新潟選挙区は立憲民主党の打越さんが制しました。勝敗を分けたポイントはどこにあったんでしょうか。 本間記者が解説します。 ◆キーワードは『衆議院議員5人衆』 ＜本間記者＞ 2つのキーワードで勝因と敗因をみていきます。まず立憲民主党・打越さんの勝因です。キーワードは『衆議院議員5人衆』です。 こちらは打越さんの第一声ですが、周りを固めるのは県内選出の5人の衆議院議員です。 （内田キャスター） 去年の衆院選で当選した顔ぶれが並びますね。 （本間記者） はい。去年の衆院選で全勝した勢いを参院選につなげ、選挙戦を優位に展開しました。 6年ぶりの選挙戦に臨んだ打越さんですが、選挙前はこれまでの活動量が乏しく「地域での顔が見えない」との課題が指摘されていました。 それを補ったのが5人の衆議院議員です。 それぞれの小選挙区を中心に打越さんと一緒に演説を重ねて選挙戦を全面サポートしました。 とくに新潟2区では菊田さんの演説を手本に打越さんが原発に反対する共産党の支持層へアピールするなど抜かりのない選挙戦を展開しました。 （日高キャスター） 新潟には党の顔である野田代表が最終日を含めて3回、県内入りしましたよね。 （本間記者） はい。新潟選挙区を「重点区」に位置付け、党を挙げて打越さんの支援に回りました。 ◆キーワードは『知名度＜逆風』 Q）一方で、自民党の新人・中村さんは1万票差とあと1歩でしたがどう見ていますか？ （本間記者） キーワードは『知名度＜逆風』です。オリンピックメダリストという知名度を武器とした中村さんでしたが自民党の政治とカネをめぐる問題への不信感など最後まで逆風が足かせとなりました。 元競泳選手でオリンピックメダリストの中村さんについて自民党の陣営は「これまで政治とは無縁だったからこそクリーンなイメージを持ってもらえる」と期待を寄せていました。 選挙戦では中村さん自身が「逆風が吹いている」と繰り返し言及。 そこに「新しい風を吹きこめる」と訴え、不信感からの払しょくを狙いましたが、あと1歩、及びませんでした。 石破総理が新潟に入り支持を訴えたほか、小泉進次郎農水大臣も応援に駆け付けましたが、演説会場には空席が目立ちました。 陣営からは「総理が来ても票につながらない」というぼやきも聞こえ、票固めに苦戦を強いられました。 ◆出口調査 ではここからは出口調査の結果を見ていきます。今回TeNYは読売新聞とNHKと合同で出口調査を行いました。 Q）「無党派層」は誰に投票？ （本間記者） こちらは特定の支持政党を持たない無党派層がどの候補に投票したかを表したものです。 青色の打越さんが5割弱の支持を集めた一方、参政党の平井さんと自民党の中村さんがそれぞれ3割弱と伯仲しました。 参政党の平井さんが自民党の中村さんを上回り、一定の支持を集めています。 ◆参政党の平井さんを支持したのは？ Q）どの政党支持層が投票したのか？ （本間記者） 平井さんに投票した人の内訳をみていきます。支持政党の無い無党派層が約3割を占めています。 そして、自民支持層が全体の1割、野党系支持層の割合も多く平井さんが幅広い層の受け皿になっていることがわかります。 さらに 特徴的なのが平井さんを支持した人の年代です。 20代、30代と若い層から支持を集めていることがわかります。全国的に台風の目として注目を集めた参政党ですが、ここ新潟でも存在感を示す結果となりました。 （本間記者） 参政党の支持者に取材すると「参政党を知って政治に関心を持つようになった」との声のほか「今まで仕方なく自民党に投票していた」といった声も聞かれ、これまでの自民党支持層の票を切り崩したことがうかがえます。 去年の衆院選に続き、参議院でも与党が過半数を割る結果となりました。 政権運営はさらに厳しさを増しそうです。