えにやってきたのか。ドゥームが首脳会議へ欠席していたことも踏まえると、もしかするとドゥームは複数年の間、何らかの事情によってあの世界を離れていたのかもしれない。もしくは、別のユニバースから時空を超えて現れたか……? フランクリン・リチャーズ登場でMCUどうなる まだ赤子にして、母親を死の淵から甦らせるほどの力を秘めたフランクリンは、原作コミックでもドゥームと関わりを持つ。フランクリンは現実を改変・創造でき、神に近い能力を有する存在だ。ドクター・ドゥーム目線では、彼の支配欲をもってしても制御できない脅威となる。 『サンダーボルツ*』のポスト・クレジット・シーンで示唆されたように、今後ファンタスティック・フォーはMCUの神聖時間軸(アース616)に合流を果たすことになる。『サンダーボルツ*』ではファンタスティック・フォーの宇宙船が深宇宙から緊急飛来していたが、もしかするとドクター・ドゥームからフランクリンを守るためにマルチバースを超えて逃げてきたのかもしれない。 つまり、「インフィニティ・サーガ」ではインフィニティ・ストーンをめぐる攻防戦が描かれたが、今回の「マルチバース・サーガ」クライマックスではフランクリンをドゥームから守るための戦いが展開されるかもしれないのだ。 ジャック・カービーへの敬意とポスト・クレジット・シーン by Susan Skaar https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Jack-Kirby_art-of-jack-kirby_wyman-skaar.jpg 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』エンドロールでは、ファンタスティック・フォーの生みの親であるジャック・カービーへの敬意が捧げられている。"If you look at my characters, you will find me. No matter what kind of character you create or assume, a little of yourself must remain there.(私のキャラクターを見れば、そこに私がいる。たとえどんなキャラクターであっても、そこには必ず自分自身の何かが残っている)"という言葉の引用だ。エンドロール後のポストクレジットシーンでは、往年のスタイルを再現したファンタスティック・フォーのレトロなアニメーションが登場。最後にハービーがブラウン管テレビの電源を落とす形で、映画は終了となる。 (c) 2025 20th Century Studios / (C) and TM 2025 MARVEL. 『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』は大ヒット公開中。ファンタスティック・フォーは、2026年12月18日日米同時公開の『アベンジャーズ/ドゥームズデイ』で帰ってくる──

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