高齢男性にウソの電話をかけ現金をだまし取ったとして暴力団員の男が逮捕された事件で、男が別の特殊詐欺事件でも現金や金塊をだまし取ったとして、再逮捕されました。男は特殊詐欺グループの受け子のリクルーターとして、少年（当時19歳）を脅して受け子をさせていたとみられています。 詐欺の疑いで再逮捕されたのは指定暴力団・住吉会幸平一家の傘下組織「義勇会」の組員・別府将光容疑者（24）です。 捜査関係者によりますと、別府容疑者は2022年、仲間と共謀して親族などを装って「印鑑が入ったカバンをなくしてしまった」「お金を下ろしにいけないのでお金を貸してくれないか」「金のインゴットがあるなら貸してくれないか」などと、東京・港区に住む女性（当時84歳）にウソの電話をかけ、現金60万円と金塊4キログラムをだまし取った疑いが持たれています。 また「義勇会」の組員で、現金や金塊の回収役として森川将太郎容疑者（24）も詐欺の疑いで逮捕されました。 事件を巡っては、女性から直接現金や金塊を受け取る受け子の少年（当時19歳）が既に逮捕されていて、少年は別府容疑者に脅され、受け子をやらされていたとみられています。 ■高リスク“受け子”強要「俺がヤクザなの知ってるだろ？」 警視庁によりますと、特殊詐欺事件の受け子は、被害者から直接現金などを受け取るため検挙されるリスクが最も高く、特殊詐欺グループが事情を知らない少年らを“捕まり役”として利用することが多いということです。 別府容疑者は特殊詐欺グループで“受け子”をリクルートする役割で、少年に対して「お前が報酬無しで受け子をやれ」「俺がヤクザなの知ってるだろ？」などと脅して受け子をやらせていたとみられています。 警視庁は別府容疑者が、こうした受け子の強要を繰り返していたとみて詳しく調べるとともに、他にも複数の特殊詐欺事件に関与したとみて捜査しています。
