立憲民主党は２５日、ガソリン税の暫定税率廃止法案を、８月１日召集予定の臨時国会に再提出する方針を自民党に伝えた。 　流通・販売現場での混乱が懸念されていることを踏まえ、立民は、与野党による協議を経た上で秋の臨時国会での成立を目指し、調整を進めたい考えだ。 　立民の笠浩史国会対策委員長が２５日、自民の坂本哲志国対委員長との会談で、「（野党間で）８月の臨時国会に提出する方針を確認し、準備を進めている」と伝えた。両氏は、廃止法案を巡る与野党協議の場を設置することでも大筋合意した。笠氏は会談後、記者団に「秋の臨時国会で成立させることで合意できるのか、来週改めて協議する」と語った。 　これに先立ち、立民、日本維新の会、国民民主、参政、共産、れいわ新選組、日本保守、社民の野党８党の政策責任者らは国会内で法案の内容について協議した。地方自治体の財源となっている軽油引取税は廃止の対象から外すことを確認したものの、ガソリン税の暫定税率を廃止する時期は決まらず、２９日に改めて話し合うことになった。 　廃止時期を巡っては、立民の野田代表は参院選で１０月１日からの廃止に言及していた。ただ、暫定税率を上乗せした価格で調達済みのガソリンスタンドでは廃止後に低い税率で在庫を販売することになり損失の補填（ほてん）が必要になる見通しだ。税収は年間約１兆円程度減るとみられ、野党は恒久的な代替財源も示せていない。 　衆参両院で自民、公明両党の与党が過半数割れしているとはいえ、参院での採決はギリギリの攻防が見込まれる。自民内では「野党が急に抱きついてきた」（ベテラン）との声も漏れる。これに関連し、石破首相は２５日、長野県軽井沢町での講演で、ガソリン税の暫定税率廃止について「早急に各党の意見を聞き、結論を出したい」と述べた。