【ワシントン＝淵上隆悠】米国立公文書記録管理局（ＮＡＲＡ）は２１日、１９６８年のマーチン・ルーサー・キング牧師暗殺事件に関する機密文書約２３万ページを公開した。 米連邦捜査局（ＦＢＩ）が死に関与していたとの陰謀説が根強く残り、トランプ大統領が公開を指示していた。 ＦＢＩは事件当時、公民権運動を主導していたキング牧師を危険視し、盗聴などの違法な手段も使って監視を強めていた。公開された機密文書にはキング牧師の名誉を傷つけるような内容が含まれている可能性もあり、キング牧師の息子らは２１日の声明で、「父のレガシー（遺産）と公民権運動の重要な成果を毀損（きそん）するために記録を悪用する行為は非難する」と訴えた。 キング牧師は６８年４月４日、テネシー州メンフィスのモーテルで凶弾に倒れた。逃亡先の英ロンドンで逮捕された白人の男は罪を認めて９９年の禁錮刑が確定したが、その後供述を覆して無実を訴えた。男は再審請求を繰り返したが、９８年に獄中で病死した。
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