石破首相が続投の考えを示す中、辞任は避けられない状況です。焦点は、いつ退陣するかに移っています。最新情報を日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者に聞きます。 ——3つの疑問を政治部官邸キャップの平本さんに聞きます。(1)辞任の時期は?3つのシナリオ、(2)首相経験者との会談…裏側情報、(3)ポスト石破「新たな争点」浮上、です。1つ目の辞任の時期はいつ頃になるとみられているのでしょうか? 石破首相の辞任は避けられない状況の中、焦点はいつまで続けることができるか?になります。今月、来月のカレンダーをみながら最新の状況を整理します。 取材をしていると3つのタイミングが浮かび上がってきます。 シナリオ(1)の最短パターンは、自民党内の、石破さんに早く辞めてほしいという勢力が描くものです。 来週28日に、大敗した参院選の総括を行う両院議員懇談会が開かれます。ある自民党幹部の1人は「この場で辞任表明をするのが一番よい」と話しています。 別の自民党中堅議員は「本来はきのう関税が合意した時点で辞任を表明すべきだった。きのうの機会を失った今、ラストチャンスは来週月曜だ」と述べています。 また、ある政権幹部の1人は「8月1日からの臨時国会が終われば辞めるというのでは」と話しています。国会は5日までの見通しで、この日に辞任表明する可能性を指摘しています。 ——石破首相はどういったスケジュールを描いているのでしょうか? それがシナリオ(2)です。石破首相自身はどうももう少しあとに辞任をすると考えているとみられます。 石破首相は周辺に「8月は6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日、そして戦後80年の終戦の日と大事な日程が続く」と話していたそうです。 こうした国内日程に加え、8月20日から22日には横浜でアフリカ開発会議があります。石破首相は周辺に「大事な外交日程も控えている」と話しています。 石破首相がいう「政治空白」を生まないというのは、このアフリカ開発会議くらいまでを自分の手でしっかり行うということと首相の周辺はみています。 そして、最も遅いのがシナリオ(3)です。ある自民党の中堅議員は「党が8月中にまとめる予定の参院選の総括がまとまったあとに辞任するのでは」との見通しを示しています。 ——では2つめの疑問。首相経験者との異例会談。これは石破首相と麻生さん、菅さん、岸田さんの3首相経験者との会合ですよね。ここでの裏側情報とは? 会談の終了後石破首相が放った一言がありました。「出処進退の話はありませんでした」という言葉です。 ——それを聞いたときに、それって本当かなというのが内心あったんですけども… 23日の「news every.」の放送には取材が間に合わなかったのですが、23日夜、参加者の1人から裏側情報が聞けたので、お伝えします。結論からいうと進退の話は「あった」そうです。 この人の言葉を借りると、「出処進退」という言葉はなかったが、中身は出処進退に関するやりとりもあった、と。具体的には首相経験者の1人が「地方の声、党内の声は厳しい。しっかり受け止めて判断してほしい」と伝えたそうです。 ——それって早く辞めた方がいいという意味の発言ですよね… 出席者の1人は「続投を容認する雰囲気ではなかった」「一国の総理大臣だから尊重して直接的な言葉ではいわなかっただけだ」と話していました。 この出席者に石破首相は「辞任すべきと、いわれたと受け止めていたのか?」と聞きました。 すると、この人は「そう思うが、会談後のインタビューを聞くと、どこまで理解できていたのかと思ってしまう」と話していました。 ——政治空白を生まないために、辞任するタイミングを首相の中で探っている状況ということなんでしょうか? そもそも石破首相は、関税協議が合意できれば、その時点で出処進退について判断するといっていたので、時期がいつかふさわしいか考えていた状況が続いていたと思います。その上で、周囲から辞めるべきという声があって、辞めざるを得ない状況でいつがふさわしいかというのを探っている状況だと思います。 ——ポスト石破レースで新たな争点が浮上ということですが、これは何でしょうか? 現時点では4人の候補が有力視されていますが24日、このうちの1つの陣営幹部と話しました。「今は、まだ動きづらい」「前回の総裁選の政策のアップデートをしている」と話していました。 今回、総裁選がもし行われれば、去年と比較して新たな争点として浮上しそうなものが2つあります。 1つ目が「消費税減税」です。 自民党は参院選では給付を打ち出し消費減税を打ち出しませんでした。ただ、野党はこぞって消費減税を打ち出し、選挙戦は野党が勝ちました。 さきほど話したある陣営の幹部は「野党の意見を取り込み、消費減税に舵をきるかが悩ましい」と話していました。 2つ目が「野党連携のスタンス」です。 自民党は衆院、参院で過半数割れをしているため、次の総裁はどう野党の協力を得るかのビジョンが求められます。立憲、国民民主、維新もしくは参政党、どこの協力を得ていく狙いかというスタンスも総裁選での大事な争点になりそうです。