夏の高校野球群馬県大会は２２日、県立敷島公園野球場で準々決勝２試合が行われた。 春の選抜大会４強の健大高崎は利根商を六回コールドで下した。ノーシードの高崎は春の県大会準優勝の桐生第一を破り、２００４年大会以来、２１年ぶりの４強進出を決めた。残りの準々決勝２試合は２３日、同球場で行われる。 高崎６—２桐生第一 高崎は四回、関島（３年）の走者一掃の適時二塁打などで４点を先制。その後も２点を加えて、逃げ切った。桐生第一は六回と七回に１点を返したが、エース斎川（同）の投入が遅かった。 攻守でチーム引っ張る 県内有数の進学校の高崎が、延長タイブレイクの末に劇的な勝利を飾った３回戦の勢いそのままにシードの桐生第一を破った。ヒーローは、攻守でチームを引っ張った関島侑（たすく）選手（３年）だった。 関島選手は両者無得点の四回、安打と四球で迎えた一死満塁の好機に打席に立ち、「ここで打たなければ示しがつかない」と気合十分だった。今大会は、主に６番に座りこの日までは１１打数３安打。打点はゼロだったが、「チャンスには強い」と自信があった。 初球を見送り、２球目はボール。３球目の直球をコンパクトに振り抜いた打球は右中間に飛ぶ走者一掃の適時二塁打に。相手投手を降板させ、この回さらに１点を追加するビッグイニングの立役者となった。 関島選手は捕手としても勝利に貢献した。分析班が出した相手打線の苦手コースなどのデータを頭にたたき込み、エースの黒田湊（みなと）投手（３年）を好リード。試合後、「黒田は絶好調だった。甘い球がなかった」と１２２球を投げ、９回２失点と好投したエースをたたえた。 チームは２１年ぶりの４強進出で次戦もシード校と対戦する。 飯野道彦監督は「相手校の特徴を見てしっかり対策を取る。野球も勉強も人としての思いやりも１番を目指す」と強調した。
