「駐車券なし」「ゲートなし」の駐車場が増加中! でも「料金踏み倒し」「払い忘れ」は起きない? 「悪質利用者」どうしてる? メリット多い「革新的な駐車場」の驚くべき実態とは

最近増えた「ナンバー読み取り式駐車場」 メリットは?  コインパーキングや施設の駐車場などでは、かつてはゲートで駐車券を受け取ったり、フラップが上昇したりするものが一般的でしたが、近年はそうしたゲートやフラップなどを廃した「ナンバー読み取り式」の駐車場が増えてきました。  どのような仕組みで運営されているのでしょうか。 ナンバー読み取り駐車場のイメージ[画像:PIXTA] 【画像】「えっ…」 これが「立体駐車場での事故事例」です 画像で見る(30枚以上)  ナンバー読み取り式駐車場は、出入口に設置されているカメラがナンバープレートを読み取ってデジタル管理をする仕組みになっています。  出庫時は精算機でナンバープレートの下4桁を入力して入庫記録を照会し、支払いする方式です。  では、ナンバー読み取り式の駐車場には、どういったメリットがあるのでしょうか。  まずは「ゲートやフラップという設備が不要」というものがあります。利用者、駐車場の管理者双方のメリットとなります。  ゲートで駐車券を受け取る方式の場合、利用者にとってはそもそも発券機というもの自体が面倒です。  発券機に目一杯クルマを寄せることは難しく、クルマをこすったり、ぶつけてしまう可能性があります。窓を開けなければならず、特にゲリラ雷雨や台風のときは、激しく濡れてしまいます。  もし左ハンドル車に乗っている場合で左側に発券機がない場合は、取りに行く必要があります。  なんとか駐車券を受け取れたとしても、紛失してしまったり、濡らしたり折ってしまい、駐車券自体がダメになってしまうこともあります。  さらに出庫時は、施設などで精算するクルマが集結し、出口渋滞になるときもあります。出庫するまでに料金が加算され、イライラは増えるばかりです。  フラップ式も同様です。フラップの機械に乗り上げたり、バンパーの下端をぶつけてしまうことがあります。ホイールを機械にこすってしまうこともしばしば起こります。段差が高く、スポーツカーなどの低いクルマは停められません。  そして、駐車場の管理者にとっても、こうしたゲートやフラップがあることで、事故のリスクを考えなければなりません。機械のメンテナンスも必要で、そもそも設置するのに大規模な工事が必要なので、導入コストもかかります。  ナンバー読み取り式はこうしたデメリットはすべて解消できます。  そして、「無断駐車を撲滅できる」というメリットもあります。  施設によっては駐車場を無料で提供しているところもありますが、店舗を利用しない人による無断駐車が横行しており、駐車場の回転率を下げ、施設の来場者数や売上にも影響するという見方があります。  設置が手軽なナンバー読み取り式にすれば、店舗を利用しない人には駐車料金を徴収することができ、駐車場代の売上につながるといいます。  さらに、「駐車場のセキュリティが確保できる」というのもあります。  とあるスーパーでは、エリア内の複数店舗で、ナンバー読み取り式駐車場のシステムに窃盗犯や広域窃盗団のクルマの情報を登録。  窃盗団のクルマが入庫すると通知され、自動車盗や車上荒らしに対しての警戒態勢をとる仕組みになっているといいます。  その結果、連続窃盗犯を捕まえた実績や、店内防犯カメラ映像から犯人のクルマの情報を警察に提供できたため、逮捕につながったこともあったようです。 「性善説」で大丈夫なのか? 「悪質利用者」にはどうする  利用者や駐車場の管理者だけでなく、地域の防犯にもつながるなど、メリットが多いナンバー読み取り式駐車場ですが、やはりデメリットもあります。  それが、「駐車料金の踏み倒し」や「精算忘れ」です。 ナンバー読み取り駐車場のイメージ[画像:PIXTA]  フラップ式やゲート式の駐車場は、料金を支払わければ物理的に塞がれているため、出庫することができません。  いっぽう、ナンバー読み取り式駐車場の多くは、入口に読み取りカメラが設置しているのみ。やろうと思えば、金を払わずにいくらでも好き勝手出入りできてしまう状態にあります。  こうした点から、ある意味「みんなが決まりをまもってお金を払うだろう」という“性善説”において成り立っていると見ることもできます。  しかし実は、そういった「金を払わない悪質利用者」への対策も万全なのです。  ナンバー読み取り式駐車場では、システムにおいて支払い忘れの未払い駐車料金の共有が行われています。  システム上で、店舗にかかわらず未払いがデータベース化されており、精算機では未払いの当該駐車場でなくても、警告や請求を出すことが可能です。  何度も未払いを繰り返す悪質な利用者には、その情報がどんどん記録され、撮影したナンバープレートや車両の画像、駐車場の累積データなどを活用して、警察などに通報したり、証拠を押さえて事件として立件することも容易になります。  ちなみに、「払い忘れ」の場合でも、ほかの駐車場出庫時にまとめて精算できるほか、アプリなどで精算できる駐車場もあるため、サービス提供会社によると、99%の利用者から料金の回収ができるとしています。  いっぽう、利用者側からみたデメリットもあります。精算時にナンバープレートの下4桁を入力するため、「自車のナンバープレートを覚えていないといけない」点です。  例えば自分で所有するクルマや、希望ナンバーなどで好きな数字を選んでいるなら問題ありませんが、レンタカーや社用車、代車など自分のクルマではない場合などは、いちいちクルマまで行って確認する手間がかかります。  ただし、これについては先出の通り、アプリで精算できることや、停めたときにスマホなどでクルマの写真を撮っておくという方法で対処ができるため、大きなデメリットにはならないでしょう。 ※ ※ ※  ナンバー読み取り式駐車場は、IT技術やカメラ認識機能の発達により誕生した、新たな駐車場の形です。利用者だけでなく、駐車場の管理会社、さらには地域の安全にも寄与する画期的なものといえます。  スムーズな入庫や精算などは、渋滞やアイドリングの削減に繋がり、CO2削減のほか、駐車券を発行しないことで紙資源の節約にもつながります。  今後のさらなる浸透にも、期待がかかります。

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