【特集】1万票差…大接戦の参院選 勝敗の分かれ目は 激闘の17日間《新潟》 

新潟選挙区には各党の大物議員が次々と投入され、1人区の議席を激しく争いました。 立憲民主党の現職が議席を死守しましたが、自民党は最後まで粘りを見せ、参政党は20万票を超える得票で存在感を示しました。 17日間の激闘を振り返ります。 ◆ゼロからのスタート 互いに誓った勝利の夏。 自民党の新人、中村真衣さん。メダリストとしての知名度はあっても、候補者としてはゼロからのスタートでした。 <自民党・中村真衣さん> 「政治経験はございません。だからこそ新しい風を吹き込めるのではないか」 ◆議席死守が至上命題 対する現職、立憲民主党の打越さく良さんは議席死守が至上命題です。そのために続々と大物議員が県内入りしました。 立憲民主党は去年の衆院選で自民党に全勝。 勢いはありましたが、打越さん本人からは当初、弱音も <立憲・打越さく良さん> 「厳しいよ。 来年どうなってるかわからない」 相手は新人とはいえ、高い知名度があります。自民党の組織力も脅威でした。 7月5日。 <石破首相> 「足を棒にして声を枯らして歩きますが、皆さま方に力を貸していただいて助けていただくしかございません」 7月4日。 <高市早苗衆院議員> 「国力を強くするそのチームに、そのチームに中村真衣さんを加えてください!」 そしてオリンピアンの仲間たちも支援に駆けつけました。 <バルセロナ五輪 金メダリスト 岩崎恭子さん> 「真衣ちゃんは言ったことは必ず実行してくれます。それはずっと変わらずそうなので、これからもそうです」 ◆選挙情勢は「横一線」 報道各社が伝えた選挙情勢は、打越さんの「優勢」や中村さんとの「横一線」。 連日の舌戦にお互い、声も、体も。 陣営幹部も体調を気にかけます。 <自民党・中村真衣さん> 「私の声は枯れてしまいましたが、皆さまの声 そして新潟県民の声は枯らさないように、精一杯頑張らせてください!」 ◆台風の目「参政党」 一方で……「台風の目」とも言われた参政党の勢いは新潟でも。 <有権者> 「神谷さん!信じております!」 <神谷代表> 「信じる、じゃないよ、一緒に頑張るんだよ」 新潟選挙区で立候補したのは平井恵里子さん。 <参政党・平井恵里子さん> 「全部高い。野菜から何から何まで、私、値札が間違っているんじゃないかと思って」 物価高に怒る「普通のお母さん」といいますが、「本気で日本を変えたい」と手を挙げました。 参政党県連によると、県内の党員・サポーターは40代から60代が中心で1100人。参院選の公示後に約100人増えたということです。 <支援者> 「そこまでは政治なんて何も興味なかったんですけど、これだったらと思って」 「手を振ってくれる、反応してくれる方はすごく増えましたよね」 ◆「組織力で勝つ」 優勢とも言われた打越さんにも弱点が。 <菊田真紀子衆院議員> 「活動量がない、顔見たことがないとか、今回の選挙だって正直初めて見ました聞きましたっていう人が大半じゃないですか」 風向きを変えたのは県内すべての小選挙区にいる立憲民主党の衆院議員です。 <黒岩衆院議員> 「やっぱりね、うちの強みは5選挙区、すべて衆院議員支部長がいるのでフル稼働でやっている」「よく自民党の組織力っていうけれど今回は逆、我々が組織力で勝つ」 「自分の選挙並みに活動した」と自負する議員たち。 菊田議員は特に熱血指導です。 菊田議員) 「握手もさ、ふわっとするんじゃなくて、クッと、クッと力を念じて握手するんだよ」 打越さん) 「こうやって具体的なアドバイスを」 菊田議員) 「ふわーっとした握手なんて印象に残らない。クッと、お願いしますって」 最終日には見事、合格点を得ました。 <菊田真紀子衆院議員> 「打越さくらさん最初はなんか頼りなくて大丈夫かな、17日間持つかなって私心配したんですけど、たくましくなりましたよ!ただし次は自力でやれるように成長していただきたいと思いますけどね」 “盟友”も心強い存在となり…… <室井佑月さん> 「打越さく良の友人の室井佑月です。今回、大接戦みたいなんです。でも私、打越を絶対に勝たせたいんです」 <立憲・打越さく良さん> 「国会議員に皆さんに押し上げていただいたら、これこそがやりがいがあるんじゃないかと!」 そして投開票日、有権者が選んだのは立憲民主党の現職、打越さく良さんでした。 <立憲・打越さく良さん> 「衆議院選挙に続いて新潟から政治の風景を変えていきたい、その思いがこうした結果になったと思う」 ◆自民党は衆院選に続く敗北 1万票差で勝利を逃した自民党は衆院選に続く敗北。またしても「逆風」の選挙でした。 <自民・中村真衣さん> 「今回の結果も逆風なのかもしれないですけど、でも逆風の中でここまで戦えたのは自分の中でも素晴らしいことだったと思いますし」 <自民・斎藤洋明衆院議員> 「大型選挙で立て続けに負けて、 自民党が国民の信頼を今得られていない状況だということを重く受け止めなければいけないと思っています」 <自民 鷲尾英一郎 4区支部長> 「今回は党の逆風以外の何者でもなかった。中村個人で跳ね返したところはあったと思うんですけれども、 選挙期間中の不用意な発言とか、 都議選の結果を受けて参政党が非常に伸びたという全国的な傾向も新潟に影響を及ぼしたと思います」 この選挙期間中、自民党の鶴保庸介参院議員が「運のいいことに能登で地震があった」と発言。 鶴保議員は「失言」と認め、謝罪したうえで撤回しましたが、逆風をさらに強めることになりました。 ◆20万票の存在感 立憲民主党と自民党が激しく争う中、参政党は20万票以上を獲得し、存在感を見せました。 <参政党・平井恵里子さん> 「自民党に何か刺激を与えているようなことがもしかしたらあるかもしれませんが、同じことをずっと言ってきたのあまりそういうことは意識してはいないです」 激しく競り合った夏の政治決戦。 立憲民主党が議席を死守した一方で、国政選挙で連敗した新潟の自民党は体制の立て直しが急がれます。

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