自民党内にいわゆる“石破おろし”の動きが広がる中、石破首相が23日に自民党の3人の首相経験者と面会する方向で調整していることが分かりました。 国民民主党・玉木代表 「まるでこの選挙結果がなかったような振る舞い」 参政党・神谷代表 「石破さんはこれがやりたいんだということが明確であれば違ったと思う」 躍進を遂げた野党から厳しい声があがった石破首相。硬い表情で首相官邸に入り、参院選後初の閣議に臨みました。 そして22日夜、石破首相が23日、自民党の麻生最高顧問、菅副総裁、岸田前首相の3人の歴代首相経験者と会談する方向で調整をしていることが関係者への取材で明らかに。 参院選が与党の大敗となった中での、続投表明をめぐって波紋が広がっています。 身内であるこの人も—— 小泉農水相 「目標としていた50(議席)、過半数を達成しなければいけないという、その目標を達成できなかったこと、このことを重く受け止めるべきだと思います」 22日、「ポスト石破」として名前のあがる小泉農水相は石破首相の進退についても言及。 小泉農水相 「政治家の責任の取り方というのは、その政治家一人ひとりが向き合うべき重い判断だと思います。総理として今回続投をするという判断をされた中で、それをご理解いただけるか、国民の皆さん、そして党内、こういったものを重く受け止めて、よくご理解いただけるようにしっかり説明を続けていただきたい」 さらに強い反発を見せているのが自民党の地方組織です。 山口県連は—— 自民党山口県連・友田有幹事長 「いかにも比較第一党として自分が信任を受けたような話をされていましたので、詭弁を弄してるんじゃないかなと思いました。石破茂総裁自体が国民から信を得られなかった。しっかりとした責任を取るべきだと思います」 青森県連からも—— 自民党青森県連・津島淳会長 「当然に石破総理は責任を取って自らの身を処すことを明らかにすべし」 地方から“石破おろし”の動きが広がっています。一方で、多くの現役閣僚からは石破首相を擁護する声も。 村上総務相 「私は石破さんだからここまでやってこられたと。私はできる限り一生懸命支えていきたい」 村上総務相は涙交じりに石破首相への思いを話しました。 ほかにも—— 林官房長官 「引き続き石破総理をお支えして参りたい」 中谷防衛相 「石破内閣の一員として職にある以上ですね、引き続き職務を全うして石破内閣を支えていく」 “批判”と“擁護”。党内からも対照的な声があがり揺れる政局。心配されるのが景気への影響です。 22日午前、都内の証券会社。 証券会社担当者 「そんなに大きな影響というのは今のところ出ていないですね」 証券会社担当者 「過半数割れというのはあらかた予想されていたので」 東京株式市場は参院選を受けて初めての取引となりましたが、22日午前中、日経平均株価が一時4万円を上回る場面も。市場では与党の過半数割れはすでに織り込み済みで、安堵感から株が買い戻された形です。 しかし—— 証券会社担当者 「こういう環境なので政局どうなってくるか、不透明は不透明だと思いますから、きょうはよくてもあした以降というところで…」 午後には一転。政権運営の不透明感などから株を売る動きが活発化し、終値は4万円台を割り込みました。 市場関係者は今後の見通しについて、“石破おろし”が表面化した場合、政局混迷の懸念など、円が売られやすい材料が多いため、円安方向に進むとの見方を示しています。 ◇ そして、『news zero』が街中で出会ったカプセルトイを回す女性。 美容師(21) 「かわいい」「美容室で働いているんですけど、美容室も材料費が上がって、値段上げちゃったりとか」 感じているというのが、「物価高」です。 大学生の2人も。 大学1年生(19) 「お菓子とかコンビニで買おうとしても全部高いし、やめちゃいます、買うの。学生だとお金ないから」 そのため、今回の選挙では—— 大学1年生(19) 「消費税なくしてくれたりするのありがたいので、そういう考えのところに入れました。どうせできないんじゃないかなって気持ちなので、あまり期待してない。(消費税)なくすというか安くしてほしい。戻してほしい」 20歳の誕生日のお祝い中だという2人は—— 4日後に20歳の誕生日の大学生(19) 「(Q.高いからやめておこうとか諦めてることある?)全部だね。日々の食費もそうだし。飛行機も料金別で見て安いところわざわざ選んだりしているので、気にせず気楽に旅行できたら楽しいなと」 暮らしを蝕む、物価高。仕事終わりの時間帯、居酒屋で聞かれたのは—— 大学4年生(22) 「1回4000円とかいっちゃうと、飲むのやめようとか」 大学4年生(22) 「なっちゃうよね。一杯でやめようとかなっちゃう。飲み放題頼んでご飯はちょっとだけ頼むみたいな」 大学4年生(22) 「工夫しないと追いつかない、お金が」 大学4年生(22) 「お金が本当に」 やはり、「物価が高い」の声。 会社員(50代) 「家でご飯作る係で、バターなくなったから買いにいった。4〜5割上がってる。これやっぱりね…。やっぱり手取り(アップ)ですよね」 店長も—— 居酒屋店長 「もういま安い物はない。店の料理は上げられない。いまそれが居酒屋の現状です。(選挙の結果に)期待して、よくなってほしい」 お好み焼き店の店主は諦めていました。 お好み焼き店店主 「全体的に高くて、前みたいに下がらないので、これに慣れていくしかないのかなって。ここ最近で言ったら卵ですね。卵がいまスーパーでも1パック300円くらいするので。これいま大葉使ってるけどめちゃくちゃ高くなってます。めちゃくちゃ高いです」 2年前に一度値上げをして以来、ここまでこらえてきたという店主。ソースも8月から仕入れ値が上がるといいます。 お好み焼き店店主 「本当に頑張っているところですね。正直厳しいですよね。先が見えないところ。どこにどう声を上げるべきなのかというのもできないですね」 急務である、物価高対策。私たちは“普通の暮らし”を取り戻すことができるのでしょうか。 (7月22日放送『news zero』より)