「超重点区」で公明敗北…「埼玉方式」で協力の自民「票を分ける余裕が、これまでほどにはない」

 参院選は20日に投開票が行われ、埼玉選挙区(改選定数4)では、自民党現職の古川俊治さん(62)が4選、立憲民主党現職の熊谷裕人さん(63)が再選をそれぞれ決めた。  いずれも新人で、国民民主党の江原久美子さん(54)と参政党の大津力さん(53)は初当選を果たした。過去最多に並ぶ15人が立候補。長引く物価高を巡る消費税減税などが主な争点となった。街頭での訴えに加え、SNSを積極的に活用した候補者も目立った。埼玉選挙区の投票率は56・90%で、2022年の前回選(50・25%)を6・65ポイント上回った。  3選を目指した矢倉さんだったが、与党への逆風や参政党の急伸などを受け、当選を逃した。期間中には石破首相が応援演説に駆けつけるなど自民のサポートを受けたが、票を伸ばすことはできなかった。さいたま市浦和区の事務所に現れた矢倉さんは、支援者に何度も深々と頭を下げた。  公明党は埼玉選挙区を「超重点区」に位置づけ、斉藤代表ら党幹部が次々と来県し、応援演説を行った。熱心な支持者が集まった街頭演説は盛り上がりを見せた。矢倉さんの顔写真をプリントした自作のうちわを振る姿も見られた。  矢倉さんは、国際弁護士として関税交渉などに携わった経験をアピール。中小企業の賃上げや、減税と給付の両立の実現などを公約に掲げた。  陣営では若い世代への浸透を狙い、インスタグラムやユーチューブなどのSNSを使った発信も強化した。演説の配信などを続けたが、支持拡大は限定的だった。  公明と自民は「埼玉方式」と呼ばれる協力態勢を取り、今回も矢倉さんは自民の推薦を受けた。県内各地で衆院議員らが応援のマイクを握り、地方議員らの案内で企業訪問をするなど、自民の幅広いサポートを受けた。ただ与党への風当たりは強く、自民陣営からは「票を分けられる余裕が、これまでほどにはない」との声が漏れていた。

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