参議院選挙での大敗を受け、“石破おろし”の動きが加速しています。自民党内では、両院議員総会で石破総裁の辞任を決めるべきだという声が上がっています。そこで今注目されているのが、総裁をクビにする規定。初となるリコールは成立するのでしょうか? ■両院議員総会への格上げ求める動き 藤井貴彦キャスター 「現状はどうなのでしょうか?」 小栗泉・日本テレビ報道局特別解説委員 「今後10日間が、石破総裁の進退を占うカギとなりそうです。8月1日ですが、参院選の後に議長を選出するための臨時国会が予定されています。ただ、石破首相(自民党総裁)が続投となると、野党が内閣不信任案を出してくるかもしれません」 「それよりも前の7月28日に、自民党は参院選を総括するための両院議員『懇談会』を開く予定ですが、これを両院議員『総会』に格上げしようという動きがあります」 藤井キャスター 「格上げすると、何か変わるのですか?」 小栗委員 「懇談会はいわゆるミーティングのようなもので、決定権がある場ではありません。一方で総会には決定権があります。そのため、自民党内の一部からは総会に格上げすることで、石破総裁の辞任を決めてしまうべきだという声が上がっています」 ■複数の自民党県連で「辞任」求める声 小栗委員 「そこで注目されているのが、自民党のルールを定めた党則にある、いわゆる“リコール規定”。これは国会議員と都道府県連の代表者の過半数、現状で計算すると約180人の署名が集まれば、任期満了前であっても総裁選を行うことができるというものです」 「つまり事実上、今の総裁を一度クビにして、もう一回選び直そうという規定です」 「実際、既に高知・茨城・栃木の県連が相次いで石破総裁の退陣を求めることを決めている他、23日には新たに神奈川県連が辞任を求める声を上げました。また、参院選で自民党の候補が落選した県を中心に、署名に向けて準備する動きが見られます」 ■続投表明で…「まさかまさかだ」 板垣李光人さん(俳優・『news zero』水曜パートナー) 「着々と動きが出ているなと感じますが、今までにそういったことはあったのでしょうか?」 小栗委員 「これまで約70年の自民党の歴史の中で、リコールが行われたことは一度もありません。ただ、今回ばかりはないとは言い切れない状況です」 「自民党内からは23日の石破首相の続投表明に、『まさかまさかだ。どんなメンタルなんだ』『空気が読めていない』『これからリコール規定めぐり荒れますね』などの声が聞かれました」 ■表立った“石破おろし”に慎重な声も 小栗委員 「閣僚経験者の1人は『リコールの署名集めが始まったら、自分の県連は賛成に1票入れることになると思う』と話していました」 「一方で、別の現職閣僚からは『今、リコール規定とか表で石破おろしの動きが見えるのは、党にとってどうなんだと思う』と慎重な声もありました」 藤井キャスター 「今、多くの人が首相の座から降りるべきだと考えているようですが、石破首相自身もそう考えているかもしれません」 「参議院選挙の最中にお話を聞く機会がありましたが、権力の座にしがみつくようにも感じませんでしたし、自分が居座ることで生まれる政治空白について、私たちが思っている以上に敏感だと思います」 「石破首相の考える危機を防ぐことにめどが立てば、判断は早い時期にやってくるのではないでしょうか」 「一方で、政権与党の自民党に亀裂が生まれていることは否めません。進めるべき政治に停滞が生まれ、国民が不利益を被ることだけはないようにしてもらいたいと思います」 (2025年7月23日『news zero』より)